夢より現れしは紅き退魔の剣
『そう考えると…少年くんは不憫な子。ね~』
「そうだよなー…こんな訳分からねぇ黒と白の角生えた子に吊るされてるんだもんなー」
ああ、ようやく分かってくれたんだな。と勘違いのまましみじみ感じていると、麗姫達がキッと睨んだ。
『まだこんなに若いのに……剣姫ちゃんなんかと契約して…少年くんは知ってるかしら?代償を…』
「そうだよな…そのお蔭で剣術習う事にー……?だいしょー??」
何の話?と聞き返すとその反応にレルクは薄ら笑いを浮かべたが、話の続きを察した御幻は頭が真っ白になったらしく言葉を上手く紡ぐ事も出来ず只必死に悲壮な表情で止めろと首を左右に振ったが、レルクが話を聞く筈も無く、わざとエクの元へと飛び寄り両手で頬を包みながら嗤った
『薄情者よねぇ~いっちばん大事な事を秘密にしておくなんて…神話の話でしかないけれど…退魔師は魔物を感知する目と浄化出来る力を持っているけれど…それは一族から受け継がれた能力。何も無い人が同じ力を使おうとしても叶う筈も無い事…だけど、それを可能にするのが、あの剣姫ちゃんの一族
単品ではどうしようも出来ないから代々何かしら合う人の夢に出ては契約を結び魔を浄化する… で・も。普通の人がそんな能力を強制的に発動させるのよ?その分の負担は大きくて…』
「やめっ…!」
『代償として少年くんに科せられたのは寿命の減少。契約した事を後悔しても遅いの…どんなに屈強な戦士であっても、長く持って約5年。少年くんの場合はー…持って後半年ぐらいじゃないかしら?』
私にとってはどうでも良いけれど。と言わんばかりにさらっと言われた言葉に彼は呆然となった。何度も頭の中では代償の事がループする。寿命が減少?頑張ったって半年?契約して剣術稽古して…それだけなのに?…
『ねぇ…怖いでしょう?でもねぇ、少年くん。早く知っておいてよかったと思わない?今こ・こ・で…少年くんが契約を破棄さえしてくれたら助けてあげられるの』
「俺が…破棄したら……御幻はどうなるんだよ」
どうしても避けていた話をレルクが代わりに語った事で、確実に自分は消えてしまうと感じたのか、指名が果たせなくなった。と心底絶望した御幻は両手を地面に付いたまま肩を震わしていたが、絞り出すようなエクの問いかけに彼女は少しだけ顔を上げた。
『さぁ?多分~…またどっかの人と契約結んで生きるか…私達を目の前に使命を果たせず一族滅亡~のどちらかじゃない?』
「…なら嫌だ。」
『え?』
「だから契約破棄すんのは嫌だ!って言ってんだよっ!!確かにいっつも散々な目に遭う事だってあるし寿命がどうとかもどうしたら良いかもわかんねぇ。だけど、御幻が一族の為に頑張ろうとしてるのに俺の勝手な判断で左右する方がよっぽど後悔するっ!!」
「エク…っ」
『あくまで自分の事より剣姫ちゃんの事を選ぶなんて本当に馬鹿な子…』
力強く言い切ったエクの言葉に、苛立った様子でレルクの表情は苦々しく歪んだ。
「そうだよなー…こんな訳分からねぇ黒と白の角生えた子に吊るされてるんだもんなー」
ああ、ようやく分かってくれたんだな。と勘違いのまましみじみ感じていると、麗姫達がキッと睨んだ。
『まだこんなに若いのに……剣姫ちゃんなんかと契約して…少年くんは知ってるかしら?代償を…』
「そうだよな…そのお蔭で剣術習う事にー……?だいしょー??」
何の話?と聞き返すとその反応にレルクは薄ら笑いを浮かべたが、話の続きを察した御幻は頭が真っ白になったらしく言葉を上手く紡ぐ事も出来ず只必死に悲壮な表情で止めろと首を左右に振ったが、レルクが話を聞く筈も無く、わざとエクの元へと飛び寄り両手で頬を包みながら嗤った
『薄情者よねぇ~いっちばん大事な事を秘密にしておくなんて…神話の話でしかないけれど…退魔師は魔物を感知する目と浄化出来る力を持っているけれど…それは一族から受け継がれた能力。何も無い人が同じ力を使おうとしても叶う筈も無い事…だけど、それを可能にするのが、あの剣姫ちゃんの一族
単品ではどうしようも出来ないから代々何かしら合う人の夢に出ては契約を結び魔を浄化する… で・も。普通の人がそんな能力を強制的に発動させるのよ?その分の負担は大きくて…』
「やめっ…!」
『代償として少年くんに科せられたのは寿命の減少。契約した事を後悔しても遅いの…どんなに屈強な戦士であっても、長く持って約5年。少年くんの場合はー…持って後半年ぐらいじゃないかしら?』
私にとってはどうでも良いけれど。と言わんばかりにさらっと言われた言葉に彼は呆然となった。何度も頭の中では代償の事がループする。寿命が減少?頑張ったって半年?契約して剣術稽古して…それだけなのに?…
『ねぇ…怖いでしょう?でもねぇ、少年くん。早く知っておいてよかったと思わない?今こ・こ・で…少年くんが契約を破棄さえしてくれたら助けてあげられるの』
「俺が…破棄したら……御幻はどうなるんだよ」
どうしても避けていた話をレルクが代わりに語った事で、確実に自分は消えてしまうと感じたのか、指名が果たせなくなった。と心底絶望した御幻は両手を地面に付いたまま肩を震わしていたが、絞り出すようなエクの問いかけに彼女は少しだけ顔を上げた。
『さぁ?多分~…またどっかの人と契約結んで生きるか…私達を目の前に使命を果たせず一族滅亡~のどちらかじゃない?』
「…なら嫌だ。」
『え?』
「だから契約破棄すんのは嫌だ!って言ってんだよっ!!確かにいっつも散々な目に遭う事だってあるし寿命がどうとかもどうしたら良いかもわかんねぇ。だけど、御幻が一族の為に頑張ろうとしてるのに俺の勝手な判断で左右する方がよっぽど後悔するっ!!」
「エク…っ」
『あくまで自分の事より剣姫ちゃんの事を選ぶなんて本当に馬鹿な子…』
力強く言い切ったエクの言葉に、苛立った様子でレルクの表情は苦々しく歪んだ。