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煙草を吹かす姉貴の横でオレも食事を呼ばれ近くに居た村人に「こりゃ一体何の祭りだ?」と尋ねると年配の爺さんが説明してくれた
「この祭りは年に一度御先祖様や故人を弔うべく三日三晩絶やすことなく三千個のキャンドルを灯し続ける祭りだ。ほれ、あそこを見るっちゃ」
指差した先の村の中央の広場にはキャンドルと共に故人の写真や思い出の品を飾りつけていた
「ここでは十年前、この土地で流行した流行病と隣国との戦争により何とか医療の手を尽くしたが免疫の低い老人や子供達、兵士として戦った青年等はほぼ亡くなってしまったんちゃ。故にこの村ではこの通りジジイとババアしか残っとらんのだ⋯じゃが⋯──」
爺さんがその先を話そうとした途中、腹を満たしたママの笑い声が響き渡った
「ハーハハママママ!!どれも美味かったしこのキャンドルも気に入った!!⋯そうだ!!お前達!寒くて貧しいこの村じゃ生活するのも大変だろ?皆まとめてオレの島"万国"に移住すれば良い!!」
全てを食べ尽くし満たされたママはこの親切な村人とキャンドルが気に入った様で村人全員を万国へ移住させると言い出した
だがその提案に村の奴らは「生まれ育った村を離れるのも伝統のキャンドル作りを絶やす訳には⋯」と言葉を濁す。
そしてその様子を黙って聞いていた姉貴は剣を抜いた
「うちは来る者拒まず去る者殺すが流儀だ」
飯は美味かったが姉貴の言う事も一理ある。
仁義はかいちゃならねェとママに教えられたが断るなら仕方ねェ⋯
オレも立ち上がり剣を抜いたその時⋯
『私一人で勘弁していただけませんか!』
どこからとも無く聞こえた大きな声に目を向ければ姉貴の前で土下座をするこの村で見る初めての若い女
「お前一人の命でどうこうなる問題じゃない」
そう言って剣を振りかざした姉貴をオレは何故か制止した
「おい、お前。大した度胸じゃねェか、気に入ったぜ」
この島の雪のように真っ白な肌とアリスブルーの髪にそう声をかければインディゴの深い青色をした瞳と目が合った
「ナナシ!無茶をするなっちゃ!!」
さっきの老人がそう言いながら女の肩を抱きオレは何となくこの村で若い奴はコイツしか居ないんだろうと悟った
その後、オレはママを説得しナナシと呼ばれた女だけを万国へ連れ帰る事にした。