夢より現れしは紅き退魔の剣
レルクがそっと離れ、ようやく少しだけ安堵出来たので一息つこうとしたが、二人の様子を見上げて見守っていた双子にはエクの態度が気に入らなかったらしく
「人質のくせに生意気ですわよっ!!」
「お姉様の提案を無下にするなんて許せない!!」
「アンタみたいな奴がお話出来る事自体が特別なんだからね?!!」
「交互はいいから一人で喋れよっ!!」
交互に喋る二人に我慢できなくなって思わずエクが叫んでしまった途端。エクの近くで咲いていた巨大な黒薔薇がもぞもぞと動き始め、花托部分から微かに甘い香りのする液体が漏れ出しそして
「Σななな何だよコレーーーっ?!!!」
叫ぶエクの目の前に現れたのは、甲高い叫ぶような声と花托部分が人の口の様に大きく開いた姿。中は長い舌と細長い無数の歯が見え、息を吐くとそこからは、さっきと同じ甘い香りがした。
『あら?今の少年くんの声で起きちゃったみたいね』
「そんなあっさり言う前に説明くださいッス;」
身を縮こませ、やや泣きそうになりながら訴えると、お花たちが得意げに説明を始めた
「ふふふ~ん♪この子は私たちだけが持つ召喚植物!」
「中でもこの子は一番大人しい末妹!」
『その名も美食!!』
美食と呼ばれた口のある黒薔薇は、返事をするようにその場で大きく叫び双子をじっと見つめた。
「お姉様方ー?餌にしちゃっていいですかー?」
「それとも私たちの養分にしても良いですかー?」
「すいませーんどっちの選択も嫌なんですけどー?」
『交渉は決裂したのよ。後は好きにしても構わないわよ~ あ、じゃあ…上は美食で下はレイミハ。の半分こにしたら?』
とんでもない発言をレルクから言われ、それだけは勘弁してください。と、大声を出す代わりに表情と仕草で必死に訴えたが、彼女自身興味が完全に失せてしまっているので、手で追い払う様にされてしまった。
その様子を了承と思った双子は宙吊りにした荊を捜査して美食の口元へとエクの上半身を持っていった。
「Σひぃっゃぁああっ!!?たたた助けて御幻っっ!!!」
「はっ!エ、エクっ!!」
エクに言われた言葉もあってそのまま呆然と座り込んだままの御幻だったが、彼の本気絶叫にようやくハッとなり、足に巻きついている荊を慌てて切り、駆けようとした時彼女の後ろを風を吃ように誰かが走って行った
「主では遅かろう。任すがよい」
その言葉と同時にエクを吊るしていた荊や周りの荊が、彼女の使用する細剣によって細かく切り刻まれそして
『!?美食っ!!』
大口を開けて待ち構えていた美食の花弁部分も同時に切り刻まれた。
「うっとおしい程に花弁が多かったのでな、荊を切るついでに刈らせて貰ったぞ」
得意げに笑いながら助け出したエクは片手で抱っこするようにして抱えていたが直ぐに、御幻の方へと投げ渡すと同時に、遠くから放たれた先端が蛇の姿をしている鞭を回避した。
『やっぱり先にアンタを潰しておくべきだったわね…あの二人はアンタには関係無いんじゃないの?』
「ふふふっ。若い者達がああ言っておるのに妨害するのは野暮だとは思わぬのか?」
『交渉が決裂したのに無事に帰れると本気で思ってるの?!』
鞭をもう一度放つと、回避しても追尾しては突進をしてきたので、当たる寸前に地面から薄紫色の氷の結晶を召喚して弾き、鞭の先端にいる蛇を切り落とした。
「人質のくせに生意気ですわよっ!!」
「お姉様の提案を無下にするなんて許せない!!」
「アンタみたいな奴がお話出来る事自体が特別なんだからね?!!」
「交互はいいから一人で喋れよっ!!」
交互に喋る二人に我慢できなくなって思わずエクが叫んでしまった途端。エクの近くで咲いていた巨大な黒薔薇がもぞもぞと動き始め、花托部分から微かに甘い香りのする液体が漏れ出しそして
「Σななな何だよコレーーーっ?!!!」
叫ぶエクの目の前に現れたのは、甲高い叫ぶような声と花托部分が人の口の様に大きく開いた姿。中は長い舌と細長い無数の歯が見え、息を吐くとそこからは、さっきと同じ甘い香りがした。
『あら?今の少年くんの声で起きちゃったみたいね』
「そんなあっさり言う前に説明くださいッス;」
身を縮こませ、やや泣きそうになりながら訴えると、お花たちが得意げに説明を始めた
「ふふふ~ん♪この子は私たちだけが持つ召喚植物!」
「中でもこの子は一番大人しい末妹!」
『その名も美食!!』
美食と呼ばれた口のある黒薔薇は、返事をするようにその場で大きく叫び双子をじっと見つめた。
「お姉様方ー?餌にしちゃっていいですかー?」
「それとも私たちの養分にしても良いですかー?」
「すいませーんどっちの選択も嫌なんですけどー?」
『交渉は決裂したのよ。後は好きにしても構わないわよ~ あ、じゃあ…上は美食で下はレイミハ。の半分こにしたら?』
とんでもない発言をレルクから言われ、それだけは勘弁してください。と、大声を出す代わりに表情と仕草で必死に訴えたが、彼女自身興味が完全に失せてしまっているので、手で追い払う様にされてしまった。
その様子を了承と思った双子は宙吊りにした荊を捜査して美食の口元へとエクの上半身を持っていった。
「Σひぃっゃぁああっ!!?たたた助けて御幻っっ!!!」
「はっ!エ、エクっ!!」
エクに言われた言葉もあってそのまま呆然と座り込んだままの御幻だったが、彼の本気絶叫にようやくハッとなり、足に巻きついている荊を慌てて切り、駆けようとした時彼女の後ろを風を吃ように誰かが走って行った
「主では遅かろう。任すがよい」
その言葉と同時にエクを吊るしていた荊や周りの荊が、彼女の使用する細剣によって細かく切り刻まれそして
『!?美食っ!!』
大口を開けて待ち構えていた美食の花弁部分も同時に切り刻まれた。
「うっとおしい程に花弁が多かったのでな、荊を切るついでに刈らせて貰ったぞ」
得意げに笑いながら助け出したエクは片手で抱っこするようにして抱えていたが直ぐに、御幻の方へと投げ渡すと同時に、遠くから放たれた先端が蛇の姿をしている鞭を回避した。
『やっぱり先にアンタを潰しておくべきだったわね…あの二人はアンタには関係無いんじゃないの?』
「ふふふっ。若い者達がああ言っておるのに妨害するのは野暮だとは思わぬのか?」
『交渉が決裂したのに無事に帰れると本気で思ってるの?!』
鞭をもう一度放つと、回避しても追尾しては突進をしてきたので、当たる寸前に地面から薄紫色の氷の結晶を召喚して弾き、鞭の先端にいる蛇を切り落とした。