紅い月が常に照らす世界。
遥か昔。魔物とは共存していた時があったが、異国の地より訪れた退魔師によって“異形の者”として彼らは排除され、“扉”を使い時間が現世と反対となっている“T”Sheolと名付けられた反対側の世界へと魔物達全てを封印した場所。

　現在ある裏と表の世界を唯一支障無く繋ぐ場所としての“扉”は現在のRose“T”truthful Rainbow Rose総本部支部の最下層に厳重に封印されていた。　


それから月日が経ち、とある小さな村で起こった魔法による火災事件。
魔法を唱えたとされる少女は“最年少の大罪人”として地下牢へ投獄された。　いつしかその中でも少女は育ち、一定の年齢になった時に読み始めた魔道書によって召喚された魔物（トレイタ）と契約する事によって脱獄し、仮にと作られた空間で裏側の世界へ移動。
後に「第一危険因子」として本部から正式な討伐対象として指定される。

彼女を討伐すべく“扉”へ幾人もの退魔師が魔物殲滅の為にと派遣されたものの、誰一人として戻る者はおらず、その被害は甚大なものとなり、追い打ちをかける様にして本部はトレイタによって襲撃され、本部の半分以上が壊滅したが、“扉”の防衛には成功した。
　その時直轄部隊の二人がトレイタの浄化を行ったと言う事で二人は“英雄”として現在のRose養成学校の教科書へも語り継がれる事に


　現在では扉を狙ってこちら側に現れる魔物を浄化しつつ、本部では“人工的な退魔師”を作る事や、一般人を使って退魔師を復活させる反魂の術の使用。と言った様々な実験が内密に行われるようになり始めて数年後。“特殊部隊隊長による部下の殺害事件”や表沙汰にはなっていないが“本部科学者兼医師の殺害”“擁護し協力させていた呪術師一族の壊滅”が起きていたが、どちらもRoseにとってはあまり良い話でも無かったのでこの二点は内密に葬られる事となった。


この時。本部も支部も全てを裏切ったその人物は本部内で「第一危険因子」とされていたマリアネット=アイディンドールの元へと寝返り、消息が不明とされていた。

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その人物の裏切りから数年後。

その中で残る古城の近くでは異形の姿をした生物が何千と犇めき、互いに争い、どの生物も全く自我も無く喰らい合う姿。

少し前にあった退魔師との戦闘によって室内の一部分は崩壊し、積み上がる瓦礫の傍でその中にはRoseが恐れていた第一因子「マリアネット＝アイディンドール」が眠る様な姿で倒れていた。

荒んだその裏側の場所へ、歪めた空間を使って白いコートに眼鏡を掛けた金髪に橙目の青年「イザヨイ＝ミコト」が疲れ切った様子で黒い髪に金色の目をした真っ白な肌を変化させて作ったドレス姿の少女「ソヴァージュ」と戻って来た。