Kinemon
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そしてあれから四年が経った頃
錦えもんは26歳となり誰もが見違える立派な侍となった
「「「まるで将軍行列⋯⋯⋯」」」
九里の大名一行も滞りなく終え皆がおでん城で宴をしていた時の事⋯
「錦ちゃん!」
「お鶴!」
「お鶴さんどうしたんだい?」
傳ジローがお鶴にそう尋ねればお鶴は錦えもんに
大名一行の時に花の都へ行く途中城に来て欲しいと頼まれていた様だった
酒を飲んで上機嫌な錦えもんは勢いよく立ち上がった
「お鶴!拙者と生涯を共にして欲しい!」
「「「「えー?!」」」」
料理を運んでいたナナシも突然の出来事に動きが止まる
「何言ってんのさ!?」
驚いたのはお鶴も同じだった
「酒に酔って言っている訳ではない!拙者はずっと昔から⋯!!」
バタンと音がしてお鶴の言葉を待っていた一同が振り向けば飲み過ぎて倒れた錦えもん
「錦!?わはははは!これじゃあ格好もつかんな!」
「錦さんらしいや!」
「「「ハハハハハ!」」」
錦えもんが酔い潰れ起きない為お鶴は仕方なくおでん城を後にする事になり城の出口で慌ただしく料理や酒を持つナナシとすれ違った
「ナナシちゃん、ちょっといいかい?」
『お鶴さん!』
「私がやっとくから行って来なよ」
後ろに居た違う侍女が気を使いナナシはお鶴と城の外へと出た
『お鶴さん⋯?』
「アンタ⋯錦さんの事好きなんだろ?」
『え⋯⋯?』
「初めて茶屋に来た時から気づいてたよ」
誰にも言わず恋心を秘めていたが
一人ナナシの気持ちに気づいていたお鶴だった
『私は私の好きな方が好きな方と一緒になられる方が幸せです⋯私の様な者が何を言おうと錦さまは困るだけでお鶴さんへのお気持ちは変わりませんから⋯それにそんな錦様ですから惹かれたのです』
「だけど」
『錦様を宜しくお願い致します』
深々と泣きそうな声で⋯だが腹を括ったしっかりとした意思でそう言ったナナシにお鶴は何も言えなかった
そして次の週⋯
よく晴れた青空の下錦えもんとお鶴は結婚式を挙げた
その後城へ戻り盛大な披露宴が行われ先日の大名一行と同じ様におでん城は賑やかだった
『錦様!飲み過ぎはいけませんよ!』
「ナナシ!良いではないか!今日はめでたい日故⋯『この間もそう言って酔い潰れたではありませんか!全く⋯⋯今日はお鶴さんの為にもしっかりなさらねば!』
持って来た酒に手を伸ばす錦えもんはもう既に酔いが回っている
ナナシは酒に手を伸ばす錦えもんの手を軽く叩き次の料理を運ぶ為宴会の場を去った