― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
「オレ様の事は良いからお前は犬らしくオレ様の犬をさっさと探しやがれっ!!」
「Σえ?!あ、はいー!!(くぅぅ…犬は犬ですけど俺はデルタ支部長一筋なのに…!)」
半ば追い払われるようにしてヒガンから離れ、瓦礫を退かしながら他の隊員の捜索と救護に専念していると数人の隊員は発見して保護する事はできたが、彼の言う側近の姿は一向に見つからなった。
徐々に皆の焦る気持ちも大きくなっていく中で、周辺の調査をしていたリオンが支部の損壊具合から普通の魔物ではあり得ないと考え、ヒガンに問いかける事にした。
「失礼ですが…ドレスィド支部長。支部の損壊具合を考えると巨大な奴か…余程力の強い奴でないとRose支部をここまで破壊できるのは不可能だと思うのですが…姿は見られましたか?」
「…よくは分からねぇ。ルクトといる時に突然に襲撃しやがった 確か、やけに“人に近い姿”で“白くて黒髪の金眼”をした奴だった
…そいつが急に天井をぶっ壊して現れやがった。オレ様もルクトも…浄化どころか逃げる事しか出来なかった」
怪訝そうな顔で説明してくれたが、その後は顔を背けて悔しそうに舌打ちをしていたので、それ以上聞けそうにもなかったので調査を再開すると共にヒガンから聞いた魔物の情報を、棺からローゼを呼び出して情報を共有した。
「黒髪で金眼。白い姿…心当たりがある様な気がするんだけれど…君は覚えているかい?」
(んー…どっかで見た気もするんだけど…あの…ほら、アッキーの弟君が一緒にいなかったっけ?)
「トウカ君が?…まさか。それは無いだろう?確か彼女は連れ戻された筈だ。アイツに」
(でも~…考えると特徴似てると思わない?黒髪とか金眼とか白いとか)
瓦礫の辺りを散策しながらローゼと会話していると、後ろの方にいたクロアが彼の頭上から降って来た瓦礫に気付き、リオンに注意を促したおかげで直撃は免れたと同時に感知用の目が金色に光り始め、不穏に思い身構えた時。先程話していた少女が真っ赤に染まった姿に手を鋏の様に変形させて、近くの木々が揺れる音と共に一気に斬りかかって来た。
咄嗟にさっきの瓦礫を盾にして避けたので、瓦礫と共に多少ケープが切れる程度で済み、応戦しようと剣を構えた時。その姿に見開いた
「?!その姿っ…!お前まさかあの時の?!」
『主の命令…貴方もその一人。』
あの時とは違う無機質で機械的な喋り口調に一瞬だけ恐怖を覚えてしまった事で隙が出来、首筋へ彼女の鋏が当たりそうになった寸前でその攻撃を制止する声が響いた。
何処から聞こえた声なのか。と辺りを見回していると、奥の方から木々をなぎ倒しながらこちらに進む音と共に巨大な羊の角を生やした蛇。トレイタが現れ、その頭上にはいつもいる筈のマリアネットでは無く、白いロングコートに金色の髪と肩付近で軽く括って眼鏡を付けた青年が小脇に誰かを抱えながら立って居た。
その姿にリオンとクロアは互いに違う反応を見せた。
「Σえ?!あ、はいー!!(くぅぅ…犬は犬ですけど俺はデルタ支部長一筋なのに…!)」
半ば追い払われるようにしてヒガンから離れ、瓦礫を退かしながら他の隊員の捜索と救護に専念していると数人の隊員は発見して保護する事はできたが、彼の言う側近の姿は一向に見つからなった。
徐々に皆の焦る気持ちも大きくなっていく中で、周辺の調査をしていたリオンが支部の損壊具合から普通の魔物ではあり得ないと考え、ヒガンに問いかける事にした。
「失礼ですが…ドレスィド支部長。支部の損壊具合を考えると巨大な奴か…余程力の強い奴でないとRose支部をここまで破壊できるのは不可能だと思うのですが…姿は見られましたか?」
「…よくは分からねぇ。ルクトといる時に突然に襲撃しやがった 確か、やけに“人に近い姿”で“白くて黒髪の金眼”をした奴だった
…そいつが急に天井をぶっ壊して現れやがった。オレ様もルクトも…浄化どころか逃げる事しか出来なかった」
怪訝そうな顔で説明してくれたが、その後は顔を背けて悔しそうに舌打ちをしていたので、それ以上聞けそうにもなかったので調査を再開すると共にヒガンから聞いた魔物の情報を、棺からローゼを呼び出して情報を共有した。
「黒髪で金眼。白い姿…心当たりがある様な気がするんだけれど…君は覚えているかい?」
(んー…どっかで見た気もするんだけど…あの…ほら、アッキーの弟君が一緒にいなかったっけ?)
「トウカ君が?…まさか。それは無いだろう?確か彼女は連れ戻された筈だ。アイツに」
(でも~…考えると特徴似てると思わない?黒髪とか金眼とか白いとか)
瓦礫の辺りを散策しながらローゼと会話していると、後ろの方にいたクロアが彼の頭上から降って来た瓦礫に気付き、リオンに注意を促したおかげで直撃は免れたと同時に感知用の目が金色に光り始め、不穏に思い身構えた時。先程話していた少女が真っ赤に染まった姿に手を鋏の様に変形させて、近くの木々が揺れる音と共に一気に斬りかかって来た。
咄嗟にさっきの瓦礫を盾にして避けたので、瓦礫と共に多少ケープが切れる程度で済み、応戦しようと剣を構えた時。その姿に見開いた
「?!その姿っ…!お前まさかあの時の?!」
『主の命令…貴方もその一人。』
あの時とは違う無機質で機械的な喋り口調に一瞬だけ恐怖を覚えてしまった事で隙が出来、首筋へ彼女の鋏が当たりそうになった寸前でその攻撃を制止する声が響いた。
何処から聞こえた声なのか。と辺りを見回していると、奥の方から木々をなぎ倒しながらこちらに進む音と共に巨大な羊の角を生やした蛇。トレイタが現れ、その頭上にはいつもいる筈のマリアネットでは無く、白いロングコートに金色の髪と肩付近で軽く括って眼鏡を付けた青年が小脇に誰かを抱えながら立って居た。
その姿にリオンとクロアは互いに違う反応を見せた。