Crocodile
your name
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『私が⋯私が食べたのはボロボロの実⋯この手で触れたものはその名の通り全部壊れてしまうのです⋯』
「こりゃ面白ェ⋯!!おい、ダズ。町に降りてこの海楼石の錠の鍵を取って来い」
そう言ってダズは塔を出て部屋の中で二人になる。
すると気まづいと言わんばかりに目を泳がせる女にオレは葉巻に火を付ける
「お前、名前は?」
『ナナシです⋯』
「その実はどうやって手に入れた?」
『二年程前の事です⋯森で花を摘んでいると木にとても美味しそうな実がなっていて⋯思わず⋯』
「美味そうって⋯⋯お前大丈夫か?」
悪魔の実は怪しげな色に毒々しい柄と決まっていてとてもじゃねェが美味そう等という発想にはならねェはずだ
そしてダズが来るまでの間、女の話を聞いていると色んな事が分かった。
女の歳は26、父を病で無くし母は彼女が触れて壊れてしまいその日から人々に恐れられこの塔に監禁されたらしい⋯
『クロコダイルさん⋯私、こんなに沢山話したのは久しぶりです!誰かと居るというのはこんなにも⋯っ
、温かい気持ちになるものですねっ//』
そう言い泣きながら笑う不思議な女⋯いやナナシに心を奪われた。
「オレと一緒に来るならお前をここから出してやる。その手で何でも触れられる様にしてやる事も出来るだろう⋯どうする?」
その問いかけにナナシの瞳に光が差した
『そんな事が出来るのですか?だけど私は⋯名ばかりの王女で何も持って居ないんです⋯だからお礼をする事も出来ません⋯』
申し訳なさそうに目を伏せるナナシ
「クハハハハ、見返りをくれると言うなら⋯」
そう言いナナシの顎をフックになった左腕で持ち上げ唇にキスをした
すると彼女は驚きその杜若色の目にオレを映した
「クハハ!いい面だなァ」
そう笑ったその時鍵を持ったダズが塔へと帰って来た
そしてナナシの錠を外し三人で海へと出た⋯⋯
その後、オレは新世界でワノ国に次ぐ程の海楼石の加工を得意とする島に立ち寄りある物を買った。
『これは⋯?』
オレは微量の海楼石を含む手袋を作らせ彼女に贈り手袋について説明した
「それを着けて好きな物に触れて試してみろ」
するとナナシは『本当に大丈夫なのでしょうか?』
と言いながらも手袋を着けると分かったのだろう⋯
少し力が抜ける感覚がしたのか一瞬ふらつきながらも
立ち上がりオレの顔を見る
そんな彼女に「信用出来ないか?」と笑えば予想外の事が起きる
彼女はオレの目の前に立ち、少し背伸びして真っ白な手袋をしたその両手でオレの頬に触れる⋯
「?!」
『へへ、クロコダイルさんが好きな物に触れてみろって言ったんじゃないですか⋯ずっと貴方に触れたかった⋯//』
頬を染めてそう言ったナナシをオレは力強く抱き締めた⋯───
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