― An EvilPurify Ⅰ― 退魔師物語
『こうして…ね。手に印しを付けてあげる…こうしたら私の玩具になれる…そうしたら沢山遊べるね』
吊り上げられた彼らの手に小さな二匹の青い蝶が止まったかと思うと激しい激痛が襲う。蝶が止まった手の甲には杖に絡みつく蛇の模様が模られた。
絶叫する彼らの事等気にも留めず、そのままトレイタの頭の上へ乗せようとした時に、銀色の長い刀身がトレイタに向けて投げつけられ、深々と左目に突き刺さる。酷く暴れまわるトレイタに驚き、術の効力が消えたので彼らは地面に叩きつけられたが、寸前の所で助かった。 霞む視界で見えたのはさっきの茶色いローブを着た女性の姿だった。
『トレイタ!…ああ目が……あなただぁれ?』
「“元”退魔師の行商人とでも紹介してやろう …!?その痣をコイツ等にもつけたと言う事か 帰りが遅いから見に来てやったが…やはり貴様が来ていたとな」
『退魔師?…マリーは玩具とあそぶ…せっかく印付けたの…だからっ』
「御託は良い!戻るか…今ここで散るか選ばせやろう…幾分か老い、二人ほど足りないとは言え貴様らの相手に支障は無い」
キッと睨みつける彼女の眼光にビクッと身を震わせるとトレイタの目から剣を引き抜くと、逃げる様にしてあの魔法陣の中にへと消え去って行った。 地面に落ちた剣を拾い上げ、手袋が汚れる事も構わずに赤くなっている剣先を拭い、その手袋を投げ捨てると近くに倒れたままになっている二人に声を掛けるが、反応は無い 先程の激痛と言い、魔物の戦闘と言い、彼らの中にある疲労感は凄まじいものだったのだろう 地面に落下した時に気絶にも似た感じで意識が無くなってしまっていたのだから。
やれやれ…と言わんばかりに一息つくと、この場に放っておくことも出来ないので(かなり)重たそうに二人を抱えると自身の家へと連れて行ってくれた。 流石に年齢的にも無理があったらしく、ベッドに運んで出来るだけの治療を施した後は別室で休んでいた。 纏っていたローブを適当に脱ぎ捨てて椅子に深く座った。
「私ももう歳だな…やれやれ…しかしアイツらの手にあった痣…似ている…」
今は静かに寝ている彼らの治療を行った際に見つけた蛇の模様が模られた痣に思い当たる節があるらしく、近くに置いてあった電話を手に取ってある人物へと連絡を取った。
吊り上げられた彼らの手に小さな二匹の青い蝶が止まったかと思うと激しい激痛が襲う。蝶が止まった手の甲には杖に絡みつく蛇の模様が模られた。
絶叫する彼らの事等気にも留めず、そのままトレイタの頭の上へ乗せようとした時に、銀色の長い刀身がトレイタに向けて投げつけられ、深々と左目に突き刺さる。酷く暴れまわるトレイタに驚き、術の効力が消えたので彼らは地面に叩きつけられたが、寸前の所で助かった。 霞む視界で見えたのはさっきの茶色いローブを着た女性の姿だった。
『トレイタ!…ああ目が……あなただぁれ?』
「“元”退魔師の行商人とでも紹介してやろう …!?その痣をコイツ等にもつけたと言う事か 帰りが遅いから見に来てやったが…やはり貴様が来ていたとな」
『退魔師?…マリーは玩具とあそぶ…せっかく印付けたの…だからっ』
「御託は良い!戻るか…今ここで散るか選ばせやろう…幾分か老い、二人ほど足りないとは言え貴様らの相手に支障は無い」
キッと睨みつける彼女の眼光にビクッと身を震わせるとトレイタの目から剣を引き抜くと、逃げる様にしてあの魔法陣の中にへと消え去って行った。 地面に落ちた剣を拾い上げ、手袋が汚れる事も構わずに赤くなっている剣先を拭い、その手袋を投げ捨てると近くに倒れたままになっている二人に声を掛けるが、反応は無い 先程の激痛と言い、魔物の戦闘と言い、彼らの中にある疲労感は凄まじいものだったのだろう 地面に落下した時に気絶にも似た感じで意識が無くなってしまっていたのだから。
やれやれ…と言わんばかりに一息つくと、この場に放っておくことも出来ないので(かなり)重たそうに二人を抱えると自身の家へと連れて行ってくれた。 流石に年齢的にも無理があったらしく、ベッドに運んで出来るだけの治療を施した後は別室で休んでいた。 纏っていたローブを適当に脱ぎ捨てて椅子に深く座った。
「私ももう歳だな…やれやれ…しかしアイツらの手にあった痣…似ている…」
今は静かに寝ている彼らの治療を行った際に見つけた蛇の模様が模られた痣に思い当たる節があるらしく、近くに置いてあった電話を手に取ってある人物へと連絡を取った。