― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
銃声が鳴りやんでからフォルカスが顔を上げると、初めて膝を付くソヴァージュの姿があった。右肩を撃ち抜かれた事で傷からは血が流れ続け、左脇腹には銃弾が掠ったのか少し血が滲んでいた。
少し離れた所ではセドの銃を持つ銃から白煙が上がり、上手く援護射撃出来た事を示す様にドヤ顔をしていたが、それが彼女の癪に障ったらしく、攻撃目標を他の三人からセドへと変更した。
『…銃は厄介です…先に片付けなければなりません。』
「!セド!!今お前狙われているぞ!!とっとと回避行動に移れ!」
「刀無い奴が回避行動できる訳ないだろ!!」
「無くても瓦礫のどっかに居ろ!」
「あんな今にも崩れそうなところなんかに行けるか!」
『まずは貴方から…!』
二人が言い合いをしている隙に独り言の様に呟くとその場から即座に駆け出し、わざと様々な方向へと走って銃に狙われない様にしながら走り続け、セドの前まで辿り着いた所で一気に身体全体を使った強烈な回し蹴りが放たれた。
咄嗟に強く眼を閉じて頭を抱える様にその場にしゃがみ込もうとした時。彼の傍で何かが折れる様な鈍い音と、誰かの押し殺した低い呻き声が聞こえた。 不穏に思って眼を開けると、フォルカスがソヴァージュの蹴りを右腕で受け止めてくれていた。
「ぅぐっ…!! 全くっ…お前は、聞き分けがいっつも悪いんだから…」
「!フォル…カス?!!」
『誰かを庇う…何故貴方も…?…ですが主の為…退いて貰いますっ!!』
「避けろフォルカスっ!!!」
先程の一撃で折れた右腕を降ろしたのも束の間。セドの忠告より先にフォルカスの肋骨部分が強烈な拳で殴打され、その勢いのまま彼は床へと叩きつけられた。
俯せで横たわる彼の元へ駆け寄って、名を呼びながら肩を揺さぶっているとその腕が掴まれた。
「お…お前っ…!!け、が人のっ扱い方がっ!!」
「あ、生きてたな!よしっ!」
「治っ……たら。覚えてろ…っ それよりっ…俺を置いて、さっ…さと行け」
肋骨の一撃が効いたらしく喋りにくそうにそれだけ言うと彼は気を失った。 その言葉を否定しようとした時。首筋に鋏に変形された手がピタリとくっ付けられ、背中に悪寒が走る。
『邪魔が入ったけれど…次は貴方』
変形された腕が振り下ろされようとした時。会議室入り口から幼い少年の声が響いた。
「もうこれ以上はやめてよっ!ソヴァージュ!!」
『っ?!!』
「誰だ?!」
「あ、え?トウカ…君?どうしてここに??」
何故この場所にこんな幼い少年が来ているのか、皆が疑問に思う中。隣にガイアを連れて息を切らしたトウカは、ただ一心に彼女の元へと走った。 無機質な表情のままだったが彼女も誘われるように少しづつ歩み寄り始めた
「ソヴァージュ…僕だよ!トウカだよっ……もうこんなに誰かを怪我させるのはやめてよ!こんなのソヴァージュらしくないよっ!!」
『ちが…違う…これは主の命令っ止めることはっ出来ない…よ…トウ……カ』
混乱した様に頭を抱え、近寄ろうとするトウカの手を振り払いその場にうずくまっていると、ヒガンの合図でコクレイも刀を構えて駆け出した。
少し離れた所ではセドの銃を持つ銃から白煙が上がり、上手く援護射撃出来た事を示す様にドヤ顔をしていたが、それが彼女の癪に障ったらしく、攻撃目標を他の三人からセドへと変更した。
『…銃は厄介です…先に片付けなければなりません。』
「!セド!!今お前狙われているぞ!!とっとと回避行動に移れ!」
「刀無い奴が回避行動できる訳ないだろ!!」
「無くても瓦礫のどっかに居ろ!」
「あんな今にも崩れそうなところなんかに行けるか!」
『まずは貴方から…!』
二人が言い合いをしている隙に独り言の様に呟くとその場から即座に駆け出し、わざと様々な方向へと走って銃に狙われない様にしながら走り続け、セドの前まで辿り着いた所で一気に身体全体を使った強烈な回し蹴りが放たれた。
咄嗟に強く眼を閉じて頭を抱える様にその場にしゃがみ込もうとした時。彼の傍で何かが折れる様な鈍い音と、誰かの押し殺した低い呻き声が聞こえた。 不穏に思って眼を開けると、フォルカスがソヴァージュの蹴りを右腕で受け止めてくれていた。
「ぅぐっ…!! 全くっ…お前は、聞き分けがいっつも悪いんだから…」
「!フォル…カス?!!」
『誰かを庇う…何故貴方も…?…ですが主の為…退いて貰いますっ!!』
「避けろフォルカスっ!!!」
先程の一撃で折れた右腕を降ろしたのも束の間。セドの忠告より先にフォルカスの肋骨部分が強烈な拳で殴打され、その勢いのまま彼は床へと叩きつけられた。
俯せで横たわる彼の元へ駆け寄って、名を呼びながら肩を揺さぶっているとその腕が掴まれた。
「お…お前っ…!!け、が人のっ扱い方がっ!!」
「あ、生きてたな!よしっ!」
「治っ……たら。覚えてろ…っ それよりっ…俺を置いて、さっ…さと行け」
肋骨の一撃が効いたらしく喋りにくそうにそれだけ言うと彼は気を失った。 その言葉を否定しようとした時。首筋に鋏に変形された手がピタリとくっ付けられ、背中に悪寒が走る。
『邪魔が入ったけれど…次は貴方』
変形された腕が振り下ろされようとした時。会議室入り口から幼い少年の声が響いた。
「もうこれ以上はやめてよっ!ソヴァージュ!!」
『っ?!!』
「誰だ?!」
「あ、え?トウカ…君?どうしてここに??」
何故この場所にこんな幼い少年が来ているのか、皆が疑問に思う中。隣にガイアを連れて息を切らしたトウカは、ただ一心に彼女の元へと走った。 無機質な表情のままだったが彼女も誘われるように少しづつ歩み寄り始めた
「ソヴァージュ…僕だよ!トウカだよっ……もうこんなに誰かを怪我させるのはやめてよ!こんなのソヴァージュらしくないよっ!!」
『ちが…違う…これは主の命令っ止めることはっ出来ない…よ…トウ……カ』
混乱した様に頭を抱え、近寄ろうとするトウカの手を振り払いその場にうずくまっていると、ヒガンの合図でコクレイも刀を構えて駆け出した。