― An EvilPurify Ⅰ― 退魔師物語
ようやく家に着くと無造作に自分が付けていた赤いマフラーを投げ、先程リビングに置いて行ったお茶が風味と味が飛んで居る事に小さなショックを受けながらリックはカインお手製のエプロン(水色ベースにポケットの部分に薔薇の刺繍が入った物)を装着した。
お盆の上に乗せた食器を運びながら何となくカインを眺めてみると、机に座りながら何個も書かれた数字とにらめっこをしている…今話しかけるのは悪いやと思い、しぶしぶ洗い物を開始した。
「うぅー今月も赤字だぁ…さっきので依頼料いくらか貰っとくべきだった…いやもうくれたって良いじゃない…助けたんだから…」
(助けたのオレなんだけどー?…って言ったら今なら間違いなく三倍で言葉返されるから止めておこう)
頭を抱えたまま唸るカインをそっとしたまま、リックは洗い物を終わらせ、次に洗濯物を取り入れた後はリビングへと戻りのんきにテレビを見始めた。 依頼が無い今はこうやってゆっくりしているが今はこの街の担当となったのならパトロールは入念に行うべきなのだが…今はそれも行う気も無いらしい。
「退魔師ってもうちょっと重宝すべき存在じゃないの…?助けてるんだから金額援助してくれたって…」
(おいおい良いのかこんな事言って…一応は皆の為に働いてるのにな…)
気に障らない程度の音量で演歌を楽しむなか、リビングの方から重々しいため息が何故か良く聞こえてしまい彼の方も無意識にため息が漏れ始めた。ようやく日も落ち始め、空が暗くなり始めようとしている時に外で数人の話声が聞こえた。
今はそんな事を気にする気も無いし…と思い特に気にも掛けて居ないでいると扉が慌ただしくノックされ、丁度近くに居たリックが扉を開けると肩に薔薇の刺繍が模ってある白いコートで背中に機材を背負っている一人の若い青年が血相を変えた様子で立っており服装から察するに組織の人間らしい…彼らの姿を見ると安堵したように一息つくと、地面に膝から座り込んでしまった。
お盆の上に乗せた食器を運びながら何となくカインを眺めてみると、机に座りながら何個も書かれた数字とにらめっこをしている…今話しかけるのは悪いやと思い、しぶしぶ洗い物を開始した。
「うぅー今月も赤字だぁ…さっきので依頼料いくらか貰っとくべきだった…いやもうくれたって良いじゃない…助けたんだから…」
(助けたのオレなんだけどー?…って言ったら今なら間違いなく三倍で言葉返されるから止めておこう)
頭を抱えたまま唸るカインをそっとしたまま、リックは洗い物を終わらせ、次に洗濯物を取り入れた後はリビングへと戻りのんきにテレビを見始めた。 依頼が無い今はこうやってゆっくりしているが今はこの街の担当となったのならパトロールは入念に行うべきなのだが…今はそれも行う気も無いらしい。
「退魔師ってもうちょっと重宝すべき存在じゃないの…?助けてるんだから金額援助してくれたって…」
(おいおい良いのかこんな事言って…一応は皆の為に働いてるのにな…)
気に障らない程度の音量で演歌を楽しむなか、リビングの方から重々しいため息が何故か良く聞こえてしまい彼の方も無意識にため息が漏れ始めた。ようやく日も落ち始め、空が暗くなり始めようとしている時に外で数人の話声が聞こえた。
今はそんな事を気にする気も無いし…と思い特に気にも掛けて居ないでいると扉が慌ただしくノックされ、丁度近くに居たリックが扉を開けると肩に薔薇の刺繍が模ってある白いコートで背中に機材を背負っている一人の若い青年が血相を変えた様子で立っており服装から察するに組織の人間らしい…彼らの姿を見ると安堵したように一息つくと、地面に膝から座り込んでしまった。