Katakuri
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ここはトットランドの中にあるコムギ島
この島を治める大臣カタクリには贔屓にしているドーナツ屋がある
その店は夫婦で経営を営み素朴な甘みでしっとりとした生地から作られるドーナツは何個でも食べれると評判で島の中心から少し離れた隠れ家の様なドーナツ屋だ
「いらっしゃい!お!カタクリさんじゃねーか!」
「あら本当!大臣様はしばらく留守とお聞きしていましたが帰還なされたのですね、お疲れ様です」
気の良い亭主と控えめで奥床しさを感じる奥方
「···娘がいるようだな···」
「「え?」」
「ちょっと!お父さん!私が作ったドーナツ勝手に食べたでしょ!?」
カタクリが呟いて数秒、二人の子であろう娘が階段を駆け下りて来た
「悪い悪い!だがここの跡取りとしての評価をするならまだまだだ!もっと練習しないとこの店は継げないぞ〜?ワハハっ!」
『お父さんのバカ!あれはお店を継ぐ練習で作ったわんじゃないの!もう···せっかくカヌレ君に渡そうと思ったのに······』
「何ィ?!ナナシ!待ちなさいっ、カヌレ君だと?!誰だそれは!父さんは許さんぞ!!」
「もう!二人とも止めて下さい!大臣様が折角いらっしゃってくれて居るというのに···」
ごめんなさいと謝る未来が見えていたカタクリは
「いや、いいんだ。それよりもドーナツを30個ほど貰えるか?」と言った
『お父さんの許しなんていらないもんね!もう!』
娘は怒って店の扉を開けて走り去って行った
「カタクリさん、すまねぇな。うちの娘が騒がしくって!」
「いや···元気があっていい。うちの妹達もあれくらいの歳でな···どこも一緒だろう」
「ワハハ!違いねェ!···一人娘だからな···大事なんだ。何よりも···」
「大臣様!ドーナツ30個ご用意出来ましたよ」
娘を思う父を見てカタクリは自分が妹や弟に抱く感情と似ていると思っていると袋に大量に入ったドーナツが出て来たので店を後にする
まるで自分の妹のような娘の顔を思い出し城へ帰る途中、何人かの若い男達とすれ違った
「なァ!ナンパでもして暇潰そうぜェ」
「お!いいな!そういやカヌレ!お前こないだ口説いてた女の子名前は···忘れたな、あの子どうなったんだよ?」
「え?誰のこと?(笑)」
「クソっ、これだから顔の良い奴は!」
「ほら!あのドーナツ屋のあの子!」
男の名前とドーナツ屋の娘の話しで彼らとすれ違う前から娘の言っていた男だと分かった
「あ〜。ナナシだったかなぁ···?何か1回ヤってまぁまぁだったからもう会わねェよ···なんだ?欲しいなら行って来いよ(笑)あいつドーナツ作って来るってしつこくて困ってたんだよ」
自分の妹ならアイツの首は今頃無くなってるだろうと思いながら城へ戻る
そして
「寝転んで食うドーナツ!禁断!背徳!」
彼は幼少期にドーナツを頬張りすぎて口が裂けてしまった。
そのせいで友達は疎か気味悪がられ近づいて来る者もいなくなった
しかし彼はそんな事は気にもとめず
「これがおれだ!笑う奴はぶっ飛ばす!」と開けっぴろげな性格で怒ったり孤独を感じたりする事があっても気にする素振りは見せなかった
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