Kinemon
your name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
すると御手洗の前でお鶴と鉢合わせたナナシ
『お鶴さん⋯こないだは宜しくお願い致しますなんて出過ぎた真似をしてしまい本当に申し訳ありませんでした』
深々と頭を下げ謝るナナシにお鶴は
「いいのよ⋯気にしないで?⋯私、しっかり錦さんに幸せにしてもらうわ」
照れながら笑ったお鶴にナナシは顔を上げ笑った
『はい!』
こうして九里の大名として活躍していたおでんだったがワノ国に白ひげ海賊団が現れる
元々窮屈だと嘆いていたおでんは白ひげを慕い自分も海へ連れて行って欲しいと毎日の様に懇願した
そして白ひげ海賊団が滞在して二週間⋯
深夜こっそりと出港しようとしたモビーディック号を
追いかけるおでんとその後を追うイゾウ⋯
こうしておでんの旅が始まりワノ国はガラリと変わっていく
「スキヤキ様!」
「スキヤキ様〜!!」
おでん様がワノ国を留守の間おでん様の父である
将軍スキヤキ様が亡くなられおでん様帰還までの間
オロチが臨時で将軍の座につくことになった
そして百獣海賊団と手を組み逆らった大名家は潰されこれまでの生活は一変してワノ国に雲がかかっていく⋯
それから妻子を成したおでん様が一時帰還し
トキやモモの助、日和の世話を侍女として懸命に尽くしたが⋯⋯
おでんは釜茹での刑を耐え抜くも処刑され
残された赤鞘九人男は城へと戻るもそこは既に火の海
残されたおでん様の家族の元へようやく辿り着き
亡きおでんの意思を守る為、モモの助様、錦えもん様、カン十郎様、雷ゾウ様、菊の丞様の五人は20年後の未来へとトキ様のお力により飛ばされた
「働けそうな奴は連れて行け!男は労働!女は使用人だ!」
ナナシは必死に身を隠すも見つかるのも時間の問題だという事が分かり覚悟を決めたナナシはそこらにあった紙に筆を取り雑に書き残した
【敵の侍女となり20年の時を待つ ナナシ】
こうして一夜にして何もかもが変わり果てたワノ国
そして焼けたおでん城の跡地で所々燃えているもナナシの書き置きを見つけたお鶴
空腹や寂しさ⋯様々な想いをいくつも乗り越え20年⋯
おこぼれ町にある日新入りの長身美女が現れた
「おーい!お鶴さん、この美人は誰だい?!」
「あぁ!おこぼれ町に来たばかりの新入りさ!」
「お菊と言います」
菊の丞はお菊と名を隠し来る決戦の日に向け
このワノ国の情勢を探り錦えもんの妻であるお鶴を守る為茶屋で働き始めたがお鶴は一人気づいていた⋯
「お鶴さんも新たらし旦那を貰えばいいのに」
「お鶴さん程の器量ならいくらでも貰い手はあるだろう?」
お菊は町の人とお鶴が仲良さげに話しているのをたまたま耳にしてしまった
「昔ね、おでん城で侍女として仕えたナナシちゃんって子が居るんだけど、あの子ったら20年経った今でも錦さんを信じあの鬼ヶ島で一人戦ってるんだよ⋯妻である私が錦さんを疑うことなんて出来やしないさ」
「ナナシさんが⋯?!」
菊の髪を結い着物の着付け方を習い食事の作り方や生活に役に立つ知恵を教わったりとその名は菊にとっても馴染み深い人の名前だった