― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義

 最上階にある会議室へと続く永遠と同じ窓と景色が続いている長い廊下を歩き続け、ようやく辿り着いた会議室の扉を開けると他の支部長全員がもう集合し、時間はまだ合った事もありそれぞれが思い思いに過ごしていた。
 会議室中央にある大きな円卓があり、人が悠々と移動できる具合に中央部が空いていて、机の一部には中に入れるようにと取り外し部分も兼ねてあった。
初めて訪れる会議室に困惑しつつ、一応プレートが立てかけてある席に着席した。 席は右から

Green Rose支部長:エトワル=コールディードロップ

Red Rose支部長:セド=サースリスト

Black Rose支部長:ヒガン=ナイン=ドレスィド

Blue Rose支部長:クロア=デルタ

White Rose支部長:ジュウザ=オールランイーター

Rainbow Rose支部長:アーネスト=トールグルーナー=エルフェスゴート


 席に着いたもののどうしていいか分からず、俯いたまま一歩後ろに下がってしまっているリオンへ視線を移そうとした時。隣の席に座っていた白銀の姫カットが施された長い髪に白い軍服姿。目元は閉じられていて色までは分からないが、穏やかそうに微笑む「ジュウザ=オールランイーター」が声を掛けた。
「こんにちわ、青薔薇の支部長さん。こうやって会うのは初めてだけれど…新支部長として以前からよく噂を耳にしていたわ とても、前のに比べて優秀な子だと」
「Σこ、こんにちわですっ!そそそんな…わ、私なんてまだまだで…その…」
 突然話し掛けられた事もあり真っ赤になってあわあわとしていると、その様子に小さく微笑みながら紅茶を一緒にどうか?と提案してくれたので彼女もそれに賛同すると、ジュウザは手を叩いて側近の名を呼んだ。
「ヴァラファール」
「どうぞ。こちらです」
「あ、ありがとうございます」
随分と躾がされているらしく、乱れ一つないRose制服に整った紫紺色の髪と黒い眼の青年にティーカップを手渡され、小さくお礼を言うと会釈と共に直ぐに所定の位置へ戻ってしまった。
「凄い…あんなに綺麗に動けるなんて…!」
「私とヴァラファールは長い付き合いで、側近としても優秀な人材なの。同じ様に…長い付き合いでも側近からバカにされている支部長もいるのだけれどね?」

 誰の事だろう?と小首を傾げながら紅茶を嗜むクロアに気付かれない様に手元の鉄扇で少し隠しながら奥の方にいた赤いコートと腰元に刀を差した黒色の眼とサングラスを付けた目付きの悪い青年「セド=サースリスト」の方へ視線を向けて薄く嗤った。
 自分と同じ長い付き合いの側近を持つくせにお前のはそんな程度なのかと。
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