― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
急遽目覚めさせられた事でまだ意識がはっきりしていないクロアと、不機嫌そうに眼を擦るリオンを確認すると、自分が慌てていた理由について説明し始めた。
「二…三人を起こさせて貰ったのは緊急事態が起きたからなんですよ!」
「まさか…コクレイ。貴女…この前の事がお父様にバレて補佐支部へ異動になったの?」
「…別邸が二人の衣装で埋め尽くされそうだから新しい場所探したい…か?」
「Σどっちも違いますよっ!!何で俺=異動や衣装なんですか!その時はこんな起こし方じゃ無く泣きついているっすよ! そ、そうじゃなくて緊急事態と言うのはですねぇ!?(怒)
先程Black Rose支部が魔物達に襲撃されたとの事で被害状況などはまだ不明ですが、救援要請が入っていたのでお二人にご報告と出動のご準備をして頂く為です!
俺は先にエントランス前へ馬車を用意しますのでお二人はご準備が整い次第エントランスへお急ぎくださいね!では!!」
現在伝えられそうな事だけ手早く伝えると、階段やエレベーターまでの長く続く廊下を全力疾走で走って行ったので、直ぐに彼女の姿は見えなくなった。
その場に残された二人は、事情が事情だった事もあり、一度二人で顔を見合わせあってから自室内で簡易的に身支度を整え終えると、コクレイに言われたとおりエントランスへと向かい、既に用意されていた馬車へと乗り込んだ。
「それじゃあ全力で走らせますのでしっかりその辺に摑まってて下さいよ!! 行くぜぇ…!!!クロロにシロロ!」
パシンッ。と黒と白の毛並をした馬たちへ一気に鞭が振り下ろされると、その場で二頭は大きく嘶き、そして一気に走り出した。
「ひゃっほぅ♪さっすが俺のお気に入り!走る速さが他の奴とはやっぱ違うな!」
ご機嫌そうに御者を行うコクレイとは違い、馬車内の二人は適当な手すりに摑まってはいるものの、揺れは酷く、向かい合わせに座っていた二人は椅子から滑り落ちそうになっていた。
「ご、ご機嫌っ!なのはっいい、けれど!少し速すぎ、ないかな?!」
「ぐっ…よ、酔うっ…何か、眼が回って来た…」
「Σきゃぁああレト先輩ぃぃい!!こんな所で酔わないで下さいぃい!」
「Σま、待て揺らすなっ…余計に眼も回る………」
馬車内での状況は勢いよく走る馬の蹄の音や道を走る車輪の音によってかき消されている為コクレイには一切届いていないらしく、馬車の速度は一向に落ちる事無く走り続け、幾つめかの街や森を抜けた頃にようやく目的地付近へと辿り着いた。
「二…三人を起こさせて貰ったのは緊急事態が起きたからなんですよ!」
「まさか…コクレイ。貴女…この前の事がお父様にバレて補佐支部へ異動になったの?」
「…別邸が二人の衣装で埋め尽くされそうだから新しい場所探したい…か?」
「Σどっちも違いますよっ!!何で俺=異動や衣装なんですか!その時はこんな起こし方じゃ無く泣きついているっすよ! そ、そうじゃなくて緊急事態と言うのはですねぇ!?(怒)
先程Black Rose支部が魔物達に襲撃されたとの事で被害状況などはまだ不明ですが、救援要請が入っていたのでお二人にご報告と出動のご準備をして頂く為です!
俺は先にエントランス前へ馬車を用意しますのでお二人はご準備が整い次第エントランスへお急ぎくださいね!では!!」
現在伝えられそうな事だけ手早く伝えると、階段やエレベーターまでの長く続く廊下を全力疾走で走って行ったので、直ぐに彼女の姿は見えなくなった。
その場に残された二人は、事情が事情だった事もあり、一度二人で顔を見合わせあってから自室内で簡易的に身支度を整え終えると、コクレイに言われたとおりエントランスへと向かい、既に用意されていた馬車へと乗り込んだ。
「それじゃあ全力で走らせますのでしっかりその辺に摑まってて下さいよ!! 行くぜぇ…!!!クロロにシロロ!」
パシンッ。と黒と白の毛並をした馬たちへ一気に鞭が振り下ろされると、その場で二頭は大きく嘶き、そして一気に走り出した。
「ひゃっほぅ♪さっすが俺のお気に入り!走る速さが他の奴とはやっぱ違うな!」
ご機嫌そうに御者を行うコクレイとは違い、馬車内の二人は適当な手すりに摑まってはいるものの、揺れは酷く、向かい合わせに座っていた二人は椅子から滑り落ちそうになっていた。
「ご、ご機嫌っ!なのはっいい、けれど!少し速すぎ、ないかな?!」
「ぐっ…よ、酔うっ…何か、眼が回って来た…」
「Σきゃぁああレト先輩ぃぃい!!こんな所で酔わないで下さいぃい!」
「Σま、待て揺らすなっ…余計に眼も回る………」
馬車内での状況は勢いよく走る馬の蹄の音や道を走る車輪の音によってかき消されている為コクレイには一切届いていないらしく、馬車の速度は一向に落ちる事無く走り続け、幾つめかの街や森を抜けた頃にようやく目的地付近へと辿り着いた。