― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
『“Roseを裏切った”…何も知らない者から見ればそうでしょうね。ですが、貴方方はRoseの裏側を知らないから言えるのですよ…
希少な能力を持って生まれたが為にそれを独占しようとした老害に飼われ続けたある時。ワタシを救ってくれたのが彼女だった。呪術師を恐れず強制されない。純真無垢。その言葉が誰よりも似合う彼女はワタシを救い…そして“赦し”をくれて“愛してくれた” 代わりにワタシは彼女を寵愛し崇拝し…望まれればそれを叶え続けました。新しい魔物が欲しいと言われれば適当な者を攫っては何度も変え、気に入った者が居るのなら痣を与えさせて時間を掛けて魔物化させ、誰かが浄化されればワタシが反魂で蘇らせ続けた…
マリーは“魔物が安心して住める世界”を望んでいた…からこそワタシはそれを叶えなければならないのですよ』
「随分大層な理由な事だ。…だがあの時…お前たちに部隊は壊滅させられ、アキは自分の変わりに無残に殺られ、痣を与えられ…リック君にカインちゃんも…お前らのせいで……彼らの魂の安らぎの為。そして、アキの弟であるトウカ君の為に自分はお前を斬るっ!」
『無論。そのつもりですよ!貴方はワタシ自身がこの手で葬って差し上げるからこそ意味があると言うもの…!呪術で弱っている貴方如きに何が出来ますかねぇ?!またあの時の様に背中でも斬り裂いて差し上げますよ!』
十字架状の鞘を投げ捨てて漆黒の長い刀身を取り出して構え、懐から取り出した鍵でローゼの棺桶を開錠した。
それと同時にイザヨイも杖を構え、抱きかかえていたマリアネットを自分の眼の届く木陰へそっと降ろしニコリと微笑むとその手元へ自身の外した手袋を預けた。 そしてリオンたちの方へ向き直ると、懐からナイフを取り出して指を斬り、杖の先端にある結晶へと滴らせた。
ローゼも棺桶から呼び出したので、先に仕掛けようとした時。彼の袖をクロアが引っ張った。青緑色の瞳が不安に揺れているのがハッキリと解った。
「?!クロ…ア?」
「レト先輩っ…」
彼に対し伝えたい事は沢山あった。本部に逆らう事はしてはならない…そう思っている筈なのに上手く言葉が出ない。口を開いて見せてもそれは言葉にはならなかった
最初は二人を様子を窺っていたが、完全にリオンが向こうに気を取られていると判断したイザヨイが先に仕掛けた。
『よそ見はいけませんよ…レト先輩!!』
「?!くっ…!」
「あっ…」
縦に大きく振り下ろされた杖が叩き付けられる寸前に構えていた剣でそれを受け止め、空いた手でクロアを自分の後ろに下がらせた。
希少な能力を持って生まれたが為にそれを独占しようとした老害に飼われ続けたある時。ワタシを救ってくれたのが彼女だった。呪術師を恐れず強制されない。純真無垢。その言葉が誰よりも似合う彼女はワタシを救い…そして“赦し”をくれて“愛してくれた” 代わりにワタシは彼女を寵愛し崇拝し…望まれればそれを叶え続けました。新しい魔物が欲しいと言われれば適当な者を攫っては何度も変え、気に入った者が居るのなら痣を与えさせて時間を掛けて魔物化させ、誰かが浄化されればワタシが反魂で蘇らせ続けた…
マリーは“魔物が安心して住める世界”を望んでいた…からこそワタシはそれを叶えなければならないのですよ』
「随分大層な理由な事だ。…だがあの時…お前たちに部隊は壊滅させられ、アキは自分の変わりに無残に殺られ、痣を与えられ…リック君にカインちゃんも…お前らのせいで……彼らの魂の安らぎの為。そして、アキの弟であるトウカ君の為に自分はお前を斬るっ!」
『無論。そのつもりですよ!貴方はワタシ自身がこの手で葬って差し上げるからこそ意味があると言うもの…!呪術で弱っている貴方如きに何が出来ますかねぇ?!またあの時の様に背中でも斬り裂いて差し上げますよ!』
十字架状の鞘を投げ捨てて漆黒の長い刀身を取り出して構え、懐から取り出した鍵でローゼの棺桶を開錠した。
それと同時にイザヨイも杖を構え、抱きかかえていたマリアネットを自分の眼の届く木陰へそっと降ろしニコリと微笑むとその手元へ自身の外した手袋を預けた。 そしてリオンたちの方へ向き直ると、懐からナイフを取り出して指を斬り、杖の先端にある結晶へと滴らせた。
ローゼも棺桶から呼び出したので、先に仕掛けようとした時。彼の袖をクロアが引っ張った。青緑色の瞳が不安に揺れているのがハッキリと解った。
「?!クロ…ア?」
「レト先輩っ…」
彼に対し伝えたい事は沢山あった。本部に逆らう事はしてはならない…そう思っている筈なのに上手く言葉が出ない。口を開いて見せてもそれは言葉にはならなかった
最初は二人を様子を窺っていたが、完全にリオンが向こうに気を取られていると判断したイザヨイが先に仕掛けた。
『よそ見はいけませんよ…レト先輩!!』
「?!くっ…!」
「あっ…」
縦に大きく振り下ろされた杖が叩き付けられる寸前に構えていた剣でそれを受け止め、空いた手でクロアを自分の後ろに下がらせた。