― An EvilPurify Ⅱ― 姫が為。捧げし互いの正義
『…疲れましたねぇ…全く…今後の情報集めの為にと手頃な手駒を見つけましたが…意外に何かと疲れる子なんて…嗚呼可愛いマリー。ただいま帰りましたよ ……マリー?…』
丁度テラスからこちらへ帰宅し、いつもの様に愛おしい少女の名を呼ぶも返事が無い。普段ならば自分の声を聞いただけで走り寄ってくれる筈だったが…
『おかしいですねぇ…まだ出掛け中でしょうか?ですが時間的にはもう帰宅している筈ですが…』
不思議に思いつつ隣に控える少女を連れて一歩室内に入ると、目の前の荒廃さに驚きで目を見開いた。
天井に吊り下げられていたシャンデリアは無残に壊れ、天井のほとんどが瓦礫となって床に積み上げられていた。
『一体どういう事ですかコレはっ…!?トレイタが居ながら情けない…ソヴァージュ。お前は瓦礫を片付けて修繕に急ぎなさい ワタシはマリーを…』
いつになく慌てた様子で隣に居た少女へ命令すると、彼は急いだ様子で辺りを見回して居ると、瓦礫の傍らで眠るように倒れていたマリアネットを見つけ、その場で膝を付いてそっと抱き上げると、刺された事で赤く染まっていた胸部辺りを何度も優しく撫で、肌も全てが冷たくなっている事も確認した。
『マリーっ…ああ、可哀想にマリー。痛かっただろう?怖かっただろう?可愛い愛すべきワタシのマリー…もう大丈夫だよ。必ずまた歩けるよう…笑って、話せるようにして差し上げますね』
その場で強く抱きしめ、彼女を抱えたまま立ち上がると、瓦礫がある事は全く気にせず真っ直ぐに歩き、数段ある階段上にあった椅子の上へと座らせた。
『少し…ここでお待ちくださいねマリー。貴女を後回しにするのは心苦しい限りですが…今は、あの役立たずからここで何があったかを聞かなければなりませんので』
独り言の様にそう呟くと、数段下で瓦礫整理を行っていたソヴァージュへ新しい命令を下した。
『ソヴァージュ。今から役立たずをもう一度蘇らせますので…外に居る適当な魔物を捕え、ここに運びなさい。死んでいなければ形など問いません ワタシはその間に準備を行います』
『承知しました。』
小さくそれだけ言うと、新たに命令を下されたソヴァージュはテラスの方へと向かい、そこから躊躇いなく飛び降りて行った。
それを横目で確認すると、イザヨイは一旦広間から離れて自室へと向かい、ベッド近くの壁に立てかけてあった中心に赤紫色の水晶。柄の部分に蛇が巻き付いている杖と机上に無造作に置かれていたチョークを手にしてもう一度広間へと戻った。
丁度テラスからこちらへ帰宅し、いつもの様に愛おしい少女の名を呼ぶも返事が無い。普段ならば自分の声を聞いただけで走り寄ってくれる筈だったが…
『おかしいですねぇ…まだ出掛け中でしょうか?ですが時間的にはもう帰宅している筈ですが…』
不思議に思いつつ隣に控える少女を連れて一歩室内に入ると、目の前の荒廃さに驚きで目を見開いた。
天井に吊り下げられていたシャンデリアは無残に壊れ、天井のほとんどが瓦礫となって床に積み上げられていた。
『一体どういう事ですかコレはっ…!?トレイタが居ながら情けない…ソヴァージュ。お前は瓦礫を片付けて修繕に急ぎなさい ワタシはマリーを…』
いつになく慌てた様子で隣に居た少女へ命令すると、彼は急いだ様子で辺りを見回して居ると、瓦礫の傍らで眠るように倒れていたマリアネットを見つけ、その場で膝を付いてそっと抱き上げると、刺された事で赤く染まっていた胸部辺りを何度も優しく撫で、肌も全てが冷たくなっている事も確認した。
『マリーっ…ああ、可哀想にマリー。痛かっただろう?怖かっただろう?可愛い愛すべきワタシのマリー…もう大丈夫だよ。必ずまた歩けるよう…笑って、話せるようにして差し上げますね』
その場で強く抱きしめ、彼女を抱えたまま立ち上がると、瓦礫がある事は全く気にせず真っ直ぐに歩き、数段ある階段上にあった椅子の上へと座らせた。
『少し…ここでお待ちくださいねマリー。貴女を後回しにするのは心苦しい限りですが…今は、あの役立たずからここで何があったかを聞かなければなりませんので』
独り言の様にそう呟くと、数段下で瓦礫整理を行っていたソヴァージュへ新しい命令を下した。
『ソヴァージュ。今から役立たずをもう一度蘇らせますので…外に居る適当な魔物を捕え、ここに運びなさい。死んでいなければ形など問いません ワタシはその間に準備を行います』
『承知しました。』
小さくそれだけ言うと、新たに命令を下されたソヴァージュはテラスの方へと向かい、そこから躊躇いなく飛び降りて行った。
それを横目で確認すると、イザヨイは一旦広間から離れて自室へと向かい、ベッド近くの壁に立てかけてあった中心に赤紫色の水晶。柄の部分に蛇が巻き付いている杖と机上に無造作に置かれていたチョークを手にしてもう一度広間へと戻った。