夢より現れしは紅き退魔の剣
二人から槍を引き抜くと同時に二人は力なく地面に倒れ込み、こちらを見下ろしていたリースをキッと強く睨みつけた。
二人の傷口からは血の代わりに透明の液体が流れ、そこからは四姉妹同様に甘い香りが広がった
「リース…貴方…っ……」
「まさ、か…私達…を、裏切るつもり?」
『私達?は、だから何を勘違いしとるんや。俺が命令されて従うのはあっちのお嬢さんだけで、お前らみたいなおしゃべり植物なんか知るか』
長い前髪の隙間から見える二人を見下ろした紫色の瞳は酷く哀れな物を見るかの様に蔑んでいて、先程の明るく軽い雰囲気とは比べ物にならない程に差があった。
唐突な変わり様に皆が困惑して息を呑む中。エクだけが声を上げた
「ま、待てよアンタっ!!そいつらはその…一応はアンタの仲間…なんだろ?!なのになんでいきなりそんな」
『はははっ。優しいなぁエク君は。だけどな、君もさっきと言いこないだと言い…コイツらには散々な目に遭っとるやろ?だからお口チャックしとき』
口元に人差し指を当てて優しく諭すようにそう告げてから再び双子の方を見下ろした
「私…たちを、攻撃したら…どう…なるか」
「解ってます…の?お姉様方、は。黙って……ま、せんわよっ!!」
『指示に関係のないお嬢さんを巻き込んでまで愚直に従おうとしたり…なーんも知らんお前らがリークの事を軽々しく口にするなっ!!』
声を荒げて言い切ると同時にもう二本の槍が召喚され、双子の胸部を再度別方向から刺し貫かれた。 耳をつんざくかの様な甲高い悲鳴を上げながら二人の姿は煙に包まれてゆき、そのまま地面に吸収されていった後。彼の足元には一つの茎から二つに分かれた黒い薔薇が二倫咲いた状態で落ちていた
その花を腕を拘束するために変化していたコウモリ達が拾い上げて彼に手渡した
『はい、お疲れさん セシリアにリサ』
「さっきまで人の姿をしてた子たちが…お花になった??」
「地面から武器を出すのも十分驚きだったけど…今のも魔法で?」
先程まで人の姿をしていた筈の双子が花の姿に変わった事で、さっきの様に魔法で変わったのか?と疑問を口にしていたレーン達だったが、違う。とリースは軽く首を横に振った
『魔法は魔法やけど俺のとは違う系統のや』
「それは良いけど…何でアンタが私たちを助けるようなマネするの?そんな義理無いでしょ?…もしかしてリークとかいう子のおかげ?」
『いんや、どっちみち元々こうするつもりやったんや。 せやなぁ…うちのお嬢さん方の指示、実は偶然こっそり聞いててな…
退魔の力無いおにーさん達がアレの相手なんか無理やと思って彼女達と一緒に探して見つけたんは良いけど思ったよりアンタらが強かったから俺が入れんくて…』
「なんか…ごめん…」
「僕らも結構気が立ってたからかな~?大事な場所を壊されたり、シェリルやエクや御幻さんが危なかったし」
『実力までは知らんかったのは事実やけど…退魔…と言うか特殊な力ある奴がそれより劣る奴を無残に殺してく。って姿を見るのがどうしても嫌やったんや 前に色々あってな
だからこそコイツらは俺が手討ちにさせて貰った。ま、リークに関しては嬉しい誤算やったけど』
ようやく話し終えると、無言のまま彼らから少し距離を置き、石畳が崩れてむき出しにされている地面の上につま先で軽い魔方陣を描いて呪文を唱え始めた。
二人の傷口からは血の代わりに透明の液体が流れ、そこからは四姉妹同様に甘い香りが広がった
「リース…貴方…っ……」
「まさ、か…私達…を、裏切るつもり?」
『私達?は、だから何を勘違いしとるんや。俺が命令されて従うのはあっちのお嬢さんだけで、お前らみたいなおしゃべり植物なんか知るか』
長い前髪の隙間から見える二人を見下ろした紫色の瞳は酷く哀れな物を見るかの様に蔑んでいて、先程の明るく軽い雰囲気とは比べ物にならない程に差があった。
唐突な変わり様に皆が困惑して息を呑む中。エクだけが声を上げた
「ま、待てよアンタっ!!そいつらはその…一応はアンタの仲間…なんだろ?!なのになんでいきなりそんな」
『はははっ。優しいなぁエク君は。だけどな、君もさっきと言いこないだと言い…コイツらには散々な目に遭っとるやろ?だからお口チャックしとき』
口元に人差し指を当てて優しく諭すようにそう告げてから再び双子の方を見下ろした
「私…たちを、攻撃したら…どう…なるか」
「解ってます…の?お姉様方、は。黙って……ま、せんわよっ!!」
『指示に関係のないお嬢さんを巻き込んでまで愚直に従おうとしたり…なーんも知らんお前らがリークの事を軽々しく口にするなっ!!』
声を荒げて言い切ると同時にもう二本の槍が召喚され、双子の胸部を再度別方向から刺し貫かれた。 耳をつんざくかの様な甲高い悲鳴を上げながら二人の姿は煙に包まれてゆき、そのまま地面に吸収されていった後。彼の足元には一つの茎から二つに分かれた黒い薔薇が二倫咲いた状態で落ちていた
その花を腕を拘束するために変化していたコウモリ達が拾い上げて彼に手渡した
『はい、お疲れさん セシリアにリサ』
「さっきまで人の姿をしてた子たちが…お花になった??」
「地面から武器を出すのも十分驚きだったけど…今のも魔法で?」
先程まで人の姿をしていた筈の双子が花の姿に変わった事で、さっきの様に魔法で変わったのか?と疑問を口にしていたレーン達だったが、違う。とリースは軽く首を横に振った
『魔法は魔法やけど俺のとは違う系統のや』
「それは良いけど…何でアンタが私たちを助けるようなマネするの?そんな義理無いでしょ?…もしかしてリークとかいう子のおかげ?」
『いんや、どっちみち元々こうするつもりやったんや。 せやなぁ…うちのお嬢さん方の指示、実は偶然こっそり聞いててな…
退魔の力無いおにーさん達がアレの相手なんか無理やと思って彼女達と一緒に探して見つけたんは良いけど思ったよりアンタらが強かったから俺が入れんくて…』
「なんか…ごめん…」
「僕らも結構気が立ってたからかな~?大事な場所を壊されたり、シェリルやエクや御幻さんが危なかったし」
『実力までは知らんかったのは事実やけど…退魔…と言うか特殊な力ある奴がそれより劣る奴を無残に殺してく。って姿を見るのがどうしても嫌やったんや 前に色々あってな
だからこそコイツらは俺が手討ちにさせて貰った。ま、リークに関しては嬉しい誤算やったけど』
ようやく話し終えると、無言のまま彼らから少し距離を置き、石畳が崩れてむき出しにされている地面の上につま先で軽い魔方陣を描いて呪文を唱え始めた。