Hawkins
your name
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「すぐに帰ろうとするもんだから、せめて船長が目を覚ますまでと引き止めていました。こっちです」
仲間に案内され向かったのは浜辺
「こんな所で何を⋯?」
そう思っていると仲間が声をかけた。
「ナナシさん、船長が目覚めました」
『本当?!それは良かった!それに貝も沢山!!これを夕食の足しにして?』
声をかけて暫くすると海の中から女が現れたが
その女には足ではなく代わりに生えていたのは鰭であった。
「お前は⋯!?」
「いや、オレも見た時は驚きましたよ⋯なんたって人魚を見たのは魚人島以来だったもんで」
目の前に居る人魚は黒く長い髪をパールの貝殻で出来た髪留めで纏め鮮やかな唐紅の瞳を持ち黒い半身に赤橙の尾鰭を持っていた
「助けて貰った様だな⋯世話になった」
『いえ、お気になさらず⋯』
仲間は彼女から貝を受け取ると夕食を作る為さっきの拠点へと戻って行った
「鮮やかな色合いだな⋯何の人魚だ?」
『ありがとうございます⋯//私はレッドテールブラックシャークの人魚なんです』
「そうか⋯名前は?」
『ナナシと言います』
彼女の名前を聞き出すとそして仲間が温かいスープを持って来た。
「ホーキンス船長、体を温める為にもこれを⋯それにナナシさんも一緒にどうぞ」
オレと彼女はそれを受け取り一口啜れば冷えた体の中がじわりと温かくなっていく
『わぁ!とっても美味しい!』
オレ達はスープを飲みどちらとも話さず静寂の間が続いていたが、気まづくなったのか彼女が口を開く
『ホーキンスさんはどこから来たんですか?』
「
すると彼女は今まで通って来た島の話をして欲しいと目を輝かせる
そして一頻りオレ達の通って来た航路の話をすると
『いいなぁ⋯私も行ってみたい⋯あと一年我慢すれば私も陸で土や森が見れるかな?』と話す彼女にオレはどういう意味かと尋ねる
『人魚は歳が三十の頃になるとこの鰭が二つに分かれ地上で生活が出来る様になるんですよ?』
「知らなかった⋯そうなのか。」
まだ見ぬ大地に思いを馳せる彼女の表情は月明かりに照らされたのを見てオレは率直に儚くて綺麗だと思った。
そして、そんな話しで盛り上がり夜も更けて来た頃
ナナシは『皆の元へ戻った方がいいのでは?』と提案する
「何故だ。オレはまだお前と居たい」
そう言うと彼女はまたしても頬を染めるのだった
そんな二人をこっそり見守る仲間達はホーキンスの体が冷えては⋯と思い呼びに来たつもりだったがその言葉を聞きこっそりと戻って行ったのを二人は気づく事なく話を続けた⋯