夢より現れしは紅き退魔の剣
水晶の様子に気付いたセフィリアが咄嗟にリース達へ逃げる様に注意を促した途端。天井を貫くほどに巨大な氷の結晶が地面から召喚され、その周りを飾るかのように大小様々な大きさの結晶がまるで花びらの様に無数に咲き、完全に彼らの動きを止めるための壁を作り、二人を先に逃がして自分もその場から脱出した。
三人が出て行った事を音だけで確認したトレートルはローブのフードを取りやれやれと息を吐いた
「あーあ…逃げちゃった。まさか深時がここまで大胆な事が出来る子なんて知らなかったけど…交渉も決裂、剣姫を滅する事も出来なかったなんて…」
『いつの時も交渉が上手く行く事は無いと思っていたけれど…この先は穏便には出来そうに無いわね』
『居場所もバレちゃったし~…潰す以外無いでしょ?邪魔はされたくないもの 第一!アンタがあの時加減なんかするからこうなったんじゃないの?もしかして……一応は部下だから。って迷ったとか?』
「はははっ。随分君は面白い事を言うんだねレルク 僕が迷う?ふふふっ。必要なら、あの子以外全員が犠牲になったって構わないのに 僕は非力だからあれぐらいが限界だったんだよ」
『どっちかと言うと俺の方が非力やねんけど… それよりお花。何とかしたらんでエエの?枯れるで?』
ようやく氷の隙間から脱出して合流を果たしたリースの一言に、ようやく思い出したレルクとセフィリアは慌てて救助に向かった。
「お姉様ぁぁっ!!」
「寒かったですぅぅっ」
『ふぁぁあああんっ!!!』
『よしよしレイレイ。よく頑張ったわよ どっこも異常はない?』
『お疲れ様、魅芭紗 偉かったわ』
「セフィリア」「レルク」『お姉様ぁぁぁあっ!!!』
ようやくの救助に安堵したのかびゃーと泣きつく二人をそれぞれ受け止めてやり、落ち着いた辺りで二人が切りだした
「お姉様方!今すぐ追いましょう!」
「ちょっと指先の感覚が微妙ですけど大丈夫ですわ!!」
『ダメよ。その状態は今ので軽い乾燥状態みたいだからまずは水分吸収と…この氷退かして…ああ、美食は平気?』
「花びらが刈られただけでしたので大丈夫ですわ」
『なら良いわ。えーっと…引き続きリースが監視して…私が適当な奴でも連れてくれ来るからそこで水分補給すればいいかしらあ?…良いわよね?』
自問自答を終え、立ち上がってからさっさと氷を退かして屋根修理をする様にリースやトレートルへ指示し、同じくその場に立ち上がったセフィリアの手を取り、そっと優しく両手で包んだ。
『セフィ…この先絶対逃れられないなら私は…』
『レルク…ええ、解っているわ。…だけど、私達が真に自由になれる時まで貴女だけは…死なせはしないわ』
甘えるような。それでいて縋る様なその声と目にセフィリアは表情に表す代わりに頬を撫で、そして口付けた。
『だからそんな表情しなくて良いのよ…私なら大丈夫だから』
その言葉と行為に、どんな時でも饒舌なレルクは頬を染めたままそっと頷いた。
三人が出て行った事を音だけで確認したトレートルはローブのフードを取りやれやれと息を吐いた
「あーあ…逃げちゃった。まさか深時がここまで大胆な事が出来る子なんて知らなかったけど…交渉も決裂、剣姫を滅する事も出来なかったなんて…」
『いつの時も交渉が上手く行く事は無いと思っていたけれど…この先は穏便には出来そうに無いわね』
『居場所もバレちゃったし~…潰す以外無いでしょ?邪魔はされたくないもの 第一!アンタがあの時加減なんかするからこうなったんじゃないの?もしかして……一応は部下だから。って迷ったとか?』
「はははっ。随分君は面白い事を言うんだねレルク 僕が迷う?ふふふっ。必要なら、あの子以外全員が犠牲になったって構わないのに 僕は非力だからあれぐらいが限界だったんだよ」
『どっちかと言うと俺の方が非力やねんけど… それよりお花。何とかしたらんでエエの?枯れるで?』
ようやく氷の隙間から脱出して合流を果たしたリースの一言に、ようやく思い出したレルクとセフィリアは慌てて救助に向かった。
「お姉様ぁぁっ!!」
「寒かったですぅぅっ」
『ふぁぁあああんっ!!!』
『よしよしレイレイ。よく頑張ったわよ どっこも異常はない?』
『お疲れ様、魅芭紗 偉かったわ』
「セフィリア」「レルク」『お姉様ぁぁぁあっ!!!』
ようやくの救助に安堵したのかびゃーと泣きつく二人をそれぞれ受け止めてやり、落ち着いた辺りで二人が切りだした
「お姉様方!今すぐ追いましょう!」
「ちょっと指先の感覚が微妙ですけど大丈夫ですわ!!」
『ダメよ。その状態は今ので軽い乾燥状態みたいだからまずは水分吸収と…この氷退かして…ああ、美食は平気?』
「花びらが刈られただけでしたので大丈夫ですわ」
『なら良いわ。えーっと…引き続きリースが監視して…私が適当な奴でも連れてくれ来るからそこで水分補給すればいいかしらあ?…良いわよね?』
自問自答を終え、立ち上がってからさっさと氷を退かして屋根修理をする様にリースやトレートルへ指示し、同じくその場に立ち上がったセフィリアの手を取り、そっと優しく両手で包んだ。
『セフィ…この先絶対逃れられないなら私は…』
『レルク…ええ、解っているわ。…だけど、私達が真に自由になれる時まで貴女だけは…死なせはしないわ』
甘えるような。それでいて縋る様なその声と目にセフィリアは表情に表す代わりに頬を撫で、そして口付けた。
『だからそんな表情しなくて良いのよ…私なら大丈夫だから』
その言葉と行為に、どんな時でも饒舌なレルクは頬を染めたままそっと頷いた。