まったくしょうがないやつらだ
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消太さんはいつも仕事が忙しい。それは分かってる。家にもよく持ち帰っているし、先生をしながらヒーローもなんてすごいと思っている。だけど、だけど少しくらいかまって欲しい時が私にだってある。できるだけ邪魔をしないように、仕事をしやすいようにしているつもりだ。だけど寂しいのも本音で。そこにいるのに触れられないとか、話せないとか。塵も積もればなんとやら、だ。それなら私だって、と子供じみた決意を胸に動き始めた。
いつもだったらコーヒーをいれたり何か夜食をなんて持っていったりして少しは快適に、なんて言うのは建前で彼の視線が私に向けばなんて思ってる。でも今日は違う。スマホを片手にテレビをつける。コーヒーを入れてソファに座る。それからためていたドラマを流し始めた。
どれくらい時間が経ったのだろう。ふと見たスマホには随分と経った時間が表示されていて。さて次は何を見ようかななんてリモコンを手に取る
「おい」
後ろから声をかけられた。珍しく彼から。ひとまず聞こえないふりをしてそのままチャンネルを変えていく。うん。あまりいいのはなさそう。動画でも見ようかななんて切り替える。
「おい茜」
さっきよりも近くで聞こえた声。それから首元に回される太い腕。耳元をくすぐる吐息。
「なんで無視するんだ」
「忙しかったから?」
「…………悪い」
「消太さんなにかしたの?」
「いや……その」
気まずそうな声とは裏腹に強く肩ごと抱き締められている。今日の仕事は終わったのかな。それともコーヒー?なんて考えを巡らせる。
「コーヒー入れて欲しくなった?」
「違うそれくらいできる」
「じゃあなに?」
「…………大の大人が言うもんじゃないが」
「うん」
「茜の声が聞こえないのが嫌だ」
「うん?」
私の声?いつもそんなに話しかけないようにしてるけど……なんて考えている間に消太さんが隣に座る。それからしっかりと抱き締められた。温かい体温に、ゆっくりとした鼓動に落ち着く。
「はぁ……お前の気持ちが分かったんだよ」
「……寂しかったってこと?」
「ああ」
「私の声が聞けなくて?仕事中なのに?」
「家にいるのに聞こえないのが嫌なんだよ」
まさか初日でこんな風に言われるなんて思っていなくて。消太さんの事だから1週間くらい気づかないかと思っていたのに。それから手を緩めた消太さんと視線が合う。
「いつも寂しい思いさせて悪い。だから今日の残り、寝るまで俺に構ってくれないか」
いつもあまり表情の変わらない消太さんがなんだかしょんぼりして見える。
「俺も仕事持ち帰らないようにするから」
「私だって、いつも寂しかったんだからね」
「ああよく分かった」
「でも邪魔したくないし」
「優しいな」
「そうじゃなくて……嫌われたくない」
少し俯いてそう呟くと再び太い腕に抱き締められた。それから聞こえる小さなため息。ああ、重かったのかもしれない。
「嫌うわけないだろ。どれだけ惚れてると思ってんだ」
そう言われて掬われる顎と絡む視線。
「何があっても離す気はない。だから家では俺に何してもいい」
「本当に?邪魔じゃない?」
「急な仕事とかあれば言うから。そうじゃないなら好きにしてくれ」
「やった。嬉しい」
そう笑いかけると唇に優しい感触が降ってきた。それから少し食まれてから離れていく。消太さんを見ると安心したような顔をして私に笑いかけた。
「そうか。なら今日は俺に構ってくれよな」
その日は珍しいことに寝ても離してくれなかったし起きた時も抱き締められていてなんだか幸せだった。
いつもだったらコーヒーをいれたり何か夜食をなんて持っていったりして少しは快適に、なんて言うのは建前で彼の視線が私に向けばなんて思ってる。でも今日は違う。スマホを片手にテレビをつける。コーヒーを入れてソファに座る。それからためていたドラマを流し始めた。
どれくらい時間が経ったのだろう。ふと見たスマホには随分と経った時間が表示されていて。さて次は何を見ようかななんてリモコンを手に取る
「おい」
後ろから声をかけられた。珍しく彼から。ひとまず聞こえないふりをしてそのままチャンネルを変えていく。うん。あまりいいのはなさそう。動画でも見ようかななんて切り替える。
「おい茜」
さっきよりも近くで聞こえた声。それから首元に回される太い腕。耳元をくすぐる吐息。
「なんで無視するんだ」
「忙しかったから?」
「…………悪い」
「消太さんなにかしたの?」
「いや……その」
気まずそうな声とは裏腹に強く肩ごと抱き締められている。今日の仕事は終わったのかな。それともコーヒー?なんて考えを巡らせる。
「コーヒー入れて欲しくなった?」
「違うそれくらいできる」
「じゃあなに?」
「…………大の大人が言うもんじゃないが」
「うん」
「茜の声が聞こえないのが嫌だ」
「うん?」
私の声?いつもそんなに話しかけないようにしてるけど……なんて考えている間に消太さんが隣に座る。それからしっかりと抱き締められた。温かい体温に、ゆっくりとした鼓動に落ち着く。
「はぁ……お前の気持ちが分かったんだよ」
「……寂しかったってこと?」
「ああ」
「私の声が聞けなくて?仕事中なのに?」
「家にいるのに聞こえないのが嫌なんだよ」
まさか初日でこんな風に言われるなんて思っていなくて。消太さんの事だから1週間くらい気づかないかと思っていたのに。それから手を緩めた消太さんと視線が合う。
「いつも寂しい思いさせて悪い。だから今日の残り、寝るまで俺に構ってくれないか」
いつもあまり表情の変わらない消太さんがなんだかしょんぼりして見える。
「俺も仕事持ち帰らないようにするから」
「私だって、いつも寂しかったんだからね」
「ああよく分かった」
「でも邪魔したくないし」
「優しいな」
「そうじゃなくて……嫌われたくない」
少し俯いてそう呟くと再び太い腕に抱き締められた。それから聞こえる小さなため息。ああ、重かったのかもしれない。
「嫌うわけないだろ。どれだけ惚れてると思ってんだ」
そう言われて掬われる顎と絡む視線。
「何があっても離す気はない。だから家では俺に何してもいい」
「本当に?邪魔じゃない?」
「急な仕事とかあれば言うから。そうじゃないなら好きにしてくれ」
「やった。嬉しい」
そう笑いかけると唇に優しい感触が降ってきた。それから少し食まれてから離れていく。消太さんを見ると安心したような顔をして私に笑いかけた。
「そうか。なら今日は俺に構ってくれよな」
その日は珍しいことに寝ても離してくれなかったし起きた時も抱き締められていてなんだか幸せだった。
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