― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
クロアと共に手を繋ぎながらエントランスへ向かい、彼は7年ぶ振りに外へと出た。
久しぶりの日光に眩しそうに眼を覆っていると、薔薇園の出入り口に黒と白の体毛をした二頭立て馬車が停めてあり、その前には観音開き状になった白い大きな棺桶と剣を背負った翡翠色の髪に赤く大き目な眼をした黒いコートの青年が立っていた。
アキを思い出す様なその姿に、驚いた様に呆然と立ち尽くすリオンだったが、彼女は彼に向けて声を掛けた。 呼び掛けられ二人の姿を確認すると、その青年は無駄のない動きで敬礼してみせた。
「お帰りなさいデルタ支部長」
「待機ご苦労様 トウカ君」
「Σトウカ…君???!」
最後に会った時よりも随分と成長していた彼の姿に呆然としていると、彼の方から歩み寄って来た。
「お帰りなさい…リオンさん」
「あ…えっと…ありがとう…随分と君も…大きくなったんだね;?」
「はい!ずっと前にソヴァージュと約束した事がありまして、それで強くなろう…あの時の様に色んな事を守られてばかりではなく、僕も誰かを守れるようになりたい。と剣術も習って、今では…」
そこで一旦言葉を切ると、背負っていた棺桶を降ろして、鍵を開錠してやった。
「ようやくローゼちゃんも使えるようになったんです」
嬉しそうに報告してくれる彼に、よく頑張ったんだ。と声を掛けようとした時だった。開錠された棺桶内からローゼが勢いよく飛び出し、避ける間もなく赤紫色の手でリオンは一気にぶん殴られた。
一同が突然の事で驚く中。仰向けに飛ばされて倒れた彼の上にのしかかり、胸倉を強く掴んだ。
(帰ってくるのが遅いっ!!馬鹿馬鹿バカぁぁああ!!!)
「いたたた痛い痛い。ご、ごめん…心配させて…」
(私に何にも云わないで勝手にどっか行ったりしてっ…ずーっとじんぱいしてたんだからぁぁああっ!!)
殴られた頬を擦りながら上半身だけを起こして、泣きつくローゼをあやしていると、彼の頭の上に帽子が被せられた。
「あの時レト先輩から貰いましたけれど…やっぱりこうやって被って貰っている方がよく似合いますので、私から贈らせて貰いますね」
「あ、そうだ。リオンさん やっと退魔師としてまた復帰なされたのだから…これからも宜しくお願いしますね!」
「ん?どういう事だい?君はシルドラの元で本部直轄じゃ…」
「無理を言ってBlue Roseへ移籍させて貰ったので、これからは、デルタ支部長の補佐兼リオンさんの部下として配属させて貰ったんです!」
「…なるほど、うん。これからよろしく デルタ支部長にトウカ君
さて…支部に帰るとするか」
納得した様に深く頷くと、ローゼとその棺桶を馬車内に押し込み、後からクロアとリオンも乗り込むと、最後にトウカが外の席に乗り込んで御者として馬を走らせた。
久しぶりの日光に眩しそうに眼を覆っていると、薔薇園の出入り口に黒と白の体毛をした二頭立て馬車が停めてあり、その前には観音開き状になった白い大きな棺桶と剣を背負った翡翠色の髪に赤く大き目な眼をした黒いコートの青年が立っていた。
アキを思い出す様なその姿に、驚いた様に呆然と立ち尽くすリオンだったが、彼女は彼に向けて声を掛けた。 呼び掛けられ二人の姿を確認すると、その青年は無駄のない動きで敬礼してみせた。
「お帰りなさいデルタ支部長」
「待機ご苦労様 トウカ君」
「Σトウカ…君???!」
最後に会った時よりも随分と成長していた彼の姿に呆然としていると、彼の方から歩み寄って来た。
「お帰りなさい…リオンさん」
「あ…えっと…ありがとう…随分と君も…大きくなったんだね;?」
「はい!ずっと前にソヴァージュと約束した事がありまして、それで強くなろう…あの時の様に色んな事を守られてばかりではなく、僕も誰かを守れるようになりたい。と剣術も習って、今では…」
そこで一旦言葉を切ると、背負っていた棺桶を降ろして、鍵を開錠してやった。
「ようやくローゼちゃんも使えるようになったんです」
嬉しそうに報告してくれる彼に、よく頑張ったんだ。と声を掛けようとした時だった。開錠された棺桶内からローゼが勢いよく飛び出し、避ける間もなく赤紫色の手でリオンは一気にぶん殴られた。
一同が突然の事で驚く中。仰向けに飛ばされて倒れた彼の上にのしかかり、胸倉を強く掴んだ。
(帰ってくるのが遅いっ!!馬鹿馬鹿バカぁぁああ!!!)
「いたたた痛い痛い。ご、ごめん…心配させて…」
(私に何にも云わないで勝手にどっか行ったりしてっ…ずーっとじんぱいしてたんだからぁぁああっ!!)
殴られた頬を擦りながら上半身だけを起こして、泣きつくローゼをあやしていると、彼の頭の上に帽子が被せられた。
「あの時レト先輩から貰いましたけれど…やっぱりこうやって被って貰っている方がよく似合いますので、私から贈らせて貰いますね」
「あ、そうだ。リオンさん やっと退魔師としてまた復帰なされたのだから…これからも宜しくお願いしますね!」
「ん?どういう事だい?君はシルドラの元で本部直轄じゃ…」
「無理を言ってBlue Roseへ移籍させて貰ったので、これからは、デルタ支部長の補佐兼リオンさんの部下として配属させて貰ったんです!」
「…なるほど、うん。これからよろしく デルタ支部長にトウカ君
さて…支部に帰るとするか」
納得した様に深く頷くと、ローゼとその棺桶を馬車内に押し込み、後からクロアとリオンも乗り込むと、最後にトウカが外の席に乗り込んで御者として馬を走らせた。