Cracker
your name
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そんなナナシに「そうだな」と笑って返し続けて
「お前にはそんな浮いた話はないのか?」と聞いてみた。
『万国生まれではないので⋯それに故郷にもそんな人は居ませんでしたから』
そうして少し寂しそうにした後、ナナシのインディゴの瞳はオレを映す
『クラッカー様は?クラッカー様はお強くとても男らしい方ですから浮いた話の一つや二つあるのでは?』
「オレは今までそんなもんには興味がなかった」
すると"今まで"というワードが少し引っかかったのだろうナナシから『今は興味が?』と聞きかれオレは思っていた事を素直に話した
「今なら少しはある。一緒にメシ食って何でもねェ話をしてたまには城でゆっくりするのも悪くねェ」
『クラッカー様程の男性がそんな風に思ってらっしゃるなんて⋯お相手の方は素敵な女性なんですね、羨ましいです』
コップの中のお茶を見ながら呟くナナシ
そしてそんなナナシを見てオレは更に話を続けた
「ちょっと抜けてやがるが面白くて気が利く奴でな、礼儀正しくいざという時は肝が座っていて⋯」
そう言いながら彼女の顔を横目で見るもオレの気持ちに気付かない様で相槌を打ちながら聞いているナナシ。
「キャンドルを作っている時の真剣な顔とふにゃふにゃと笑った時のギャップに惚れたんだ⋯お前はどうだ?」
ここまで話すとやっと自分の事だと気がついた様でナナシは頬を真っ赤に染め驚いた様に目と口が大きく開いて何ともマヌケな顔をしていたのでつい笑いが出た
『それってまさか⋯//』
「やっと気づいたかァ?」
呆れた様に笑ったオレはナナシの腰に手を回しぐっと身体を引き寄せ鼻先を合わせて言った──────
「なァ、ナナシ⋯次はお前の気持ちを聞かせてくれよ?」
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