爆豪勝己
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大好きな勝己は最近無茶ばかりする。それに、時々見たことがないような顔をするようになった。私が1番傍でプロヒーローとして活躍する勝己のサポートをして、彼女としても傍に居たはずなのに。
「ねぇ!そんなに無茶しないでっていつも言ってるじゃん!なんでそんな事するの!」
「…………くっそ」
「本当に心配なんだよ……」
言っても聞いてくれず私は下唇を噛むだけになってしまう。どうしたら無理をしなくなるんだろう。どうしたら私は彼を支えられるだろう。伸ばした右手は彼の服に届かない。最近ずっとこんな感じだ。だから少しでも傍にいようと彼の少し後ろを歩く。
「要請が入った。行ってくっからお前ら好きに帰ってろ」
「了解です。無線でサイドキックに連絡入れたので現場の近くの奴が行きます」
「……無理しないでね」
「おー」
やっぱり心配でついて行ってしまうけれど、邪魔にもなっていないはずだ。だって彼の隣は私のモノだから。ふとした時に私の知らない顔をする貴方が心配で仕方がない。だけど彼はいつも通り振る舞って今日もヒーロー活動をしている。みんなを守るヒーローだから前に進むしかない。そんな貴方が大好きだけど。不安が拭えない。
「ねぇ桜が綺麗に咲いてるよ?お花見にでも行かない?」
「…………」
休みの日は無心でトレーニングに勤しむ姿が何だか胸が痛くなる。昔からストイックで常に努力をしているような彼だけどこんな無理はしていなかった。なんだか顔色も悪いように見える。やめてと言ってもやめないしため息が出てしまう。まるで私がそこにいないみたい。何も無視しなくてもいいのに。集中したいんだろうけど。ようやく休憩する気になったのか何も言わずにキッチンに向かう彼の背中を追いかけた。その空いた片手を握ってみるけれど彼は何も反応しなかった。チラとも見てくれないその瞳を真正面から見つめてみる。やっぱりまた私の見たことがない顔をしていた。
遂にサイドキックから無理やり休みを取らされていた。トレーニングもしないで下さいって泣きそうな勢いで頼まれていた。後ろで私も休むようにずっと頷いていた。大きなため息と一緒にサイドキック達を見た。
「なんかあったら呼べや」
とだけ残して事務所を出た彼。どうやら折れたようでサイドキック達と良かった!なんて言い合う。それから私見とくね!と伝えて一緒に事務所を出た。家に帰るものだと思っていたのにその足はなんだか見慣れない場所に進んでいっていた。ある程度進んだところでなんとなくその場所を思い出す。
「何勝手に先逝っとんだアホが……!」
そこは墓地の一角で。勝己の目の前の墓石には私の名前。ああそうだ。私本当にいないんだ。
よくある殉職をしたのはついこの間。いつも通り勝己とヴィランに退治していた。でもヴィランと勝己の相性がすこぶる悪くて勝己が思うように動けていない。他のヒーローもどうやら応援に来たけど1番激化している私たちの元まで辿り着くのが難しいようで。こっちの事を完璧に調べ上げて計画を練っていたらしく本当に厳しい状況だった。何時間にも及ぶ戦闘の末、勝己の集中力が切れかけていて、少しずつ隙が見え始める。そんな勝己のサポートはもちろん私の役目。だけど私の集中力も切れかけていて。そんな一瞬をついてヴィランが勝己を殺そうと動いた。
「勝己!」
勝手に動いてしまった体は勝己を守ることしか考えていなくて。気づいた時には私の心臓が貫かれていた。その様子を見た勝己は目を見開いて何か叫んで視界から消えた。それから複数の声が聞こえて、もう覚えていない。
思い出したら勝己が見てくれないのも、手を握っても反応がないことも仕方がない。だって私はそこにいないから。大粒の涙を流して墓石を見つめる勝己の頬に触れる。この手はもう透けて涙を拭うことも出来ない。もう、私には何も出来ない。彼のことをこんなにも想っているのに。
「大好きだよ。愛してる。だから――」
彼にはもう聞こえないだろうけど、ありったけの愛を込めてそう口にした。貴方に顔を見られなくて良かったなんて初めて思った。こんなに泣いていたら心配しちゃうだろうから。
「幸せになってね」
空を見上げた勝己と視線が交わった気がした。
「ねぇ!そんなに無茶しないでっていつも言ってるじゃん!なんでそんな事するの!」
「…………くっそ」
「本当に心配なんだよ……」
言っても聞いてくれず私は下唇を噛むだけになってしまう。どうしたら無理をしなくなるんだろう。どうしたら私は彼を支えられるだろう。伸ばした右手は彼の服に届かない。最近ずっとこんな感じだ。だから少しでも傍にいようと彼の少し後ろを歩く。
「要請が入った。行ってくっからお前ら好きに帰ってろ」
「了解です。無線でサイドキックに連絡入れたので現場の近くの奴が行きます」
「……無理しないでね」
「おー」
やっぱり心配でついて行ってしまうけれど、邪魔にもなっていないはずだ。だって彼の隣は私のモノだから。ふとした時に私の知らない顔をする貴方が心配で仕方がない。だけど彼はいつも通り振る舞って今日もヒーロー活動をしている。みんなを守るヒーローだから前に進むしかない。そんな貴方が大好きだけど。不安が拭えない。
「ねぇ桜が綺麗に咲いてるよ?お花見にでも行かない?」
「…………」
休みの日は無心でトレーニングに勤しむ姿が何だか胸が痛くなる。昔からストイックで常に努力をしているような彼だけどこんな無理はしていなかった。なんだか顔色も悪いように見える。やめてと言ってもやめないしため息が出てしまう。まるで私がそこにいないみたい。何も無視しなくてもいいのに。集中したいんだろうけど。ようやく休憩する気になったのか何も言わずにキッチンに向かう彼の背中を追いかけた。その空いた片手を握ってみるけれど彼は何も反応しなかった。チラとも見てくれないその瞳を真正面から見つめてみる。やっぱりまた私の見たことがない顔をしていた。
遂にサイドキックから無理やり休みを取らされていた。トレーニングもしないで下さいって泣きそうな勢いで頼まれていた。後ろで私も休むようにずっと頷いていた。大きなため息と一緒にサイドキック達を見た。
「なんかあったら呼べや」
とだけ残して事務所を出た彼。どうやら折れたようでサイドキック達と良かった!なんて言い合う。それから私見とくね!と伝えて一緒に事務所を出た。家に帰るものだと思っていたのにその足はなんだか見慣れない場所に進んでいっていた。ある程度進んだところでなんとなくその場所を思い出す。
「何勝手に先逝っとんだアホが……!」
そこは墓地の一角で。勝己の目の前の墓石には私の名前。ああそうだ。私本当にいないんだ。
よくある殉職をしたのはついこの間。いつも通り勝己とヴィランに退治していた。でもヴィランと勝己の相性がすこぶる悪くて勝己が思うように動けていない。他のヒーローもどうやら応援に来たけど1番激化している私たちの元まで辿り着くのが難しいようで。こっちの事を完璧に調べ上げて計画を練っていたらしく本当に厳しい状況だった。何時間にも及ぶ戦闘の末、勝己の集中力が切れかけていて、少しずつ隙が見え始める。そんな勝己のサポートはもちろん私の役目。だけど私の集中力も切れかけていて。そんな一瞬をついてヴィランが勝己を殺そうと動いた。
「勝己!」
勝手に動いてしまった体は勝己を守ることしか考えていなくて。気づいた時には私の心臓が貫かれていた。その様子を見た勝己は目を見開いて何か叫んで視界から消えた。それから複数の声が聞こえて、もう覚えていない。
思い出したら勝己が見てくれないのも、手を握っても反応がないことも仕方がない。だって私はそこにいないから。大粒の涙を流して墓石を見つめる勝己の頬に触れる。この手はもう透けて涙を拭うことも出来ない。もう、私には何も出来ない。彼のことをこんなにも想っているのに。
「大好きだよ。愛してる。だから――」
彼にはもう聞こえないだろうけど、ありったけの愛を込めてそう口にした。貴方に顔を見られなくて良かったなんて初めて思った。こんなに泣いていたら心配しちゃうだろうから。
「幸せになってね」
空を見上げた勝己と視線が交わった気がした。