夢より現れしは紅き退魔の剣
呪文を唱え終わると、青白い光が地面から溢れ始めた
『ほな、長い事居させて貰ったけど帰らせてもらうわな~ ああ、そうやエク君に剣姫ちゃん』
「え?ん?何?」
「な、なによ?」
『明日辺りにでも遊びにおいで。ってうちのお嬢さん方から伝言預かっててん ついでにもう一人にも伝えといてな~ じゃあ』
要件だけ伝え終わると同時に彼の姿はその場から一瞬にして消え去ってしまっていた。
伝言の内容をもう少し詳しく聞こうとエクと御幻が慌てて魔法陣上に駆けよって辺りを調べてみたり、叩いたり、呼びかけたりしても一切の反応が無かったが、ようやく訪れた平穏に彼らは疲れ切ったようにその場へ座り込んだ
「さすがに疲れちゃったね~…でもリースさんがあの二人と今まで一緒にいたなんて驚きだね~」
「退魔とか言ってたけどなんだったんだろうな?…でもまぁ、三人とも無事だから気にしても仕方ないよな」
「花びらは無くなったけどここの修繕なんとかしなきゃね …でも疲れた…」
「お手伝いなら私もがんばーるよ!任せて! あ、でもそう言えばエック…リースさんと何か約束してたの?明日どうとか言ってたよね??」
彼女にとっては素朴な疑問を投げかけたつもりだったのだろうが、伝言に心当たりのあった彼らは油断していた事もあって大袈裟なほどに驚いた
「Σえ?!あ~え、えっと約束してたって言うか何と言うか…前に言ってた剣術の大会の!な?!御幻!」
「Σえっ?!ええ、そ、そうなんです~!前に言っていた剣術の大会が明日開催なされるから急いだ方が良いよ~と言うのでして…;リースも出るらしいですからその……」
突然に話を振られたせいで普段の饒舌さとはかけ離れたしどろもどろな返答をしてしまったが、それでも信じてくれたらしく感心して頷いていた。 そうそう。と二人とも必死の愛想笑いを浮かべて誤魔化した後。そそくさとその場から立ち去った
足早に裏庭まで到着した辺りで二人は、改めてようやく安心したように大きく息を吐いた。
「はー…あー焦った…シェリ姉ちゃんって無意識なんだろうけど時々的確に聞いて来るから焦った…御幻!ナイス誤魔化しだったぜ☆」
「何がナイス誤魔化しよ!!うっさいわね!アンタが突然に話振るから焦ったじゃない; アイツはアイツで重要な事ちょっとしか言わなかったし…でも、明日の夜に来いって言ってたわよね?」
「言ってすぐ消えちゃったけどな」
「と言う事は。よ?水晶も一緒に行けって事よね…私を使っての稽古は十分とは言いにくいけど…」
「それならさ、上手く出来るかもわかんねぇし貸してくれるとも思えないけど良いのがあるぜ!だから御幻は水晶ちゃんに伝言伝えに行って、俺は聞いてみるから任せろ!」
全くと言って良い程に根拠の無い自信で力強く任せろと言われたものの、彼の根拠のない自信は今に始まった事では無かったので、溜め息交じりに笑いながらそれ以上何も言わずに御幻は城の中へと向かった。 エクはそのまま皆の元へと向かうと、既に休憩を終えていた彼らは瓦礫の撤去の為に行ったり来たりを繰り返していた。
皆が忙しく動き回る中。辺りを見回して探していると、エントランス付近から帰って来たサンを見つけ、呼びかけて駆け寄った。
「あ、いたいた…サン姉ーちゃん!」
「?何?エク」
「いや~その…頼みごとがあってさ…いい?かな?」
「聞きはするけど承諾するかは事と場合によるけど…」
「えっとその…明日の剣術大会に出来たら貸して貰いたいものがあって…」
言いにくそうにしながら告げられた提案に対し、彼女は最初。怪訝そうな表情を浮かべていたが、その場しのぎの嘘を交えつつ必死にお願いした甲斐もあってか、サンは渋々ながらそれを承諾して貸してくれた。
『ほな、長い事居させて貰ったけど帰らせてもらうわな~ ああ、そうやエク君に剣姫ちゃん』
「え?ん?何?」
「な、なによ?」
『明日辺りにでも遊びにおいで。ってうちのお嬢さん方から伝言預かっててん ついでにもう一人にも伝えといてな~ じゃあ』
要件だけ伝え終わると同時に彼の姿はその場から一瞬にして消え去ってしまっていた。
伝言の内容をもう少し詳しく聞こうとエクと御幻が慌てて魔法陣上に駆けよって辺りを調べてみたり、叩いたり、呼びかけたりしても一切の反応が無かったが、ようやく訪れた平穏に彼らは疲れ切ったようにその場へ座り込んだ
「さすがに疲れちゃったね~…でもリースさんがあの二人と今まで一緒にいたなんて驚きだね~」
「退魔とか言ってたけどなんだったんだろうな?…でもまぁ、三人とも無事だから気にしても仕方ないよな」
「花びらは無くなったけどここの修繕なんとかしなきゃね …でも疲れた…」
「お手伝いなら私もがんばーるよ!任せて! あ、でもそう言えばエック…リースさんと何か約束してたの?明日どうとか言ってたよね??」
彼女にとっては素朴な疑問を投げかけたつもりだったのだろうが、伝言に心当たりのあった彼らは油断していた事もあって大袈裟なほどに驚いた
「Σえ?!あ~え、えっと約束してたって言うか何と言うか…前に言ってた剣術の大会の!な?!御幻!」
「Σえっ?!ええ、そ、そうなんです~!前に言っていた剣術の大会が明日開催なされるから急いだ方が良いよ~と言うのでして…;リースも出るらしいですからその……」
突然に話を振られたせいで普段の饒舌さとはかけ離れたしどろもどろな返答をしてしまったが、それでも信じてくれたらしく感心して頷いていた。 そうそう。と二人とも必死の愛想笑いを浮かべて誤魔化した後。そそくさとその場から立ち去った
足早に裏庭まで到着した辺りで二人は、改めてようやく安心したように大きく息を吐いた。
「はー…あー焦った…シェリ姉ちゃんって無意識なんだろうけど時々的確に聞いて来るから焦った…御幻!ナイス誤魔化しだったぜ☆」
「何がナイス誤魔化しよ!!うっさいわね!アンタが突然に話振るから焦ったじゃない; アイツはアイツで重要な事ちょっとしか言わなかったし…でも、明日の夜に来いって言ってたわよね?」
「言ってすぐ消えちゃったけどな」
「と言う事は。よ?水晶も一緒に行けって事よね…私を使っての稽古は十分とは言いにくいけど…」
「それならさ、上手く出来るかもわかんねぇし貸してくれるとも思えないけど良いのがあるぜ!だから御幻は水晶ちゃんに伝言伝えに行って、俺は聞いてみるから任せろ!」
全くと言って良い程に根拠の無い自信で力強く任せろと言われたものの、彼の根拠のない自信は今に始まった事では無かったので、溜め息交じりに笑いながらそれ以上何も言わずに御幻は城の中へと向かった。 エクはそのまま皆の元へと向かうと、既に休憩を終えていた彼らは瓦礫の撤去の為に行ったり来たりを繰り返していた。
皆が忙しく動き回る中。辺りを見回して探していると、エントランス付近から帰って来たサンを見つけ、呼びかけて駆け寄った。
「あ、いたいた…サン姉ーちゃん!」
「?何?エク」
「いや~その…頼みごとがあってさ…いい?かな?」
「聞きはするけど承諾するかは事と場合によるけど…」
「えっとその…明日の剣術大会に出来たら貸して貰いたいものがあって…」
言いにくそうにしながら告げられた提案に対し、彼女は最初。怪訝そうな表情を浮かべていたが、その場しのぎの嘘を交えつつ必死にお願いした甲斐もあってか、サンは渋々ながらそれを承諾して貸してくれた。