― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
『トレイタ。ワタシが先にお前を蘇らせた事ぐらいはもうお分かりでしょうが…マリーの駒であるお前は何をしていたんだ!?』
『…主。トレイタは「不測の事態が起きた。我は二人の退魔師を相手した。一人は赤い布を付けた小僧、もう一人は黒い衣に銀の眼。…名は確か“リオン”数年ほど前にソヴァージュを迎えに行った時。そして部隊を壊滅させた時。目も角も失ってたと言えど…油断したのは我だった頭上から落ちたシャンデリアにより身動きが取れず我は小僧に浄化され…マリアネットは“リオン”によって浄化された。この瓦礫は恐らく我が暴れたせいだろうな」…と』
『もういい。ここで何があってどうなったかは大体わかった。…ですが…その名前と特徴はどこかで聞きましたねぇ…ソヴァージュを迎えに…部隊を壊滅させた時と言えば………!!』
とんとん。と顎に指を当てて考えていた時。一人の人物の姿が彼の脳裏を過った。
Roseに属していた頃は特に面識は無く噂程度しか聞いた事が無かったが、Roseを裏切って以来。会う事も数回あったので覚えていた
『ふっくくくく。ああ、彼でしたか…確か…派遣部隊の隊長さんが身代わりに守った方。ですが不思議ですねぇ…“痣”を付けられていたのだから魔物化をしてもおかしくは無いですが…まあ良いでしょう。丁度外では(面倒で)使い勝手の良いRoseの青薔薇姫を見つけましたので情報はそこから頂くとして…次はマリーですよ。ソヴァージュは辺りの片付けをもう一度。トレイタはさっさと魔物を捕えてきなさい』
簡単にだが二体へ命令を行い、自分は先程の瓦礫の上で腰かけて待機していると、ソヴァージュは積み上がった瓦礫の中から二人の遺体を発見した。
二人とも腕や顔が異形の姿に変化し、辛うじて人だった頃を思わせる腕には銃が握られ、右胸付近は血に塗れていた。
『瓦礫の中に居ました。さっきトレイタが言ってた者に似てると思うのですが…』
『容姿までは確認しにくいですが…確かににその様ですねぇ…名前は…“リック=フレイア”“カイン=メリアル”…死んでいるみたいですしマリーの贄には使えそうにはありませんので…一応マフラーだけは頂いておきましょうか。そしてその残骸は…』
二人の懐を探って、金時計の名前を確認し終わり、途中で一旦言葉を途切れさせると、二人の襟首を掴んだままテラスまで引きずって行くと、勢いのまま魔物達の群れの中へと放り投げた。
『こうやって餌にしてしまう方が良いでしょう』
放り投げた先にいたグリフォン系の魔物やケルベロス系の魔物の餌となる姿を確認した後。静かにテラスの縁に腰かけてトレイタを待つ間。Roseの青薔薇姫について色々と思考を回していた
(彼女は支部長なのだから…彼がどうしているかぐらいは容易く聞き出せるでしょうし…さてさて、どのように聞いて差し上げましょうかねぇ…)
彼は笑った。
自分の思い通りに動く青薔薇姫に
そして嗤った。
大事な存在を守れなかった自分を
『…主。トレイタは「不測の事態が起きた。我は二人の退魔師を相手した。一人は赤い布を付けた小僧、もう一人は黒い衣に銀の眼。…名は確か“リオン”数年ほど前にソヴァージュを迎えに行った時。そして部隊を壊滅させた時。目も角も失ってたと言えど…油断したのは我だった頭上から落ちたシャンデリアにより身動きが取れず我は小僧に浄化され…マリアネットは“リオン”によって浄化された。この瓦礫は恐らく我が暴れたせいだろうな」…と』
『もういい。ここで何があってどうなったかは大体わかった。…ですが…その名前と特徴はどこかで聞きましたねぇ…ソヴァージュを迎えに…部隊を壊滅させた時と言えば………!!』
とんとん。と顎に指を当てて考えていた時。一人の人物の姿が彼の脳裏を過った。
Roseに属していた頃は特に面識は無く噂程度しか聞いた事が無かったが、Roseを裏切って以来。会う事も数回あったので覚えていた
『ふっくくくく。ああ、彼でしたか…確か…派遣部隊の隊長さんが身代わりに守った方。ですが不思議ですねぇ…“痣”を付けられていたのだから魔物化をしてもおかしくは無いですが…まあ良いでしょう。丁度外では(面倒で)使い勝手の良いRoseの青薔薇姫を見つけましたので情報はそこから頂くとして…次はマリーですよ。ソヴァージュは辺りの片付けをもう一度。トレイタはさっさと魔物を捕えてきなさい』
簡単にだが二体へ命令を行い、自分は先程の瓦礫の上で腰かけて待機していると、ソヴァージュは積み上がった瓦礫の中から二人の遺体を発見した。
二人とも腕や顔が異形の姿に変化し、辛うじて人だった頃を思わせる腕には銃が握られ、右胸付近は血に塗れていた。
『瓦礫の中に居ました。さっきトレイタが言ってた者に似てると思うのですが…』
『容姿までは確認しにくいですが…確かににその様ですねぇ…名前は…“リック=フレイア”“カイン=メリアル”…死んでいるみたいですしマリーの贄には使えそうにはありませんので…一応マフラーだけは頂いておきましょうか。そしてその残骸は…』
二人の懐を探って、金時計の名前を確認し終わり、途中で一旦言葉を途切れさせると、二人の襟首を掴んだままテラスまで引きずって行くと、勢いのまま魔物達の群れの中へと放り投げた。
『こうやって餌にしてしまう方が良いでしょう』
放り投げた先にいたグリフォン系の魔物やケルベロス系の魔物の餌となる姿を確認した後。静かにテラスの縁に腰かけてトレイタを待つ間。Roseの青薔薇姫について色々と思考を回していた
(彼女は支部長なのだから…彼がどうしているかぐらいは容易く聞き出せるでしょうし…さてさて、どのように聞いて差し上げましょうかねぇ…)
彼は笑った。
自分の思い通りに動く青薔薇姫に
そして嗤った。
大事な存在を守れなかった自分を