― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
自分のみ脱出させたベヴェルクトの意思が分からず、反射的に彼へと伸ばした腕は届く事も無くヒガンは近くの木の枝にぶつかって着地した。 それを微かに横目で確認し、正面を向いて針を構えた瞬間。反撃する間もなくソヴァージュの変形させた腕が彼の右胸を一気に刺し貫いた。
(一人は逃がしてしまったけれど…被害としては十分。もう少しだけ支部を破壊し終わったら主が連絡を入れるはずだし、後コレは…一応主に渡そう。)
刺し貫いていた腕を一気に引き抜くと、噴き出した血液が容赦なく彼女に掛かり髪やドレスを真っ赤に染め上げる。
(真っ赤…また主に怒られそうだけど仕方ないか)
内心で小さく呟き、先程刺し貫いたベヴェルクトの制服の襟首を掴み直すと、床に向けて足のかかとを一気に振り下ろして床を破壊し、別の場所へと移動して行った。
――――――――――――――――
同刻。Blue Rose支部では、執務室での作業を一段落させ、夜も大分更けてしまった事もあり自室のベッドでクロア寝転がる様に休んでいた。
(うーん…眠いけれど今度のイベントの企画書コクレイやレト先輩にも見てもらわなきゃならない…けど睡魔が…Zzz)
髪もドレスもそのままの状態で俯せのまま小さな寝息を立て始めた時。慌ただしく廊下を走る足音と共に、自室の扉が激しくノックされた。
「支部長っ!!起きて下さいって支部長!!大変なんっすよ!」
「Σななな何!?どうしたの?!コクレイ!何が大変なの!?落ち着いて!」
「緊急すぎて落ち着けないっす!ああそれよりもリオンさんにも伝えなければならないので呼びに行きますのでご支度を!!」
余程慌てているのか、全く落ち着く様子もないままにリオンの自室前まで走り、先程と同じ勢いでノックし様と構えたが、それよりも先に部屋の扉が開き、頬を軽く膨らませたローゼがその場に立って居た。
(うるさくて寝れないんだけど?!一体なんだって言うのよ!)
「Σうわわっ!?ロ、ローゼちゃんか…あ!それよりリオンさんは?!緊急事態で今すぐにでも伝えなければならない事があってっ!!廊下に支部長も待たせてまして!!」
(きんきゅーじたい?…よくは分かんないけどとりあえず手伝って欲しいんだってさリオン。)
「………」
微かに視線を後ろに向けて口パクでそう言うと、奥にあるソファーで就寝中だったらしいリオンが少し不機嫌そうな表情をしつつ、無言のまま廊下へと出て来てくれた。
(一人は逃がしてしまったけれど…被害としては十分。もう少しだけ支部を破壊し終わったら主が連絡を入れるはずだし、後コレは…一応主に渡そう。)
刺し貫いていた腕を一気に引き抜くと、噴き出した血液が容赦なく彼女に掛かり髪やドレスを真っ赤に染め上げる。
(真っ赤…また主に怒られそうだけど仕方ないか)
内心で小さく呟き、先程刺し貫いたベヴェルクトの制服の襟首を掴み直すと、床に向けて足のかかとを一気に振り下ろして床を破壊し、別の場所へと移動して行った。
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同刻。Blue Rose支部では、執務室での作業を一段落させ、夜も大分更けてしまった事もあり自室のベッドでクロア寝転がる様に休んでいた。
(うーん…眠いけれど今度のイベントの企画書コクレイやレト先輩にも見てもらわなきゃならない…けど睡魔が…Zzz)
髪もドレスもそのままの状態で俯せのまま小さな寝息を立て始めた時。慌ただしく廊下を走る足音と共に、自室の扉が激しくノックされた。
「支部長っ!!起きて下さいって支部長!!大変なんっすよ!」
「Σななな何!?どうしたの?!コクレイ!何が大変なの!?落ち着いて!」
「緊急すぎて落ち着けないっす!ああそれよりもリオンさんにも伝えなければならないので呼びに行きますのでご支度を!!」
余程慌てているのか、全く落ち着く様子もないままにリオンの自室前まで走り、先程と同じ勢いでノックし様と構えたが、それよりも先に部屋の扉が開き、頬を軽く膨らませたローゼがその場に立って居た。
(うるさくて寝れないんだけど?!一体なんだって言うのよ!)
「Σうわわっ!?ロ、ローゼちゃんか…あ!それよりリオンさんは?!緊急事態で今すぐにでも伝えなければならない事があってっ!!廊下に支部長も待たせてまして!!」
(きんきゅーじたい?…よくは分かんないけどとりあえず手伝って欲しいんだってさリオン。)
「………」
微かに視線を後ろに向けて口パクでそう言うと、奥にあるソファーで就寝中だったらしいリオンが少し不機嫌そうな表情をしつつ、無言のまま廊下へと出て来てくれた。