夢より現れしは紅き退魔の剣
差し出された手に向けて、リースの頭上に乗っていた最年長の蝙蝠「セシリア」が彼女の元へと向かった。
両手を軽く広げて迎えてやり、そのまま膝の上に乗せて話しかけた
『おかえりなさい…可愛い子。さっき見て来た事を教えてくれる?』
よしよし。と頭や首元を撫でながら、今さっき見て来た情報を聞いていた。
『昼間に見たあの子がそんな近くにいるなんて…』
『セフィ もしかして不安なの?確かに剣姫は厄介かもしれないけど、あの少年君はどうかしら?飼い主。って言うより飼い犬。って言う方が妥当そうじゃない? な・ん・せ、どっからどう見てもひ弱そうで感知もまともに出来ない子だったでしょ?』
声を出して嗤ってみせると、納得した様にセフィリアも静かに笑ってみせた。
『で…セフィ、この後どうしちゃう?不安要素なら早いうちに消すべきだと思うけど…』
『消すのはまだ早いわ。…そうねぇ…平和的に解決。と言うのはどうかしら?』
平和的と言う言葉が似合わない彼女の突然な言葉に、設置されていた椅子に腰かけていたリースが吹き出してしまった。
『Σぶっ!あっはははは!!はー…笑った。あのセフィ嬢が平和的に解決て…!』
『あら?何かおかしいかしら?邪魔をされない為にはそうする事が一番じゃないかしら?』
何かおかしい事を言った?と彼女は冷静に返していたのだが、それを良しとしない双子はリースへと激怒した。
「お、お姉様のお言葉を馬鹿にするなんて許せないっ!!」
「いくらお姉様達へその軽い調子が許されているからって限度がありますのよっ!!」
『はいはい、ごめんごめんって~。で?その話の続き教えて貰ってええかな?平和的に。の』
『邪魔をされない様に…“お話する”だけよ。』
『ふぅん…♪それじゃあ、最近溜まって来ているから私がお話の出来そうな子をお呼びしちゃおうかしら? こういうのは私の方が得意だし♡レイ、ミハ。一緒に行きましょうね?』
『レルクお姉様とご一緒出来るなら喜んで!!』
そうと決まればまずは偵察して…一人になるのを待ちましょうか。と告げ、二人を連れてレルクは礼拝堂の部屋を出て行った。
三人が出て行ったので、別室で休もう。と氷綺に声を掛けてリースも部屋を出て行った。
礼拝堂にはセフィリアと黒いローブの青年だけがその場に残された。
お互いに何か言葉を交わす様な素振りのないまま、彼女も部屋を出ようと玉座から立ち上がり階段を下りた時だった。 黒いローブの青年が静かに立ち上がって彼女の元へと近寄った。
『…何かまだ用事があるのかしら?』
警戒しながら問いかけると、青年は静かに首を横に振り一旦深く被っていたフードを取ると、薄い金髪と翡翠色の目をした端正な顔立ちが露わになり、彼は静かに、そして優しく微笑んだ。
両手を軽く広げて迎えてやり、そのまま膝の上に乗せて話しかけた
『おかえりなさい…可愛い子。さっき見て来た事を教えてくれる?』
よしよし。と頭や首元を撫でながら、今さっき見て来た情報を聞いていた。
『昼間に見たあの子がそんな近くにいるなんて…』
『セフィ もしかして不安なの?確かに剣姫は厄介かもしれないけど、あの少年君はどうかしら?飼い主。って言うより飼い犬。って言う方が妥当そうじゃない? な・ん・せ、どっからどう見てもひ弱そうで感知もまともに出来ない子だったでしょ?』
声を出して嗤ってみせると、納得した様にセフィリアも静かに笑ってみせた。
『で…セフィ、この後どうしちゃう?不安要素なら早いうちに消すべきだと思うけど…』
『消すのはまだ早いわ。…そうねぇ…平和的に解決。と言うのはどうかしら?』
平和的と言う言葉が似合わない彼女の突然な言葉に、設置されていた椅子に腰かけていたリースが吹き出してしまった。
『Σぶっ!あっはははは!!はー…笑った。あのセフィ嬢が平和的に解決て…!』
『あら?何かおかしいかしら?邪魔をされない為にはそうする事が一番じゃないかしら?』
何かおかしい事を言った?と彼女は冷静に返していたのだが、それを良しとしない双子はリースへと激怒した。
「お、お姉様のお言葉を馬鹿にするなんて許せないっ!!」
「いくらお姉様達へその軽い調子が許されているからって限度がありますのよっ!!」
『はいはい、ごめんごめんって~。で?その話の続き教えて貰ってええかな?平和的に。の』
『邪魔をされない様に…“お話する”だけよ。』
『ふぅん…♪それじゃあ、最近溜まって来ているから私がお話の出来そうな子をお呼びしちゃおうかしら? こういうのは私の方が得意だし♡レイ、ミハ。一緒に行きましょうね?』
『レルクお姉様とご一緒出来るなら喜んで!!』
そうと決まればまずは偵察して…一人になるのを待ちましょうか。と告げ、二人を連れてレルクは礼拝堂の部屋を出て行った。
三人が出て行ったので、別室で休もう。と氷綺に声を掛けてリースも部屋を出て行った。
礼拝堂にはセフィリアと黒いローブの青年だけがその場に残された。
お互いに何か言葉を交わす様な素振りのないまま、彼女も部屋を出ようと玉座から立ち上がり階段を下りた時だった。 黒いローブの青年が静かに立ち上がって彼女の元へと近寄った。
『…何かまだ用事があるのかしら?』
警戒しながら問いかけると、青年は静かに首を横に振り一旦深く被っていたフードを取ると、薄い金髪と翡翠色の目をした端正な顔立ちが露わになり、彼は静かに、そして優しく微笑んだ。