― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
『さて…これでもう邪魔出来る方は居なくなったと言う事ですねぇ』
ふふん♪と楽しそうに小さく嗤っていると、興味が無さそうに顔を背け、手にしていた鎖を手繰り寄せて棺桶で待機していたローゼに指示を送った。
「そんな事どうだって良い。…ローゼ!アイツを捕えろ!!」
(あいさ!任せて!)
了解の意を示すように敬礼した事を確認してから、棺桶をイザヨイに向けて投げると、その勢いと共に棺桶からは赤紫色の巨大な異形の形をした両手が伸ばされた。
『ふっくく。これはこれは…何とも物騒ですねぇ』
嘲笑うかの様に眼を細めながら小さく呪文を唱え始めると、左手の甲に描かれた魔法陣が赤く光り始め、手が届く。その瞬間に地面に魔法陣が現れ、そこからは無数の紅く鈍く光る針が出現し、何本もの針がローゼの腕を刺し貫いた。
(いっ!!?ったぁああっ!!)
「一体何がっ?!戻れローゼ!」
何が起こったのか分からぬままローゼを一旦戻すと、普段の闇の様に黒い肌は酷く傷だらけになっていて、これ以上ローゼに攻撃させるのは危険と考え、適当な所で鎖と棺桶を離してから前へ向きなおったが、即座に背後へと回られてしまい、勢いよく背中に杖の先端が突き立てられた。
「うあっ?!」
『ふっくくく。お遊びは…この位にいたしましょうか「我の血と祖の契約により発動せよ!不縛の術!」』
背中に突き立てられた杖に怯んだ隙にイザヨイが唱えた術によりリオンの足元へ魔法陣が現れ、それはそのまま上まで移動し丁度肘の辺りでそれは縄の様にして強く拘束した。
突然身動きが取れなくなり、拘束から逃げようと何度か身を捩るが、外れる気配も無い。 術が完全に掛かった事を確認し、邪魔だ。と言わんばかりに杖の先端を彼の腹部へ一気にスイングさせて殴打し、トレイタの胴部分へと背から激しく叩きつけた。
「くぅ…はっ。げほっ…ごほっ!!」
「!?レト先輩っ?大丈夫なのですか?!レト先輩!!」
何かが激しく叩き付けられた音に、トレイタの胴越しに何度も呼びかけるが、声は返される事は無く、拘束がされている為。受け身も取る事が出来ないまま、その場に力無く倒れた事を確認すると、足元に残された剣を拾い上げた。
『「解除。」…さて、その状態では当分は動けないでしょう。お可哀想ですから解いてあげますが…今は、貴方よりこちらに用がありまして』
薄ら笑いを浮かべながら瓦礫を降り、酷く咳き込んでいるリオンを横目で確認してからローゼの元へと歩み寄った。
『また、先程の様に飛び入り参加はされたくありませんので…貴女から片付けされて頂きましょうか…』
「っ?!逃、げろ!ローゼ!!」
(えっ?!え?!で、でもっ出来ないよリオン…!)
言われたとおり棺桶内に逃げ込もうとしたが、それよりも先にイザヨイの持つ剣が彼女の喉元へと付きつけられる。 久しぶりに感じる死の恐怖に立ち竦んでしまい、目の前で剣が振り上げられても動けず、振り下ろされる瞬間。彼女は強く眼を閉じた。
ふふん♪と楽しそうに小さく嗤っていると、興味が無さそうに顔を背け、手にしていた鎖を手繰り寄せて棺桶で待機していたローゼに指示を送った。
「そんな事どうだって良い。…ローゼ!アイツを捕えろ!!」
(あいさ!任せて!)
了解の意を示すように敬礼した事を確認してから、棺桶をイザヨイに向けて投げると、その勢いと共に棺桶からは赤紫色の巨大な異形の形をした両手が伸ばされた。
『ふっくく。これはこれは…何とも物騒ですねぇ』
嘲笑うかの様に眼を細めながら小さく呪文を唱え始めると、左手の甲に描かれた魔法陣が赤く光り始め、手が届く。その瞬間に地面に魔法陣が現れ、そこからは無数の紅く鈍く光る針が出現し、何本もの針がローゼの腕を刺し貫いた。
(いっ!!?ったぁああっ!!)
「一体何がっ?!戻れローゼ!」
何が起こったのか分からぬままローゼを一旦戻すと、普段の闇の様に黒い肌は酷く傷だらけになっていて、これ以上ローゼに攻撃させるのは危険と考え、適当な所で鎖と棺桶を離してから前へ向きなおったが、即座に背後へと回られてしまい、勢いよく背中に杖の先端が突き立てられた。
「うあっ?!」
『ふっくくく。お遊びは…この位にいたしましょうか「我の血と祖の契約により発動せよ!不縛の術!」』
背中に突き立てられた杖に怯んだ隙にイザヨイが唱えた術によりリオンの足元へ魔法陣が現れ、それはそのまま上まで移動し丁度肘の辺りでそれは縄の様にして強く拘束した。
突然身動きが取れなくなり、拘束から逃げようと何度か身を捩るが、外れる気配も無い。 術が完全に掛かった事を確認し、邪魔だ。と言わんばかりに杖の先端を彼の腹部へ一気にスイングさせて殴打し、トレイタの胴部分へと背から激しく叩きつけた。
「くぅ…はっ。げほっ…ごほっ!!」
「!?レト先輩っ?大丈夫なのですか?!レト先輩!!」
何かが激しく叩き付けられた音に、トレイタの胴越しに何度も呼びかけるが、声は返される事は無く、拘束がされている為。受け身も取る事が出来ないまま、その場に力無く倒れた事を確認すると、足元に残された剣を拾い上げた。
『「解除。」…さて、その状態では当分は動けないでしょう。お可哀想ですから解いてあげますが…今は、貴方よりこちらに用がありまして』
薄ら笑いを浮かべながら瓦礫を降り、酷く咳き込んでいるリオンを横目で確認してからローゼの元へと歩み寄った。
『また、先程の様に飛び入り参加はされたくありませんので…貴女から片付けされて頂きましょうか…』
「っ?!逃、げろ!ローゼ!!」
(えっ?!え?!で、でもっ出来ないよリオン…!)
言われたとおり棺桶内に逃げ込もうとしたが、それよりも先にイザヨイの持つ剣が彼女の喉元へと付きつけられる。 久しぶりに感じる死の恐怖に立ち竦んでしまい、目の前で剣が振り上げられても動けず、振り下ろされる瞬間。彼女は強く眼を閉じた。