― An EvilPurify Ⅰ― 退魔師物語
あわてて口元を拭ったが、彼自身に理由など思い当らなかったが、手元についた血液を見るとやけに肌が青白く、もしかしてと思い腕を確認すると、前に見せてもらったあの痣が彼と同じように進行していた。
(これ…うそだろ?マリアネット浄化したのに消えな…いのか?じゃあカインっ!カインは平気なのか?)
がたがたと震える腕を隠し切れないまま、眠ったままの彼女のもとへと走る。何度声を掛けても返事が無かったので、とりあえず顔を顔を軽く叩いてみると、やっと意識を取り戻した。
「うっ…うーん…リッ…ク?ど「カイン!ごめんっ…オレがあの時油断何かしなかったらこんな事にはならなかったんだよな!…」リ、リック…抱きしめるならもうちょっと優しくしてくれる…痛いから…」
強く抱きしめるリックから少しだけ離れようと、 背中を軽く何回か叩いて合図を送ろうとした時、自分の腕が異形の形になっていた事に初めて気が付き、言葉を失った。 赤黒く変形したその腕と、徐々に体温を失っていく身体。
愕然としたまま言葉が出ないでいると、早くここから出ようと言う彼の言葉ですら遠く聞こえた。 手を引いてくれる彼の手を振り払って、理由を説明しようとした際に地面が大きく揺れた。
散々この場所でトレイタが暴れたせいで建物自体が崩壊し始めたのだろう。
早く戻れとリオンに声を掛けられ、意地でもカインを抱えたまま走り出した時にはもう遅かった。
二人の目の前に大きな瓦礫が降り、行く手を阻んだからだった。
音に気が付き、振り返ると、目の前には大きすぎる瓦礫が退路を塞いでいた。上からはいくつもの瓦礫が落下してきたが、それでも直ぐに二人へと呼びかけて安否を確認して救助に向かおうとした時、リックがそれを静止した。
「リオンさん!オレたちは平気ですから先に行ってください!」
「!?リック君?」
「手負いな状態で来ちゃったら危ないですよ!そんなことしたら三人とも助からないかもしれないですし…だからここは…カインと一緒に何とかしますから!」
「私も…私も付いていますから大丈夫ですよ! きっと一緒に帰りますからっ…だから…」
表情までは見えなかったが、瓦礫の向こうから聞こえる声は何故か泣きそうに消えそうだった。
(これ…うそだろ?マリアネット浄化したのに消えな…いのか?じゃあカインっ!カインは平気なのか?)
がたがたと震える腕を隠し切れないまま、眠ったままの彼女のもとへと走る。何度声を掛けても返事が無かったので、とりあえず顔を顔を軽く叩いてみると、やっと意識を取り戻した。
「うっ…うーん…リッ…ク?ど「カイン!ごめんっ…オレがあの時油断何かしなかったらこんな事にはならなかったんだよな!…」リ、リック…抱きしめるならもうちょっと優しくしてくれる…痛いから…」
強く抱きしめるリックから少しだけ離れようと、 背中を軽く何回か叩いて合図を送ろうとした時、自分の腕が異形の形になっていた事に初めて気が付き、言葉を失った。 赤黒く変形したその腕と、徐々に体温を失っていく身体。
愕然としたまま言葉が出ないでいると、早くここから出ようと言う彼の言葉ですら遠く聞こえた。 手を引いてくれる彼の手を振り払って、理由を説明しようとした際に地面が大きく揺れた。
散々この場所でトレイタが暴れたせいで建物自体が崩壊し始めたのだろう。
早く戻れとリオンに声を掛けられ、意地でもカインを抱えたまま走り出した時にはもう遅かった。
二人の目の前に大きな瓦礫が降り、行く手を阻んだからだった。
音に気が付き、振り返ると、目の前には大きすぎる瓦礫が退路を塞いでいた。上からはいくつもの瓦礫が落下してきたが、それでも直ぐに二人へと呼びかけて安否を確認して救助に向かおうとした時、リックがそれを静止した。
「リオンさん!オレたちは平気ですから先に行ってください!」
「!?リック君?」
「手負いな状態で来ちゃったら危ないですよ!そんなことしたら三人とも助からないかもしれないですし…だからここは…カインと一緒に何とかしますから!」
「私も…私も付いていますから大丈夫ですよ! きっと一緒に帰りますからっ…だから…」
表情までは見えなかったが、瓦礫の向こうから聞こえる声は何故か泣きそうに消えそうだった。