― An EvilPurify Ⅰ― 退魔師物語

「お、おい大丈夫か!?その服装からしてー…兄ちゃんもしかしてBlue Rose支部の? あ、ほらここ座れって。何があったのか教えてくれるか?」
「すいません…はい…貴方の御察しの通り私は仙鈴支部の検証隊でして…今日この辺りで浄化されたという魔物に関して調べて居たんですが…そしたら突然見た事も無い様な大きな人型をした魔物が現れてっ!そこで…皆死に物狂いで逃げたんですけど隊長から近くに住んで居る退魔師様を御呼びしろっと言われまして…」

「そう、だがらあんなに慌ててたのね。リック、お茶 ねえ貴方名前は?見る限り新入りよね?私はカイン。アレはリック」
「い、イグレージャと申します…」
「そう、イグレージャさんね じゃあまず…報酬の話から行きましょうか?助けて欲しいんでしょ?いくら同じ支部の人って言ってもー…ポッケトマネーでも支部の金でも何でも良いから出してくれるわよねぇ?」

カインの目つきが怪しく光って居るようにも見える。彼女が言いたい事が大体理解出来た依頼人の彼は怯えたようにカタカタと軽く振るえている こんなビジネスモードの彼女を止められる程の権限を持って居てもリックには使える筈も無い 言われたとおりお茶を用意するとそっとその場から離れて行った。
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですって~今なら安くして居ますよ?」
「あ…うぅ…は、払いますよっ!払いますから…他の皆を…」
「その言葉…忘れないでよ?最低金額は5000ポッチから ね?まだ安いでしょう?
依頼は聞き届けたわ リック!準備して!」

がっくりと肩を落としたようにその場に座る新入りの彼に少し内心で同情しつつ、出された依頼を断る理由など何処にも無かったので、さっきまで着ていたエプロンをそこらのソファーに投げると腰に剣を装備し赤いマフラーを装着した。
「うっし、準備完了っと…えと…イグレージャさん?道案内お願いできます?途中までで良いんんで オレらが察知出来たらそこで待っていただければ良いんで」
「は、はい!只今っ!」
何にも無さそうにと表情は言っているが彼の声が裏返ってしまっているのは仲間の安否よりももっと個人的な悩みと言う事が良く解った。
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