夢より現れしは紅き退魔の剣
準備をようやく終わらせたエクを連れて人々が多く行きかう賑やかな城下町を歩き、城門前へと辿り着くと、鉄扉で閉ざされた門前で警備をしていた兵士へと声を掛けた。
「ブレームさんこんにちわ~エクも連れて帰宅したので開けて貰えますか?」
「は!おかえりなさいませタナトス様!!おお、エク君今日も来たんだね!今の所二週間皆勤じゃないかな?」
「えっへへ~俺も何かとお祭りの手伝いで毎日通っていたしな~♪目指せ一ヵ月!」
「はははっ頑張れよ!さて、開門っ!!」
彼の号令により固く閉ざされていた鉄扉が鈍い音を立てて開き、彼らは中へと入城して行った。
二人はそのまま中庭を歩き、先に自分達がよく稽古用にと使っている裏庭へと向かっていると、僅かながら時折何か硬い物がぶつかる音や、地面を駆ける音等が聞こえ始め、誰かが稽古でもして貰っているのだろう。程度に考えながら城の角を曲がった途端。手の甲に強く当たった木刀によって、相手が持っていた炎を纏っているかの様に赤い刀身をした刀が弾き飛ばされ、エクの足元へとその刀は刺さった。
「Σうわわぁあああっ?!!!ぁああ?!あ、刺さって…刺さって無かった!良かった!けど、危ねぇよっ!!何すんだよ!」
きゃんきゃんと吠えるエクを余所に、一切息の切れていない薄く紫がかった長くウェーブの掛かった白い髪に切れ長い桜色の目に薄紫色の結晶を髪飾りに付けた特に上半身の露出が高い軍服を着た女性「深時(ミトキ)水晶」は、落ち着いた様子で謝罪した。
「すまぬな。主らが来るとは知らなかったのでな…ファレナから、あの刀が扱える様にしたいから。とあって少し稽古にも力が入ってな。怪我は無かっただろうか?」
「見る限り一応は平気っぽいけど…びっくりしたなぁ…」
溜め息交じりにそう呟いていると、地面に刺さったままの刀を手に取って土を払って鞘に納めた茶色の長い髪に右が青。左が赤。と言ったオッドアイ(隔世遺伝)。黒いロングコートに紅いマフラーを付け肩には茶色のホルダーと腰には銃が二丁入るホルダーと刀を差しなおしたショートブーツの少女「サン=ファレナ」も軽くながら謝罪した。 ふてくされてはいたが、エク自身もそんなに根には持っていないらしくそれ以上は何も言わず、城内へ戻るまでの間。話は先程の稽古の話となった。
「でもさー、水晶ちゃんは木刀で、サン姉ちゃんは刀ー…なんだよな?大丈夫なのか?当たり所悪かったら水晶ちゃん大怪我だよなっ?!」
「ふふふっ。私ならその位平気だ 万が一怪我をしても主らに比べて傷の治りも早いのでな」
「はぁ…今回位は…一本取れると思ったのに…」
「僕ら三人で挑んでも勝てた事無いもんね~」
「私は稽古においても手加減はしない様にしておるのでな だが、以前に比べて主らも随分と良くなったと思うがな」
得意気にふふふ。と笑う水晶を余所に、特に実感の無いシーラとサンは、その言葉に対し不思議そうにしたまま城内へと帰宅した。
「ブレームさんこんにちわ~エクも連れて帰宅したので開けて貰えますか?」
「は!おかえりなさいませタナトス様!!おお、エク君今日も来たんだね!今の所二週間皆勤じゃないかな?」
「えっへへ~俺も何かとお祭りの手伝いで毎日通っていたしな~♪目指せ一ヵ月!」
「はははっ頑張れよ!さて、開門っ!!」
彼の号令により固く閉ざされていた鉄扉が鈍い音を立てて開き、彼らは中へと入城して行った。
二人はそのまま中庭を歩き、先に自分達がよく稽古用にと使っている裏庭へと向かっていると、僅かながら時折何か硬い物がぶつかる音や、地面を駆ける音等が聞こえ始め、誰かが稽古でもして貰っているのだろう。程度に考えながら城の角を曲がった途端。手の甲に強く当たった木刀によって、相手が持っていた炎を纏っているかの様に赤い刀身をした刀が弾き飛ばされ、エクの足元へとその刀は刺さった。
「Σうわわぁあああっ?!!!ぁああ?!あ、刺さって…刺さって無かった!良かった!けど、危ねぇよっ!!何すんだよ!」
きゃんきゃんと吠えるエクを余所に、一切息の切れていない薄く紫がかった長くウェーブの掛かった白い髪に切れ長い桜色の目に薄紫色の結晶を髪飾りに付けた特に上半身の露出が高い軍服を着た女性「深時(ミトキ)水晶」は、落ち着いた様子で謝罪した。
「すまぬな。主らが来るとは知らなかったのでな…ファレナから、あの刀が扱える様にしたいから。とあって少し稽古にも力が入ってな。怪我は無かっただろうか?」
「見る限り一応は平気っぽいけど…びっくりしたなぁ…」
溜め息交じりにそう呟いていると、地面に刺さったままの刀を手に取って土を払って鞘に納めた茶色の長い髪に右が青。左が赤。と言ったオッドアイ(隔世遺伝)。黒いロングコートに紅いマフラーを付け肩には茶色のホルダーと腰には銃が二丁入るホルダーと刀を差しなおしたショートブーツの少女「サン=ファレナ」も軽くながら謝罪した。 ふてくされてはいたが、エク自身もそんなに根には持っていないらしくそれ以上は何も言わず、城内へ戻るまでの間。話は先程の稽古の話となった。
「でもさー、水晶ちゃんは木刀で、サン姉ちゃんは刀ー…なんだよな?大丈夫なのか?当たり所悪かったら水晶ちゃん大怪我だよなっ?!」
「ふふふっ。私ならその位平気だ 万が一怪我をしても主らに比べて傷の治りも早いのでな」
「はぁ…今回位は…一本取れると思ったのに…」
「僕ら三人で挑んでも勝てた事無いもんね~」
「私は稽古においても手加減はしない様にしておるのでな だが、以前に比べて主らも随分と良くなったと思うがな」
得意気にふふふ。と笑う水晶を余所に、特に実感の無いシーラとサンは、その言葉に対し不思議そうにしたまま城内へと帰宅した。