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オレは百獣海賊団の幹部飛び六胞の内の一人
若くしてこの座に着いたのはそれはもう一苦労だった⋯
実力主義のこの海賊団で上に登りつめるには険しい道のりで任された任務を熟す為ならどんな手段も選ばない
「ぺーたん!どこに行くでありんすか?!」
いつも一緒に居る姉貴
これがまた厄介でオレは心が休まる暇がない
かと言ってもたった一人の家族である姉貴はオレにとっては大切な存在だ
「ちょっと散歩だ」
後を追って来る姉貴を撒いて辿り着いたのは
花の都の外れにあるおこぼれ町に近い地区
ここには寂れた遊郭がひっそりと並んでいる
金が惜しい訳ではないが花の都で女を買えば
噂はどこから流れるか分からねェからわざわざこんな所まで来る訳で⋯
オレも男でまだ若い血気盛んな年頃だ
欲のままに発散したい時は殺しても差支えの無さそうな女を選ぶのにこの寂れた軒先が丁度良かった
「旦那!あんた見たところまだ若ェ様だが金はあんのかい?」
適当に目に付いた店に入れば楼主にそう聞かれたので
オレは女を買っても釣りが来るような大金をドンっと置く
「!?これはこれは!大変失礼しやしたね!詫びと言っちゃあ何だが今日突き出したばかりの振袖新造が居てな!その子を付けるからゆっくり遊んでいきな!」
そう言われ部屋へと通されたオレはきっと女を殺してしまうだろうと漠然と考えていた
『おいでなんし、旦那様』
震える様な透き通った声がし振り向けば大層着飾った女が部屋の襖を引き入って来た
「お前名前は?」
オレはこれから殺す女の名を聞く等どうかしていると思いつつもつい出た言葉を引っ込めもぜず女を見た
『ナナシでありんす』
姉貴と同じ語尾だが優雅さというか落ち着きがあるというか⋯聞き慣れた言葉だが全然違うものに聞こえた
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