夢より現れしは紅き退魔の剣
「さっきから御幻何してんの?いきなり立ったと思ったら座るし、なんか変なジェスチャーしてるし」
「Σう、うっさいわよ!アンタは黙ってて!!今大事な話をもう一回聞かなきゃならない所なんだから!」
口元に人差し指を置いてしーっと合図をして、もう一度言うように促すと落ち着いた様子で答えた
「さっきも言った通りこの者は剣術がド素人だ」
(ああ、私疲れているのかもしれない。そうね。確かにここに来る途中記憶をいじったりして体力を使ったのかもしれないからきっと聞き間違いが多いのね)
「さっきからコイツが剣術ド素人。って不吉な言葉が木霊しているけど、一度寝てからもう一度聞くわ…」
ふらふらとした足取りでベッドの方まで歩き、ふかふかの布団の上へ突っ伏そうとしたが、嘘でも夢でも無い。と先手を打たれ彼女は床へ崩れ落ちた。
「こんなんじゃ…!一族の宿願がっ…期待してくれているママにもお姉ちゃんにも…パパにも顔見せできないぃぃっ…!!今代で絶対に叶える。って大きな事言ったのにっ!!」
彼女的にはあまりに衝撃が大きすぎたのか、本気で頭を抱えて落ち込んでしまった。
「おーい御幻?大丈夫??飴玉食べる?」
「やはり少し衝撃が大きかったかのぅ…知って置くべき必要な事とは言えど…」
「何で…なんでこんな…ド素人の奴に私の波長が合うのよ……代々波長が合うのは師範代クラスの人達ばっかりって書いてあったのに!だから…っ!!」
ぐすっ。とべそをかいてしまっている御幻の近くまでエクが歩み寄り、励まそうと肩に手を置いてにこりと微笑み
「大丈夫だって御幻。何か知らねぇけど、希望を持った方がいいぜ☆」
「アンタのせいで唯一の希望が今まさに絶たれたのよっ!!!」
迷いの無いストレートな一撃がエクにへと放たれ、軽く宙を舞った後。地面へと倒れ込んだ。
完全なるK・Oを決めた彼女の一撃に、ゴングの代わりに水晶が手を叩いて拍手を送っておいた。
「八つ当たりを込めた一撃を放つのは構わぬが、まだそんなに諦めるには早いのではないか?」
「何よ…知ったような口ぶりして…」
「この者の知り合い達にはちゃんと剣術経験のある者がおる。その者達に言って、修行させたらどうだ?道場で経験も積んでおるから良いと思うが」
「…!た、確かにそうね!素質があっても無くてもこの際どうだって良いからとにかくは基礎を叩きこんでおけばどうにかなるわねっ! ほら起きなさい!ド素人のアンタを強化する良い手だてが思いついたのよ!」
「えー?やだー。だって俺疲れるの嫌だし、ああいうのって当たったら痛いだろ?逃げるのは得意だけ「ふっふっふ…そう決まれば善は急げよ。もう夕方だからきっと広間か何処かに皆いるだろうから、明日から猛特訓して貰う様にお願いしに行くわよ…!」
嫌がるエクの襟首をしっかりと掴み、引きずるようにして彼女は急ぎ足で部屋を出て行ってしまった。
ようやく訪れた静寂。その場に残った水晶は、少し冷めてしまった紅茶を一気に飲み干すと部屋を片付け始めた。 ふと他国へ部下として仕えている皆に連絡しようかの考えが過り、同僚にのみ情報共有しようと、ドレッサー内に置いていた便箋セットを取り出した。
「Σう、うっさいわよ!アンタは黙ってて!!今大事な話をもう一回聞かなきゃならない所なんだから!」
口元に人差し指を置いてしーっと合図をして、もう一度言うように促すと落ち着いた様子で答えた
「さっきも言った通りこの者は剣術がド素人だ」
(ああ、私疲れているのかもしれない。そうね。確かにここに来る途中記憶をいじったりして体力を使ったのかもしれないからきっと聞き間違いが多いのね)
「さっきからコイツが剣術ド素人。って不吉な言葉が木霊しているけど、一度寝てからもう一度聞くわ…」
ふらふらとした足取りでベッドの方まで歩き、ふかふかの布団の上へ突っ伏そうとしたが、嘘でも夢でも無い。と先手を打たれ彼女は床へ崩れ落ちた。
「こんなんじゃ…!一族の宿願がっ…期待してくれているママにもお姉ちゃんにも…パパにも顔見せできないぃぃっ…!!今代で絶対に叶える。って大きな事言ったのにっ!!」
彼女的にはあまりに衝撃が大きすぎたのか、本気で頭を抱えて落ち込んでしまった。
「おーい御幻?大丈夫??飴玉食べる?」
「やはり少し衝撃が大きかったかのぅ…知って置くべき必要な事とは言えど…」
「何で…なんでこんな…ド素人の奴に私の波長が合うのよ……代々波長が合うのは師範代クラスの人達ばっかりって書いてあったのに!だから…っ!!」
ぐすっ。とべそをかいてしまっている御幻の近くまでエクが歩み寄り、励まそうと肩に手を置いてにこりと微笑み
「大丈夫だって御幻。何か知らねぇけど、希望を持った方がいいぜ☆」
「アンタのせいで唯一の希望が今まさに絶たれたのよっ!!!」
迷いの無いストレートな一撃がエクにへと放たれ、軽く宙を舞った後。地面へと倒れ込んだ。
完全なるK・Oを決めた彼女の一撃に、ゴングの代わりに水晶が手を叩いて拍手を送っておいた。
「八つ当たりを込めた一撃を放つのは構わぬが、まだそんなに諦めるには早いのではないか?」
「何よ…知ったような口ぶりして…」
「この者の知り合い達にはちゃんと剣術経験のある者がおる。その者達に言って、修行させたらどうだ?道場で経験も積んでおるから良いと思うが」
「…!た、確かにそうね!素質があっても無くてもこの際どうだって良いからとにかくは基礎を叩きこんでおけばどうにかなるわねっ! ほら起きなさい!ド素人のアンタを強化する良い手だてが思いついたのよ!」
「えー?やだー。だって俺疲れるの嫌だし、ああいうのって当たったら痛いだろ?逃げるのは得意だけ「ふっふっふ…そう決まれば善は急げよ。もう夕方だからきっと広間か何処かに皆いるだろうから、明日から猛特訓して貰う様にお願いしに行くわよ…!」
嫌がるエクの襟首をしっかりと掴み、引きずるようにして彼女は急ぎ足で部屋を出て行ってしまった。
ようやく訪れた静寂。その場に残った水晶は、少し冷めてしまった紅茶を一気に飲み干すと部屋を片付け始めた。 ふと他国へ部下として仕えている皆に連絡しようかの考えが過り、同僚にのみ情報共有しようと、ドレッサー内に置いていた便箋セットを取り出した。