Marco
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『いきなり倒れちゃってごめんなさい⋯人なんて滅多に来ない森で海賊と聞いて驚いちゃって』
スープのせいか彼女の警戒心はその温かさに解れていきオレは彼女の名前を知った。
「あの猿はナナシのペットか?よくあんな凶暴な猿手懐けてんな」
『いえ、ペットだなんてそんな⋯あの子達は私の家族なんです』
そう言ってあの猿の事を話す彼女。
どうやらあの猿はヒューマンジーという猿らしく
シッケアール王国のヒューマンドリルと同じ種の動物でヒューマンジーの方が小型だがその分動きが早く手先が器用で細かい仕事が出来き、知能や感情も人間に近いんだと教えてくれた。
『マルコさんはどうして森に居たの?』
オレは彼女に親父の事を説明し医療用品や道具を調達しに来た趣旨を伝えると彼女の口から思いもよらない提案を受ける事となる
『医療用品⋯⋯あの⋯私何だか助けてもらった上にこんな美味しいスープまでご馳走になっちゃって⋯良ければ家にある物で使えそうな物があれば差し上げますよ?』
「本当か?!」
オレは彼女の家へ行く前に親父にだけでも報告して行こうと思ったが流石に夜も更けていた為眠っていた。
「おい、ビスタ!」
不寝番をしていたビスタに声をかけ彼女の家まで医療用品を取りに行く事を伝える
「起きたのかい?お嬢さん⋯気を取り戻して良かった。ウチのマルコが世話になったみたいで⋯あァ、分かった。何か聞かれたらそう伝えておこう」
ナナシに紳士な挨拶を交わすビスタに見送られオレはまた
あの猿がいるのでは?と警戒しつつも彼女の背中を追う
『着きましたよ、マルコさん!ここが家です!』
そう言って見たのは家というより小屋だった。
「こんなとこに一人で住んでんのか?」
この森に彼女以外の人の気配が無い事からそう聞けば肯定が帰って来た。
『えぇ、だけど寂しくはありませんよ?さっきのヒューマンジーを始めここには沢山の動物達が居ますから』
『どうぞ』と促されオレが家に入るとそこには充分過ぎるほどの道具や薬、医学書などが揃っていて
「どうしてこんな物を?」と聞けば少し前までは医者になるのが夢だったと話す彼女の薄藤色の瞳は悲しそうに俯いた