Paulie
your name
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災難とは続くものだ⋯
もはや受け入れたくない現実に私はどこか今起きている状況を他人事の様に思っていた。
退勤ラッシュとアクアラグナの影響で混雑する街中を
フラフラと歩いていると傘をさした人からは好奇の目
で晒される。
その時誰かとぶつかり次の瞬間、肩に背負っていたバックの重みを感じられなくなった
『(⋯ひったくりか⋯)』
傘を差し小雨が降るこんな時はきっとひったりくり犯にとっては良い条件なのだろう。
あのバックには彼との写真が入った海列車の定期や収入の少ない彼が一生懸命貯めてプレゼントしてくれた財布等思い出ばかりが詰まっている
『どうせ⋯全部要らないんだからもういいや⋯』
一瞬立ち止まるもヤケになった私はまた何事も無かった様に歩き出す
「お前、何でそんな暗い顔してんだよ?」
俯き歩く私に誰かが声を掛け私は悲しさや虚しさから見ず知らずの人に事情を話す
『彼に振られた。船大工になるのが夢で下積み時代からずっと支えて来たのに⋯就職した途端これなの⋯ハハ、悲しさやら怒りやらで涙も出ないや』
そう言うと目の前の人の手には私のバックがあり
あぁ、この人がひったくり犯なのか。と私は悟った
『これも差し上げます。記念日の時に買った腕時計⋯彼とお揃いなんです。私の給料じゃこれが限界だったから売っても高値にはならないと思いますが⋯』
そそくさと腕時計を外し渡そうと顔を上げて私は驚いた
『貴方⋯パウリーさん?!』
すると目の前の彼はバツが悪そうに頭を搔きながら私の頭上に傘を差してくれた