夢より現れしは紅き退魔の剣
『一人厄介なおまけもついて来とるみたいやけど…まぁええか。ほら、皆は一旦帰っとき~』
腕や頭の上に乗せていた三羽を帰らせ、二人の方へと向き直った
『夜遅くこーんな寂れた所に来てくれてお疲れさん うちの御嬢さん達が、剣姫ちゃんとお話ししたいとか言うものやから…ちょーっとお預かりしてる子がおるんよ』
「話したがってる奴はともかく…預かってる奴って…」
『今は寝とるけど黒髪でー…首飾り付けとる子や。奥の部屋にいΣあ、ちょっと!話はまだ終わっとらんって!!!』
黒髪で首飾りの子と言われが続きを聞く事もなく青ざめた表情にもなった御幻はその場から一気に奥の部屋に向かって駆け出し、その後を多少迷いつつではあったが水晶も一緒に続き、閉じられていた最奥の扉を勢いに任せて御幻が蹴り開けた。
視線の先に広がった空間には、床やや天井と言った至る所に棘がついた黒い荊が張り巡らされてあり、二人のすぐ近くには麗姫と魅芭紗が立っており、二人の後ろには巨大な黒い薔薇が地面からこちらを見下ろすかのように一輪だけ咲いていた。
最奥の階段上にある玉座にはセフィリアが座り、その隣にレルクが控えていたが、二人の姿を確認するとニコリと嗤ったが水晶と御幻は警戒して身構えた。
『こんばんわ~お二人さん♡表の歴史から消え去られた可哀想な一族の生き残りさんと…聖仙界の犬も』
「あの時町ですれ違った時まさかとは思ったけど、本当だったなんて…それよりエクは何処?!さっき入り口にいた黄色いのがここにいるって!」
『エク?…ああ~、あの少年くん?彼ならー…』
一度そこで言葉を切り、双子の方へ視線を向けるとそれに気付いた二人は一回頷き、二人で手を繋いだまま共に手を大きく広げると、背後にある無数の荊が動き始めると、その中から荊で宙吊りにされたエクが目の前に出された。
俯いてしまっているのでその表情までは見えなかったが、危険な状態になっているんじゃないか?と思った御幻は悲壮な声を上げる
「嘘…でしょ?!エク!さっさと起きなさいよエクっ!!」
「主ら…彼にも危害を加…いや、落ち着くのだ御幻。あの者は平気そうだぞ?」
侮蔑の意味を込めた視線でレルク達を強く睨み付けていた水晶だったが、よくエクの状況をみるとその表情は微かに緩んだ
『そんなに騒がなくっても大丈夫よ~。私だって選ぶ権利はあるんだから 彼にはちょっと寝て貰ってるだ・け。大事な交渉のお相手としてね?』
パチンッと彼女が指を鳴らすと、宙吊りのまま俯いた状態だった彼は、突然何かに弾かれたかのように目覚めた
「Σふぁっ?!!な、なんだ?!何だここ?つーか何この状況!!って、目がまた違和感あるんだけど?!」
「エク?!…何とも…ないの?」
「思っていた以上に元気そうだな…;」
案外と軽いエクの状態に二人は思わず拍子抜けしたような声になった。
「なんか…心配して損したけど……怪我も無いんだったらさっさと返してもらうわよ。早く下ろしてやって」
そう言い出したのもつかの間。近くまで寄せられていたエクは、一輪だけ咲いていた黒薔薇の近くまで引き戻されてしまった。
腕や頭の上に乗せていた三羽を帰らせ、二人の方へと向き直った
『夜遅くこーんな寂れた所に来てくれてお疲れさん うちの御嬢さん達が、剣姫ちゃんとお話ししたいとか言うものやから…ちょーっとお預かりしてる子がおるんよ』
「話したがってる奴はともかく…預かってる奴って…」
『今は寝とるけど黒髪でー…首飾り付けとる子や。奥の部屋にいΣあ、ちょっと!話はまだ終わっとらんって!!!』
黒髪で首飾りの子と言われが続きを聞く事もなく青ざめた表情にもなった御幻はその場から一気に奥の部屋に向かって駆け出し、その後を多少迷いつつではあったが水晶も一緒に続き、閉じられていた最奥の扉を勢いに任せて御幻が蹴り開けた。
視線の先に広がった空間には、床やや天井と言った至る所に棘がついた黒い荊が張り巡らされてあり、二人のすぐ近くには麗姫と魅芭紗が立っており、二人の後ろには巨大な黒い薔薇が地面からこちらを見下ろすかのように一輪だけ咲いていた。
最奥の階段上にある玉座にはセフィリアが座り、その隣にレルクが控えていたが、二人の姿を確認するとニコリと嗤ったが水晶と御幻は警戒して身構えた。
『こんばんわ~お二人さん♡表の歴史から消え去られた可哀想な一族の生き残りさんと…聖仙界の犬も』
「あの時町ですれ違った時まさかとは思ったけど、本当だったなんて…それよりエクは何処?!さっき入り口にいた黄色いのがここにいるって!」
『エク?…ああ~、あの少年くん?彼ならー…』
一度そこで言葉を切り、双子の方へ視線を向けるとそれに気付いた二人は一回頷き、二人で手を繋いだまま共に手を大きく広げると、背後にある無数の荊が動き始めると、その中から荊で宙吊りにされたエクが目の前に出された。
俯いてしまっているのでその表情までは見えなかったが、危険な状態になっているんじゃないか?と思った御幻は悲壮な声を上げる
「嘘…でしょ?!エク!さっさと起きなさいよエクっ!!」
「主ら…彼にも危害を加…いや、落ち着くのだ御幻。あの者は平気そうだぞ?」
侮蔑の意味を込めた視線でレルク達を強く睨み付けていた水晶だったが、よくエクの状況をみるとその表情は微かに緩んだ
『そんなに騒がなくっても大丈夫よ~。私だって選ぶ権利はあるんだから 彼にはちょっと寝て貰ってるだ・け。大事な交渉のお相手としてね?』
パチンッと彼女が指を鳴らすと、宙吊りのまま俯いた状態だった彼は、突然何かに弾かれたかのように目覚めた
「Σふぁっ?!!な、なんだ?!何だここ?つーか何この状況!!って、目がまた違和感あるんだけど?!」
「エク?!…何とも…ないの?」
「思っていた以上に元気そうだな…;」
案外と軽いエクの状態に二人は思わず拍子抜けしたような声になった。
「なんか…心配して損したけど……怪我も無いんだったらさっさと返してもらうわよ。早く下ろしてやって」
そう言い出したのもつかの間。近くまで寄せられていたエクは、一輪だけ咲いていた黒薔薇の近くまで引き戻されてしまった。