夢より現れしは紅き退魔の剣
彼らの宣戦布告とも取れる行動に双子はニヤリと得意気に嗤った。 勝った。と退魔の力を持たない彼らが自分達に挑むこと自体無謀であり、ましてや彼らは今、自分達が捕えているので心配する必要も無い 彼らをここで殺せばまたレルクやセフィリアに褒めて貰える。そう考えた双子は空いた手を四姉妹たちに向けて命じた
『姉妹を喰らえ貪食!そしてその身を主にして咲き誇れ! 黒荊の宴!!』
双子の命を受け、次女である貪食は大きな咆哮をあげると共に口を開けて三体を喰らい始めた その異様な光景に三人は表情を歪めていると、姉妹を喰らい尽くした貪食はその場でとぐろを巻き、中央部分に頭を入れると同時にその姿は巨大な球根へと姿を変えた。
すぐさま球根部分が蠢き、中から喰い破って出て来たのは、無数の荊と共に牛の様な角が生え赤い眼をした巨大な黒い蛇が三体だった
「Σひゃわぁぁああっ?!!」
「Σななな何だよコイツっ!!!」
「一体だけでも散々だったのに…こんなのじゃ三人でも無理よ…っ 絶対に無理よ!早く水晶を呼びに行くか逃げて!」
召喚されてしまった魔物にエクは完全に青ざめて腰を抜かしてしまい、御幻は早く逃げる様に呼びかけたが、彼らにそんなつもりは毛頭ないらしく
「…何か気色悪い……」
「僕らなら大丈夫だよ~待ってて それじゃあ…僕は右端で」
「さっきの大きなアレからコレって……あ、じゃあ真ん中で」
各々がどれを退治するかを決め、目標の蛇めがけて一斉に駆けた。
「無駄よ無駄!」
「私達を退治できる力も無いくせに!」
『暴食!悪食!美食!さっさと食べ尽くしちゃいなさい!!』
双子に命じられ、蛇にへと姿を変えた姉妹たちは自分の周りにある荊を自在に操って彼らの動きを攪乱させていたが、あまりに邪魔だったのかレーンが装備していた鉤爪で一気に切り刻み、地面に落ちた残骸はサンの持つ刀身の赤い刀「炎魔刀」の持つ能力によって焼き尽くすと、僅かに炎を纏った刀の影響でオッドアイだったサンの目は両目とも刀身と同じ様に真っ赤に染まっていた。
「道は何とか開けられたな…サン!こっちだ」
「それじゃあ僕は…。まだ生えてる荊のお掃除でもするね~」
刈取り、焼き尽くされた事でがら空きになった左端に向けて二人が駆け、その少し後ろをシーラがカバーに入る事で集中攻撃を仕掛ける荊を刈り続け、その間に辿り着いた二人は一旦レーンが球根部分で背を向け、勢いを付けたサンがその背を一旦踏み台にして飛び上がり、蛇の生えている根元部分めがけ、持っていた炎魔刀を突き刺した。
「その蛇の全てを燃やし尽くせ…炎魔刀!!」
サンの命を受けて炎魔刀は発動し、突き刺した部分から一気に炎が上がり、その蛇は狂った様に口を開きながら暴れ回った。
『美食っ!?火が苦手なこの子達によくもっ!!』
早く消化してやろうと荊や花弁を使おうとしてみるが、発動した炎の勢いが強く、為す術も無いまま彼女の全身を包み込み、そして全てを焼き尽くすと同時に刀が発していた炎は収まった。 だが、その能力を使った代償は大きかったらしく、―ドクンッ―と言う心臓が一気に跳ね上がる様な感覚と共にサンは咳き込みながら地面に膝を付いた。
「!大丈夫か?!流石にさっきのは無理させ過ぎたか?」
「まだ…これぐらいはへい、き…」
心配する彼に対し、まだ大丈夫。と頭を左右に振って否定し、刀を支えにして辛うじて立ち上がれた時だった。二人めがけて真ん中の蛇「悪食」が隙を狙って噛み付こうと襲い掛かって来た。
『姉妹を喰らえ貪食!そしてその身を主にして咲き誇れ! 黒荊の宴!!』
双子の命を受け、次女である貪食は大きな咆哮をあげると共に口を開けて三体を喰らい始めた その異様な光景に三人は表情を歪めていると、姉妹を喰らい尽くした貪食はその場でとぐろを巻き、中央部分に頭を入れると同時にその姿は巨大な球根へと姿を変えた。
すぐさま球根部分が蠢き、中から喰い破って出て来たのは、無数の荊と共に牛の様な角が生え赤い眼をした巨大な黒い蛇が三体だった
「Σひゃわぁぁああっ?!!」
「Σななな何だよコイツっ!!!」
「一体だけでも散々だったのに…こんなのじゃ三人でも無理よ…っ 絶対に無理よ!早く水晶を呼びに行くか逃げて!」
召喚されてしまった魔物にエクは完全に青ざめて腰を抜かしてしまい、御幻は早く逃げる様に呼びかけたが、彼らにそんなつもりは毛頭ないらしく
「…何か気色悪い……」
「僕らなら大丈夫だよ~待ってて それじゃあ…僕は右端で」
「さっきの大きなアレからコレって……あ、じゃあ真ん中で」
各々がどれを退治するかを決め、目標の蛇めがけて一斉に駆けた。
「無駄よ無駄!」
「私達を退治できる力も無いくせに!」
『暴食!悪食!美食!さっさと食べ尽くしちゃいなさい!!』
双子に命じられ、蛇にへと姿を変えた姉妹たちは自分の周りにある荊を自在に操って彼らの動きを攪乱させていたが、あまりに邪魔だったのかレーンが装備していた鉤爪で一気に切り刻み、地面に落ちた残骸はサンの持つ刀身の赤い刀「炎魔刀」の持つ能力によって焼き尽くすと、僅かに炎を纏った刀の影響でオッドアイだったサンの目は両目とも刀身と同じ様に真っ赤に染まっていた。
「道は何とか開けられたな…サン!こっちだ」
「それじゃあ僕は…。まだ生えてる荊のお掃除でもするね~」
刈取り、焼き尽くされた事でがら空きになった左端に向けて二人が駆け、その少し後ろをシーラがカバーに入る事で集中攻撃を仕掛ける荊を刈り続け、その間に辿り着いた二人は一旦レーンが球根部分で背を向け、勢いを付けたサンがその背を一旦踏み台にして飛び上がり、蛇の生えている根元部分めがけ、持っていた炎魔刀を突き刺した。
「その蛇の全てを燃やし尽くせ…炎魔刀!!」
サンの命を受けて炎魔刀は発動し、突き刺した部分から一気に炎が上がり、その蛇は狂った様に口を開きながら暴れ回った。
『美食っ!?火が苦手なこの子達によくもっ!!』
早く消化してやろうと荊や花弁を使おうとしてみるが、発動した炎の勢いが強く、為す術も無いまま彼女の全身を包み込み、そして全てを焼き尽くすと同時に刀が発していた炎は収まった。 だが、その能力を使った代償は大きかったらしく、―ドクンッ―と言う心臓が一気に跳ね上がる様な感覚と共にサンは咳き込みながら地面に膝を付いた。
「!大丈夫か?!流石にさっきのは無理させ過ぎたか?」
「まだ…これぐらいはへい、き…」
心配する彼に対し、まだ大丈夫。と頭を左右に振って否定し、刀を支えにして辛うじて立ち上がれた時だった。二人めがけて真ん中の蛇「悪食」が隙を狙って噛み付こうと襲い掛かって来た。