夢より現れしは紅き退魔の剣
咄嗟に蛇へ応戦するよりもサンを庇う様な姿勢をした時だった
「そー…れっ!!」
普段ののんびりとした口調と細身の体系でもある彼からは到底想像も出来ないレベルの強烈な蹴りが蛇の頬へ当たってふっ飛ばされ、球根部分へと蛇は激しく叩き付けられた
「ってアレ?今何が…??」
「?」
一瞬何が起こったのか分からず辺りを見回していたが、地面に着地したシーラが呼びかける
「レーン今だよ~斬っちゃって」
「あ、ああ!分かったっ!!」
シーラの呼び掛けに気付いたレーンは、その場から一気に駆けて怯んだままの蛇に向けて飛び、大きく回転する様にして鉤爪で胴体部分から一気に斬り落とし、落ちて来た頭部分を掃除ついでにとサンが焼き尽くした
退治を終えたレーンが直ぐに彼女の方へ寄ると、連続して使用していたせいか咳き込む量が増え、口元を押さえる手にはやや血が付着していた
「流石にこれ以上は危険だな…良いから下がってろ?分かった?!」
(首を横に振る)
「サンー?ちゃんと言う事を…Σわぁぁああっ?!!」
少し離れた所からシーラも注意を促そうとした時だった。地面から生えた荊が片足に巻き付き、素早く宙吊りにされてしまった。 その反動で手からヘルヴェイルが滑り落ち、地面に刺さる
「Σシーラっ?!ま、待ってろ!今ヘルヴェイル投げるから!!」
「Σうわわわっ!!シー兄が!シー兄が餌になる!」
「シーラさんっ?! くっぬぬ…切れないし動かない…っ!」
「ひゃわわ!どうしようっ!シーラが!」
宙吊りにされ、周りが大慌てして救助しようとしたり蛇に大口を開けて迫られても彼に一切の焦りは無く、地面に刺さったままのヘルヴェイルへ命じた
「あははは参ったね~…ヘルヴェイル。そのまま一直線に発動だ」
『かしこまりましたマスター』
その声に応える様に薄紫色の刀身は青白く輝きを見せ、そして一直線に進む様にして幾つもの刀身が地面から上下しながら出現し、球根部分を斬り裂く。 主要部分が傷付けられ、大口を開けていた蛇は怯んだように彼との距離を開けた
「ありがとヘルヴェイル。サン!銃投げて」
「ん。」
その隙を見計らってサンから一丁の銃を投げて貰い、それをしっかり受け取ると、彼女の片目を狙って打ち抜いた。 その衝撃による甲高い咆哮と共に荊の拘束が緩み、彼はようやく着地した
「はぁ…びっくりしたなぁ。 それじゃあヘルヴェイル…もう一度頼むよ」
『はい!』
地面に刺さていた彼女を引き抜いて手元に戻すと、怒り狂った様に蛇が突進してきた。 だがそれを軽々と避け、カウンターにと鞘で頬を突き、そのまま口部分を上から一気に地面へと突き刺した。
刀で串刺しにされている為、口を開ける事が不可能となった代わりにと荊で応戦しようとするよりも先にシーラはもう一度彼女へ命じた。そのまま発動しろ。と
口が塞がれているので発動した能力から逃れられる筈も無く、蛇の頭頂部から根元までの全てを刺し貫いた。 抵抗が出来なくなった事を確認してからようやく刀を引き抜くと、無数に突き刺さっていた刀身が消え失せ、足元には先程までいた筈の蛇が黒い薔薇の花びらへ姿を変えていた。
掃除が大変そうだな…と考えながら落ちている花びらを足で軽く退かしていると、先程ヘルヴェイルが傷をつけた球根部分が音を立てて割れ、中央部分には荊が巻きついた結晶が見えた。
「そー…れっ!!」
普段ののんびりとした口調と細身の体系でもある彼からは到底想像も出来ないレベルの強烈な蹴りが蛇の頬へ当たってふっ飛ばされ、球根部分へと蛇は激しく叩き付けられた
「ってアレ?今何が…??」
「?」
一瞬何が起こったのか分からず辺りを見回していたが、地面に着地したシーラが呼びかける
「レーン今だよ~斬っちゃって」
「あ、ああ!分かったっ!!」
シーラの呼び掛けに気付いたレーンは、その場から一気に駆けて怯んだままの蛇に向けて飛び、大きく回転する様にして鉤爪で胴体部分から一気に斬り落とし、落ちて来た頭部分を掃除ついでにとサンが焼き尽くした
退治を終えたレーンが直ぐに彼女の方へ寄ると、連続して使用していたせいか咳き込む量が増え、口元を押さえる手にはやや血が付着していた
「流石にこれ以上は危険だな…良いから下がってろ?分かった?!」
(首を横に振る)
「サンー?ちゃんと言う事を…Σわぁぁああっ?!!」
少し離れた所からシーラも注意を促そうとした時だった。地面から生えた荊が片足に巻き付き、素早く宙吊りにされてしまった。 その反動で手からヘルヴェイルが滑り落ち、地面に刺さる
「Σシーラっ?!ま、待ってろ!今ヘルヴェイル投げるから!!」
「Σうわわわっ!!シー兄が!シー兄が餌になる!」
「シーラさんっ?! くっぬぬ…切れないし動かない…っ!」
「ひゃわわ!どうしようっ!シーラが!」
宙吊りにされ、周りが大慌てして救助しようとしたり蛇に大口を開けて迫られても彼に一切の焦りは無く、地面に刺さったままのヘルヴェイルへ命じた
「あははは参ったね~…ヘルヴェイル。そのまま一直線に発動だ」
『かしこまりましたマスター』
その声に応える様に薄紫色の刀身は青白く輝きを見せ、そして一直線に進む様にして幾つもの刀身が地面から上下しながら出現し、球根部分を斬り裂く。 主要部分が傷付けられ、大口を開けていた蛇は怯んだように彼との距離を開けた
「ありがとヘルヴェイル。サン!銃投げて」
「ん。」
その隙を見計らってサンから一丁の銃を投げて貰い、それをしっかり受け取ると、彼女の片目を狙って打ち抜いた。 その衝撃による甲高い咆哮と共に荊の拘束が緩み、彼はようやく着地した
「はぁ…びっくりしたなぁ。 それじゃあヘルヴェイル…もう一度頼むよ」
『はい!』
地面に刺さていた彼女を引き抜いて手元に戻すと、怒り狂った様に蛇が突進してきた。 だがそれを軽々と避け、カウンターにと鞘で頬を突き、そのまま口部分を上から一気に地面へと突き刺した。
刀で串刺しにされている為、口を開ける事が不可能となった代わりにと荊で応戦しようとするよりも先にシーラはもう一度彼女へ命じた。そのまま発動しろ。と
口が塞がれているので発動した能力から逃れられる筈も無く、蛇の頭頂部から根元までの全てを刺し貫いた。 抵抗が出来なくなった事を確認してからようやく刀を引き抜くと、無数に突き刺さっていた刀身が消え失せ、足元には先程までいた筈の蛇が黒い薔薇の花びらへ姿を変えていた。
掃除が大変そうだな…と考えながら落ちている花びらを足で軽く退かしていると、先程ヘルヴェイルが傷をつけた球根部分が音を立てて割れ、中央部分には荊が巻きついた結晶が見えた。