― An EvilPurify Ⅰ― 退魔師物語

「なんだ。もう良いのか?もっとゆっくりして居ても良かったのにな」
「Σだからアレは違うんですってば!!///そ、それよりリオンさん!急なお願いなんですがオレ達と一緒にもう一度退魔師として生きて貰えませんか!?」
「二人ともBlue Rose支部の野外部隊班ですけどそれでもよろしければ…」
 深く頭を下げながら強く言い切った二人の唐突過ぎるお願いにその場の時が止まったかのようにしばらくの間静まり返ってしまっていたが、その静寂を破る様に少し遠くにあった教会がベルを鳴らし時を告げる。ハッと我に返ると空は少しづづ暗く染まっていって居る事に気が付いた。
「えーっと…急なお誘いだけど…もう時間も遅いみたいだし今日は泊まって行きなよ?その間に少し考えても良いかな? …見合う答えは明日までに用意するからさ」


 その日の夜。夜も深く暗く染まる頃リオンは棺桶の中からローゼを出してバルコニーから共に月を眺めていた。 隣で積み上げたリンゴを食べ続ける彼女へ今日あったお誘いの事について話しかける。
「ローゼ、もしも自分が…また退魔師に戻るとしたら君は何て言う?」
(リンゴを食べる手を一旦止め、リオンへ笑いかける)
「要するに、君にとっては食事に困らないから嬉しいと言いたいんだね…やれやれ」
(何回か頷き食事を再開)
 ローゼ自身話す事が出来ないので言いたい事はジェスチャーで伝えてくれるが、食事優先なので会話もままならない
「自分は正直このままで良いとは思ってる…君も傍に居て分かるだろうけど、抗う事を諦めた自分は長くないけど今は(食べかけのリンゴを投げつけられる)Σうっ…何のつもりだい?ローゼ」
(すまし顔らしき状態でさっきのリンゴを口に含む)
「……まだ話は終わって居ないだろうがっ…ったく…君に文句を言われなくても、もう答えは見つけてるよ」
そうして夜は一層と暗さと深みを増していき、時間も過ぎて行った。
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