Kinemon
your name
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「おでん様ー!お待ち下されー!」
「おでん様!その様な事はこの錦えもんがやります故!!」
「おでん様ァア!!」
追いかけたり困ったり怒ったり
とても慌ただしい錦えもん様が私は⋯⋯──
おでん城でナナシが侍女として仕え出してから
錦えもんはナナシを気にかけた
「ナナシ!初めて会った時とは見違えるな!」
「ナナシ!重そうな荷物だな!どれ、ワシが持ってやろう!」
「ナナシ!これは花の都で最近若者の間で流行っている茶菓子だそうだ!休憩の際皆で食べるがよい!」
「ナナシ」
ナナシを助けた錦えもんはまるで妹のようにして
ナナシを可愛がった
「今日は拙者が特別に茶屋に連れて行ってやろう!」
そう言って着いて来たのは花の都近郊の山道にある茶屋だった
「お鶴ー!居るのであろう?」
「錦ちゃんかい?」
鈴のような声がして店から出て来た美しい人
彼女はお鶴といった
「今日は侍女を連れて参った!たんと食わせてやってくれ!」
「はいよ!それにしても錦ちゃん⋯見違えたわね?」
「ハハハ!まだまだ!おでん様の家臣として立派になる為身なりや武術を磨かねば!」
お鶴さんに褒められて顔を破綻させる錦えもんを見て
ナナシは気づいてしまった⋯
「ナナシちゃん、おかわりは?」
『お願いします!』
「お主よく食うな!」
『錦様が奢ってくれるって言うから!』
「そんな事より⋯!いい女であったろ?お鶴は!」
『⋯えぇ!とっても!気さくで優しくて⋯モテるんだろうなー!』
「お、お鶴は拙者とガキの頃からの⋯!ダメだ!お鶴は⋯お鶴は!」
『分かりましたから落ち着いて!⋯冗談ですよ⋯きっとお鶴さんも錦様と同じお気持ちだと思います』
ナナシは錦えもんの気持ちに気づき報われぬ恋の八つ当たりとして少し意地悪を言ったつもりだったが狼狽える錦えもんにこれ以上は酷だと思い見て感じたままの事を言った
「そうか?!ナナシ!お主はやはり見る目があるでござるな!」
上機嫌で足取りが軽くなった錦えもんを追いナナシは自らの気持ちを深くしまいこんだ