Reiju
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目の前に出されたシチューは何とも毒々しい色味で
野菜を一口、口に入れるとまだ火の通りきってない
生のガジッとした食感がしたが彼の目があまりにも
キラキラしているものだから必死に噛んで飲み込み
唇を軽く触り『美味しいね!』と笑って見せた。
そしてそのシチューを全部平らげ私は何とか地下牢から出るもそこから記憶が無い。
「食あたりだって⋯何食べたの?」
目を覚ますと私の顔を心配そうに覗き込むレイジュが居た。
『あ、ハハ!外に美味しそうな果物みたいな実がなってて⋯つい食べちゃった』
「ふーん」
唇に触れ嘘がバレてないかドキドキするもレイジュは流してくれホッとした。
それから数ヶ月、私はサンジ様の元に食事を運び続けたがある日突然ジャッチ様に呼ばれ信じ難い事を告げられた⋯⋯────
「ナナシ、サンジは出て行った。だからもうあそこに食事を運ぶ事はしなくていい⋯その代わり正式にレイジュの侍女となり身の回りの世話を頼みたい」
こうして私はレイジュの侍女となりほぼ一日中、同じ時を過ごす様になった
『サンジ様、どうやってあの牢屋から出たのかな?』
「さぁね、だけどこれで良かったのよ」
その言葉と表情に私はきっとレイジュがあの暗くて寂しい地下牢からサンジ様を逃がしたんだと確信した。
そしてあの日から十数年が経った今⋯
私の手には数枚の手配書がありそれを見て驚いた
『この似顔絵の手配書⋯絶対サンジ様だ!!』
誰にも見られない様にこっそりとその手配書を確認すると特徴的な眉毛に同じ名前でやっぱりそうだと確信する
「ナナシ、何を見ているの?」
『い、いや!何でもないよ』
「嘘ばっかり⋯ナナシは嘘をつくのが苦手だからすぐに分かるわ⋯だって嘘をつく時必ず唇を触るんだもん」