Cracker
your name
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「お前はナナシっつーのか?」
『はい⋯その、私はどうなるんでしょうか?⋯』
「お前はオレの城で使用人として働いてもらう」
荷物を纏めさせ船に戻る道中、不安げに眉を下げたナナシにそう伝えた
『使用人⋯』
「分かってると思うが⋯お前が逃げ出せば島は地図から消える」
そう言えば顔を青くして『頑張ります⋯』と怯えながらオレの後ろを着いて来る
そして万国へ向かっている途中、面白い事が起こった
部下にナナシを呼んで来いと告げれば暫くして現れた彼女。
オレはビスケットの鎧を食いながら「これに着替えて茶を用意しろ」と使用人の制服渡すと何故かナナシは血相を変え近くにあったビスケットの角材を振り回し始めた。
『クラッカー様を⋯人を食べるなんて!!なんて野蛮な人っちゃ?!皆さん、敵だ!!敵っちゃ!クラッカー様が⋯!!』
「⋯⋯フフ、フハハハ!!」
呆気に取られていたオレだがナナシの方言丸出しの訛りも盛大な勘違いにも大笑いしているとただならぬ声を聞きつけた船員もその光景を見て腹を抱えた
「オレがクラッカー本体だ」
『え⋯?』
戸惑っている彼女は部下達からも「あれは鎧だ」と聞かされ勘違いだと気づき余程恥ずかしかったのだろう顔を真っ赤にする
『〜っ!//』
そんなナナシにこれは傑作だと笑い「お前面白いな!やっぱり連れて来て良かった」と言えば『お、お茶を淹れて参りますっ!』と部屋を出て行った。
そんな中、万国ビスケット島の港に着きクッキータウンを抜け城を目指して歩き出す。
『わ、わぁ〜!都会だ⋯!!』
独り言のように呟き辺りをキョロキョロ見渡し上ばかり見て歩くナナシ
「おい、危ねェ⋯っ!?」
危ないと言いかけた側から盛大に転びオレは腕を伸ばし受け止めた
『ご、ごめんなさい!!』
そうして最初はあのド田舎の寒い村から出た事のないナナシは城の中で迷子になったりもしたが仕事に関しては何事にも一生懸命に働き休暇にはキャンドル作りをしたりして数ヶ月もすれば馴染んでいった