― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
気まずい雰囲気がその場に流れる中。医務室の扉が軽くノックされてから開く音がし、目の前のカーテンが開けられ、そこには茶金色の髪に紫の眼。顎には少し髭を生やした白い軍服の上に赤いマントを付けたRose“T”truthful Rainbow Rose総本部支部の英雄でもある男性「ジーク=エイス=クルセード」と足元には白い体毛に毛先と前髪が真っ赤な金色の目の狼「ガイア」を連れてやって来た。
「よっ。怪我の具合はどうだ~?」
「見ての通り。としか他に言いようは無いけれど?…その足元に居るのは?」
「ああ、自分が前に見つけて育てた魔物犬ガイアだよ。今は上の申請も通って退魔師犬としてトウカの相棒させてる 可愛いだろ?毛並も良いし元気も良いぞ」
『オイラ、ガイア!!ヨロシク!』
「リオンだよ。…へぇ…(たしかに可愛いな)人語も話せるなんて魔物にしては珍しいね」
「まあな。と言ってもまだまだ子供だから上手く喋れないんだけどな; おっと、それよりまずはこれまでの経緯、話してやらないとな」
そう言うと、空いた場所にあった席に着席してぼんやりと上を見上げながらこれまでの経緯をどう話そうか悩んでいると、何かを思い出したようにリオンの表情が突然に青ざめた。
「ここが本部なのは解ったけれど…あ、アイツは…何処にもいないんだろうな?!!」
「え?アイツ?誰かいたかなー…お前ほとんどの隊員苦手じゃないか…;」
「そうじゃないっ!あ、あの…神出鬼没で眼に紅い包帯巻いてて確かに医者の腕は一流かもしれないけど中身が変人のアレだよ!!」
「あ~!“フルリィ”(フール)の事か。酷い言い方するな~お前…見た目はアレでも昔はよく可愛がってもらってたのにな アイツは…居ないよ。“グルリィ”(グルワール)も自分も探して居るのに見つからないし寧ろこっちが聞きたいぐらいなんだけど、数年程前…丁度、イザヨイがここを出てから半年過ぎた辺りからずっと行方不明になってる。それだけじゃなくて、一般人や怪我が致命的な隊員とかも結構行方不明になってたりしてな…正直詳しい事はこっちも解らない
おっと、話が反れたな…それで、これまでの経緯なんだけどな」
コホンと。小さな咳払いを一つしてから話を始めた。
「丁度あの時。本部の指示でエレクライド王国に出向いていたんだ ついでにパトロールも兼ねて遠回りしていた帰り、Black Rose支部の近くを通った時に自分とシルドラの感知用の眼が光って…貧血で疲れてたしシルドラは休日が消えて不機嫌だったから追い払う程度で良いかな?とか思いつつ向ったら何か大変な事になっていてな…
数十年前に浄化した筈のトレイタは復活しているし、分断されているし…お前は背中から流血してて倒れているから本当にヤバいかと思ったけどな…; それに、Roseを裏切ったイザヨイもいるわで状況が読めないで戸惑ってたけど…そこを、真っ先にトウカがガイアと一緒に助けてくれたんだ。後でお礼言っておけよ? その後自分はお前と、青と黒の支部長達を保護して、シルドラは英雄様の威圧と有り余ってた魔力で氷系魔法使って追い払ったと言う訳さ
あのまま戦闘になってたら勝てる自信は無かったけど…一旦退いてくれたからとりあえず全員本部に連れて帰ったけれど…
しかし一体どうなっているんだ?トレイタは復活しているし何かもう一体増えていたし」
「…トウカ君とガイア君が…。…自分だってわからないよ反魂がどうとか言っていたけれど」
「…あー…ダメだ全く分からねぇや。 そうそう、言い忘れてたけれどお前の後輩だけどな、随分落ち込んでいたみたいだったけれど…“グルリィ”の娘さんが一緒にいてくれるらしいから心配はいらないと思う」
クロアの現況を聞き、小さくそうか。と素っ気無く答えたが、内心では安心したらしくその表情は少し和らいだように見えた。
「よっ。怪我の具合はどうだ~?」
「見ての通り。としか他に言いようは無いけれど?…その足元に居るのは?」
「ああ、自分が前に見つけて育てた魔物犬ガイアだよ。今は上の申請も通って退魔師犬としてトウカの相棒させてる 可愛いだろ?毛並も良いし元気も良いぞ」
『オイラ、ガイア!!ヨロシク!』
「リオンだよ。…へぇ…(たしかに可愛いな)人語も話せるなんて魔物にしては珍しいね」
「まあな。と言ってもまだまだ子供だから上手く喋れないんだけどな; おっと、それよりまずはこれまでの経緯、話してやらないとな」
そう言うと、空いた場所にあった席に着席してぼんやりと上を見上げながらこれまでの経緯をどう話そうか悩んでいると、何かを思い出したようにリオンの表情が突然に青ざめた。
「ここが本部なのは解ったけれど…あ、アイツは…何処にもいないんだろうな?!!」
「え?アイツ?誰かいたかなー…お前ほとんどの隊員苦手じゃないか…;」
「そうじゃないっ!あ、あの…神出鬼没で眼に紅い包帯巻いてて確かに医者の腕は一流かもしれないけど中身が変人のアレだよ!!」
「あ~!“フルリィ”(フール)の事か。酷い言い方するな~お前…見た目はアレでも昔はよく可愛がってもらってたのにな アイツは…居ないよ。“グルリィ”(グルワール)も自分も探して居るのに見つからないし寧ろこっちが聞きたいぐらいなんだけど、数年程前…丁度、イザヨイがここを出てから半年過ぎた辺りからずっと行方不明になってる。それだけじゃなくて、一般人や怪我が致命的な隊員とかも結構行方不明になってたりしてな…正直詳しい事はこっちも解らない
おっと、話が反れたな…それで、これまでの経緯なんだけどな」
コホンと。小さな咳払いを一つしてから話を始めた。
「丁度あの時。本部の指示でエレクライド王国に出向いていたんだ ついでにパトロールも兼ねて遠回りしていた帰り、Black Rose支部の近くを通った時に自分とシルドラの感知用の眼が光って…貧血で疲れてたしシルドラは休日が消えて不機嫌だったから追い払う程度で良いかな?とか思いつつ向ったら何か大変な事になっていてな…
数十年前に浄化した筈のトレイタは復活しているし、分断されているし…お前は背中から流血してて倒れているから本当にヤバいかと思ったけどな…; それに、Roseを裏切ったイザヨイもいるわで状況が読めないで戸惑ってたけど…そこを、真っ先にトウカがガイアと一緒に助けてくれたんだ。後でお礼言っておけよ? その後自分はお前と、青と黒の支部長達を保護して、シルドラは英雄様の威圧と有り余ってた魔力で氷系魔法使って追い払ったと言う訳さ
あのまま戦闘になってたら勝てる自信は無かったけど…一旦退いてくれたからとりあえず全員本部に連れて帰ったけれど…
しかし一体どうなっているんだ?トレイタは復活しているし何かもう一体増えていたし」
「…トウカ君とガイア君が…。…自分だってわからないよ反魂がどうとか言っていたけれど」
「…あー…ダメだ全く分からねぇや。 そうそう、言い忘れてたけれどお前の後輩だけどな、随分落ち込んでいたみたいだったけれど…“グルリィ”の娘さんが一緒にいてくれるらしいから心配はいらないと思う」
クロアの現況を聞き、小さくそうか。と素っ気無く答えたが、内心では安心したらしくその表情は少し和らいだように見えた。