― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
『報告によれば、彼はマリアネットが常に連れていた蛇。トレイタが復活させ、もう一体。黒い髪の少女らしき魔物を連れていたとの事です。 そして、約五日前。Black Rose支部が襲撃され全損しました。その際にBlue Roseへ救護要請が入り、怪我人の保護を行ってる際にRainbow Roseも共に加わり保護をしましたが…その被害は甚大で、生き残ったのはヒガン様と隊員が数名のみとされ、その際にイザヨイ様と出会ったと報告されています。』
その場にいる全員に情報の共有が終わり、次の説明に入ろうとした時。エトワルの側近であるリュミエールが声をあげた。
彼が発表した保護された隊員の中に弟はいるのだろうか?と一筋の希望を願いながら問いかけた。
「あ…あのっ!弟は…えと…ぶ、Black Rose側近のベヴェルクト=バニアはどうなんですか?!」
『ベヴェルクト様…ですか?』
名前を言われ、腰に付けていたポーチから資料を取り出して生存者を確認していたが、少しして彼は表情一つ変える事無く首を横に振った。
『残念ながら、貴女様の言う名は生存者リストには記載されていません。』
「そんなっ…」
本来居る筈の場所に弟が居ない事実を知って愕然とし、糸の切れた人形のように力無く膝から崩れる様にして床に座り、抑えられる筈も無い涙が溢れ、声を上げそうになった時。「ダンッ」と凄まじい勢いと力でアーネストによって机が叩かれた。
『ええい見苦しい!!たかが犬一匹が殉職した事ぐらいで涙するとは…貴様の調教がなっていないと言う事だ!その程度の事も出来ないとは貴様は支部長としての器が無いのと同じだ』
誰も反論を許さない鋭い眼光と高圧的で傲慢な態度にリュミエールは怯えた様に身を竦ませていると、その飼い主であるエトワルも叱咤された。
「それは失礼。確かに俺の犬の調教が甘かったらしいですね。“感情を表に出し過ぎる”辺りが… ですが俺は“犬”に興味があるだけで“人形”には興味が無いので」
叱咤にも特に怯む事無くグレアの方へ視線を向けながら返すと、バカにした様に鼻を鳴らしてグレアに指示を送った。
『フンッ小僧が…駄犬を扱うのが良いとは物好きな…続けよグレア。』
『はい。 そして、此度生存が確認されたイザヨイ様に関して、皆様へご報告があります。 次回。彼の存在が確認された際、手段は特に指定はされませんが彼を“生きたまま”捕縛して本部に連行する事。が今回課せられます 詳しくは…どうぞ、アーネスト様』
『うむ。今回、アレを捕縛して支部へ連れるこの例は特例だ。アレは数少ない呪術師一族であり最後の生き残りだ。先代の頃から使えしその一族…唯一反魂が使えるその力。失くすには惜しいと言うものだ』
強欲さと傲慢を露わにして肩を揺らして嗤うアーネストにその場にいた一同は俯いたままだったが、唯一ジュウザだけが彼に向けて憐れむような蔑んだ眼で静かに微笑んでいた。
その場にいる全員に情報の共有が終わり、次の説明に入ろうとした時。エトワルの側近であるリュミエールが声をあげた。
彼が発表した保護された隊員の中に弟はいるのだろうか?と一筋の希望を願いながら問いかけた。
「あ…あのっ!弟は…えと…ぶ、Black Rose側近のベヴェルクト=バニアはどうなんですか?!」
『ベヴェルクト様…ですか?』
名前を言われ、腰に付けていたポーチから資料を取り出して生存者を確認していたが、少しして彼は表情一つ変える事無く首を横に振った。
『残念ながら、貴女様の言う名は生存者リストには記載されていません。』
「そんなっ…」
本来居る筈の場所に弟が居ない事実を知って愕然とし、糸の切れた人形のように力無く膝から崩れる様にして床に座り、抑えられる筈も無い涙が溢れ、声を上げそうになった時。「ダンッ」と凄まじい勢いと力でアーネストによって机が叩かれた。
『ええい見苦しい!!たかが犬一匹が殉職した事ぐらいで涙するとは…貴様の調教がなっていないと言う事だ!その程度の事も出来ないとは貴様は支部長としての器が無いのと同じだ』
誰も反論を許さない鋭い眼光と高圧的で傲慢な態度にリュミエールは怯えた様に身を竦ませていると、その飼い主であるエトワルも叱咤された。
「それは失礼。確かに俺の犬の調教が甘かったらしいですね。“感情を表に出し過ぎる”辺りが… ですが俺は“犬”に興味があるだけで“人形”には興味が無いので」
叱咤にも特に怯む事無くグレアの方へ視線を向けながら返すと、バカにした様に鼻を鳴らしてグレアに指示を送った。
『フンッ小僧が…駄犬を扱うのが良いとは物好きな…続けよグレア。』
『はい。 そして、此度生存が確認されたイザヨイ様に関して、皆様へご報告があります。 次回。彼の存在が確認された際、手段は特に指定はされませんが彼を“生きたまま”捕縛して本部に連行する事。が今回課せられます 詳しくは…どうぞ、アーネスト様』
『うむ。今回、アレを捕縛して支部へ連れるこの例は特例だ。アレは数少ない呪術師一族であり最後の生き残りだ。先代の頃から使えしその一族…唯一反魂が使えるその力。失くすには惜しいと言うものだ』
強欲さと傲慢を露わにして肩を揺らして嗤うアーネストにその場にいた一同は俯いたままだったが、唯一ジュウザだけが彼に向けて憐れむような蔑んだ眼で静かに微笑んでいた。