King
your name
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オレはカイドウさんにこっそり目を向ければカイドウさんは大笑いして彼女に話しかけた。
「ウォロロロ!お前、ナナシと言ったか?行く宛てがねェならここに居ればいい!」
『私を殺さないんですか?!』
「殺す?誰がそんな事⋯そうだ、キング!!お前ナナシを鍛えてやれ」
「な、何故オレが⋯!?」
「お前が拾って来たんだ、ちゃんと面倒見てやれよ?ウォロロロ!!」
こうしてオレに火の粉が降り注ぐ事になり
ナナシを見れば『ふぅ⋯助かった⋯』とビクビクしながらも胸を撫で下ろしていてオレは頭を抱えた。
それからナナシを鍛えるべく特訓を開始するも
プレジャーズ並しかない戦闘能力が何故か分かった。
「オレに思いっ切り攻撃してみろ」
『え?そ、そんな⋯嫌ですよ⋯怪我とかしちゃったらどうするんですか!!』
珍しい悪魔の実を食べた割りに臆病で優し過ぎる性格で自分が怪我を負う事も負わせる事も嫌う性分だった
「オレが怪我を⋯?ふん、笑わせるな。お前はオレに傷一つ付けられやしない。来ないならこっちから行くぞ」
オレはナナシを殺す気で攻撃を繰り出せば
逃げ惑って居たナナシはどんどん体力を消耗させ簡単に壁際へと追いやられた。
「死にたくなければ抵抗してみろ」
そう伝えオレが刀を振り下ろしたその時⋯⋯───
朱雀の姿をしたナナシが翼をはためかせた瞬間
防風を巻き起こし小さな竜巻がオレを遅い追い詰めていたナナシとの間がぐんと開いた。
『ご、ごめんなさい!!』
「謝る事はない⋯ボーッとするな。まだ戦いは終わってないぞ」
二度も同じ技を食らう訳がないオレに次はどんな手を使って来るのかと考えているとまたしてもあっという間追い込まれたナナシ。
だがそんなナナシからルナーリア族であるオレも驚く様な高温の炎を申し訳ない程度だが吐き出した。
「⋯⋯今日はここまでだ」
正直驚くオレだったがオレの隣で自分の力を知り誰よりも驚くナナシにまたも呆れるが素直に今感じた事を口にした
「お前は強い。自信を持て」
『初めて褒められた⋯⋯!!で、でも⋯誰かを傷つけるなんてそんな⋯⋯』
渋る彼女にオレは自身がルナーリア族だという事を
明かしその一族がどんな目に会って来たかを教えた
「自分の身は自分で守らなければならない⋯特にお前の様な幻獣種の実を喰らえばその力欲しさに命を狙いに来る輩が増えるだろう⋯オレだっていつも側に居てやれる保証は出来ないからな」
黙ってオレの話を聞いていたナナシは翌日から
弱音を吐く事はしなくなり自ら率先して鍛錬する様になっていった。
「おい、新入り!お前最近頑張ってるなァ!!」
いつもの鍛錬の為先を歩くオレの後方からそんな言葉が聞こえナナシも手を振りながら言葉を返す
『ハムレットさん!へへ、私もいつまでもお荷物じゃ居られないんで⋯頑張って皆さんみたいに強くなりますからねー!!』
大きな声で手を振る無邪気なナナシ。
そんな歳が十歳程も離れた彼女を不覚にも愛らしいと思ってしまった⋯