― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
時は再び遡り、会議室内でソヴァージュとの戦闘。及び薔薇園での戦闘が行われていた同刻。Rainbow Rose総本部支部の廊下内では、いち早く避難したリオンとクロアが廊下を走っていた。
「クロア。君は側近と合流した後に安全な所で待機しているんだ」
「そう言う訳にはいきませんっ!レト先輩が先程ソヴァージュとすれ違った時から様子がおかしいですっ…私は今レト先輩の上司でもありますのでどう言われても付いて行きます!」
「付いて来てもし怪我でもしたらどうするんだ?!自分の地位を考えろ!そっちの方が問題になりかねない」
共に廊下を走りながら進展のない会話を続けていると、説教が終了したコクレイと丁度合流出来た。
「耳が難聴になったらどうしてくれるんだよあの親父め…毎回毎回怒鳴りやがって……あ、デルタ支部長にリオンさん!会議はもう終わってー…「コクレイ!貴女は今すぐに会議室に向かってドレスィドさんを援護しに行って!私はレト先輩と行くところがあるからっ!!」
「Σえぇえ?!!と、とりあえず了解しましたー…」
唐突に出された命令に驚きつつとりあえず敬礼をして答えると、コクレイは会議室へと走り、リオンとクロア達は支部のエントランスを目指した。
エントランスを出て石畳の道を通って森の奥にある泉を目指す間。互いに何かを話す事無く一心に走り続け、目的地に辿り着いた泉にはこちらに背を向けたイザヨイと、その腕にしっかりと抱えられたマリアネットの姿があった。
ようやくやって来た二人の姿を横目で確認すると、彼は静かに微笑みながらこちらへ向き、そしてうやうやしく一礼した。
『お待ちしておりましたよ…レト先輩。そして…クロア嬢 その後様子ですと…ソヴァージュの伝言は上手く貴方へ届いた様ですね』
「随分御大層な挨拶だったがな」
「ミコトさん…」
『ふっくくく。どうせなら皆が集まって居る時にお伝えしたかったですのでねぇ……どうです?レト先輩。貴方に無残に刺殺されたマリーもこの通り、トレイタの様に治しましたが唯一どうしてもマリーは“心”が治らなかった。それは何故か…それを考えているとようやく分かったのですよ。 それは、元凶である貴方を壊してしまえばマリーはまた完全に蘇る事が出来るのだ。…と』
虚ろな目で小首を傾げながら淡々と自論を述べ終ると、抱きかかえたマリアネットの手を軽く取り手の甲へと小さく口づけをした。
『ワタシが何度マリーへ声を掛けても…何度キスをしても…マリーは人形の様に黙ったまま…“心”が死んだままだからこそ…マリーは…』
「悪いが自分を恨むのは見当違いだ。自分は「退魔師」として浄化したに過ぎない と言ってもRoseを裏切って魔物側に寝返った奴の心境なんて分かりもしないがな」
平然とした様子でそう言いかえすと、憐れむように眼を細めながら彼は話を続けた
「クロア。君は側近と合流した後に安全な所で待機しているんだ」
「そう言う訳にはいきませんっ!レト先輩が先程ソヴァージュとすれ違った時から様子がおかしいですっ…私は今レト先輩の上司でもありますのでどう言われても付いて行きます!」
「付いて来てもし怪我でもしたらどうするんだ?!自分の地位を考えろ!そっちの方が問題になりかねない」
共に廊下を走りながら進展のない会話を続けていると、説教が終了したコクレイと丁度合流出来た。
「耳が難聴になったらどうしてくれるんだよあの親父め…毎回毎回怒鳴りやがって……あ、デルタ支部長にリオンさん!会議はもう終わってー…「コクレイ!貴女は今すぐに会議室に向かってドレスィドさんを援護しに行って!私はレト先輩と行くところがあるからっ!!」
「Σえぇえ?!!と、とりあえず了解しましたー…」
唐突に出された命令に驚きつつとりあえず敬礼をして答えると、コクレイは会議室へと走り、リオンとクロア達は支部のエントランスを目指した。
エントランスを出て石畳の道を通って森の奥にある泉を目指す間。互いに何かを話す事無く一心に走り続け、目的地に辿り着いた泉にはこちらに背を向けたイザヨイと、その腕にしっかりと抱えられたマリアネットの姿があった。
ようやくやって来た二人の姿を横目で確認すると、彼は静かに微笑みながらこちらへ向き、そしてうやうやしく一礼した。
『お待ちしておりましたよ…レト先輩。そして…クロア嬢 その後様子ですと…ソヴァージュの伝言は上手く貴方へ届いた様ですね』
「随分御大層な挨拶だったがな」
「ミコトさん…」
『ふっくくく。どうせなら皆が集まって居る時にお伝えしたかったですのでねぇ……どうです?レト先輩。貴方に無残に刺殺されたマリーもこの通り、トレイタの様に治しましたが唯一どうしてもマリーは“心”が治らなかった。それは何故か…それを考えているとようやく分かったのですよ。 それは、元凶である貴方を壊してしまえばマリーはまた完全に蘇る事が出来るのだ。…と』
虚ろな目で小首を傾げながら淡々と自論を述べ終ると、抱きかかえたマリアネットの手を軽く取り手の甲へと小さく口づけをした。
『ワタシが何度マリーへ声を掛けても…何度キスをしても…マリーは人形の様に黙ったまま…“心”が死んだままだからこそ…マリーは…』
「悪いが自分を恨むのは見当違いだ。自分は「退魔師」として浄化したに過ぎない と言ってもRoseを裏切って魔物側に寝返った奴の心境なんて分かりもしないがな」
平然とした様子でそう言いかえすと、憐れむように眼を細めながら彼は話を続けた