爆豪勝己
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個性をかけられていることを知っていた……?出久に知られるだけでなく勝己にまで?勝己に引っ張られる時にどうにか掴んできたノートに書き込む。正直、勝己にも出久にも嘘をつきたくない。ついてもバレると思ってる。言い訳すれば良かったなんて考えていたところでどうせ罪悪感に襲われて気づかれるだけ。
"いつから知ってたの?"
真っ直ぐと、勝己を見つめる。私のこれまでは何だったんだ。そんなことを思ったって過去は変わらないしこの現状も変わることはない。願ってしまって今が変わってもないが代償か分かったもんじゃない。けど、そんなことをしたいなんて考えるくらいには動揺してる。どうせそれもバレてるんだろうな。
「分かんね。中学の頃だと思うけどよ。自分の感情に違和感覚えとんだこちとら」
"そっか……ごめん"
思わず俯いてノートを握り締めた手を見る。これから私はどうしたらいいんだろう。勝己の横にはもういれないのかな。最後まで自分勝手でごめんね。それでも私は貴方の幼馴染でいたかった。貴方のことが好きだった。そんな私を前に勝己は変わらず言葉を連ねる。
「茜の気がそれで済むんならいいと思っとった。けど倒れっし止めようともしねェ。流石に見過ごせねェんだわ」
無理なトレーニング始めるしよ、なんて言われて朝から見られてたんだななんて初めて気づく。気が済むならいいと思って……?私が諦めるのを待ってくれていたの?相変わらず優しいなぁなんて目頭が熱くなる。その優しさにずっと私は甘えてきたんだね。代償もなしにずっと。私は何を彼にしてあげられたんだろう。何もしてない。感情を奪っただけ。こんなに優しい勝己になんて酷いことをし続けたんだろう。後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
「好きだわ」
「へ?」
思わず声が溢れ出て口を手で覆った。ノートは重力に逆らうことなく床に落ちる。好きにならないでってお願いしたはず。まさか、かかってなかった?またかけないと?それとも私が願ってしまった?口にした覚えはない。いつだろう。なんでだろう。
「おめェの個性じゃねェからな」
嘘だそんなわけがない。私の個性じゃなかったらなんなんだ。勝己が私のことを好き?ただの幼馴染なのに?信じられない。
「信じらんねェなら茜、俺に個性かけろ。嫌いになれって」
まるで私の心を読んだかのような申し出に目を見開く。勝己は何を言ってるんだろうか。嘘でもそんなことは言いたくないと言うのに。それが出来ていたらずっとそうしているのに。唇を痛いくらい噛み締める。嫌いだなんて嘘でも言いたくない。勝己に嫌われたくもない。それが一時的なものであろうと。
「その時は嫌いになるかもな、おめェのこと。けどな。俺はぜってー俺は何度でも茜に惚れる自信がある」
真っ直ぐと私を見てくれているその表情は今まで見た事がないくらい真剣で。勝己がこんな嘘をつくわけがないとわかっている。だけど、それと同時に私が昔かけた個性が残ったままなんじゃないかって疑いが晴れない。けど、だけどもしこれが勝己の本心なら。私のせいじゃないなら。そんな考えが頭の中を埋める。
「だから言えよ。おめェの気持ち。好きか嫌いの2択だ」
どちらかを伝えるだけ。嫌いなんて言えないしいいたくもない。そもそも答えは1つ。落としたノートを拾おうと屈む。私と一緒に屈んだ勝己によって手を止められる。ノートに手が届くことはなかった。
「茜の声で聞きてェ」
固く結んだ口を薄く開く。言葉を紡ぐことはこんなにも難しいものだったか。息を少し吸い込む。願いではない。想いを口にするだけ。だから大丈夫。
「好き」
「おー」
「勝己のことが、大好き」
涙が頬を伝っていく。口にしてしまったそれは魔法のようで。留めなく溢れてくる気持ちにどうすればいいのか分からなくなる。
「好きなだけ言えや。ンなもんで俺の気持ちが変わるわけねェ。それは願いじゃねェから」
いつも撫でてくれる手が好き。私の名前を呼んでくれるその声が好き。私を前に連れ出してくれるその腕が好き。私よりも広くて頼りがいのある背中が好き。口は悪いけど心は優しいそんな勝己が好き。努力を惜しまず前に進み続ける姿が好き。いつだって気にかけてくれるところが好き。優しく見つめてくれるその赤い瞳が好き。これまで抑えていた好きの気持ちが言葉になって口から溢れる。こんなに話したのはいつぶりだろうか。ケホッと噎せたその時、勝己の大きな手が背中に触れた。
「好きなだけ言えやとは言ったけどよ。もう止めとけ。喉痛めっぞ」
そう笑いかけてくれた勝己の耳はほんのり赤に染っていて。そんな彼にまだ伝えたい言葉は尽きない。繋いだままだった手をしっかり握られてなんだか照れくさく思ってしまう。そのまま引かれて勝己の腕の中へ。少し早い鼓動がすぐ傍で聞こえる。
「貴方のことが、ずっと好き」
「俺もだわ」
顔を上げて見ると少し照れくさそうな勝己が。繋いでいない勝己の手が頬に触れる。なんとなく目を閉じると唇に柔らかいものを感じる。初めてのキスはなんだかしょっぱかった。
「愛される覚悟決めとけよ」
見上げた空は雲ひとつない青色だった。
Fin.
"いつから知ってたの?"
真っ直ぐと、勝己を見つめる。私のこれまでは何だったんだ。そんなことを思ったって過去は変わらないしこの現状も変わることはない。願ってしまって今が変わってもないが代償か分かったもんじゃない。けど、そんなことをしたいなんて考えるくらいには動揺してる。どうせそれもバレてるんだろうな。
「分かんね。中学の頃だと思うけどよ。自分の感情に違和感覚えとんだこちとら」
"そっか……ごめん"
思わず俯いてノートを握り締めた手を見る。これから私はどうしたらいいんだろう。勝己の横にはもういれないのかな。最後まで自分勝手でごめんね。それでも私は貴方の幼馴染でいたかった。貴方のことが好きだった。そんな私を前に勝己は変わらず言葉を連ねる。
「茜の気がそれで済むんならいいと思っとった。けど倒れっし止めようともしねェ。流石に見過ごせねェんだわ」
無理なトレーニング始めるしよ、なんて言われて朝から見られてたんだななんて初めて気づく。気が済むならいいと思って……?私が諦めるのを待ってくれていたの?相変わらず優しいなぁなんて目頭が熱くなる。その優しさにずっと私は甘えてきたんだね。代償もなしにずっと。私は何を彼にしてあげられたんだろう。何もしてない。感情を奪っただけ。こんなに優しい勝己になんて酷いことをし続けたんだろう。後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
「好きだわ」
「へ?」
思わず声が溢れ出て口を手で覆った。ノートは重力に逆らうことなく床に落ちる。好きにならないでってお願いしたはず。まさか、かかってなかった?またかけないと?それとも私が願ってしまった?口にした覚えはない。いつだろう。なんでだろう。
「おめェの個性じゃねェからな」
嘘だそんなわけがない。私の個性じゃなかったらなんなんだ。勝己が私のことを好き?ただの幼馴染なのに?信じられない。
「信じらんねェなら茜、俺に個性かけろ。嫌いになれって」
まるで私の心を読んだかのような申し出に目を見開く。勝己は何を言ってるんだろうか。嘘でもそんなことは言いたくないと言うのに。それが出来ていたらずっとそうしているのに。唇を痛いくらい噛み締める。嫌いだなんて嘘でも言いたくない。勝己に嫌われたくもない。それが一時的なものであろうと。
「その時は嫌いになるかもな、おめェのこと。けどな。俺はぜってー俺は何度でも茜に惚れる自信がある」
真っ直ぐと私を見てくれているその表情は今まで見た事がないくらい真剣で。勝己がこんな嘘をつくわけがないとわかっている。だけど、それと同時に私が昔かけた個性が残ったままなんじゃないかって疑いが晴れない。けど、だけどもしこれが勝己の本心なら。私のせいじゃないなら。そんな考えが頭の中を埋める。
「だから言えよ。おめェの気持ち。好きか嫌いの2択だ」
どちらかを伝えるだけ。嫌いなんて言えないしいいたくもない。そもそも答えは1つ。落としたノートを拾おうと屈む。私と一緒に屈んだ勝己によって手を止められる。ノートに手が届くことはなかった。
「茜の声で聞きてェ」
固く結んだ口を薄く開く。言葉を紡ぐことはこんなにも難しいものだったか。息を少し吸い込む。願いではない。想いを口にするだけ。だから大丈夫。
「好き」
「おー」
「勝己のことが、大好き」
涙が頬を伝っていく。口にしてしまったそれは魔法のようで。留めなく溢れてくる気持ちにどうすればいいのか分からなくなる。
「好きなだけ言えや。ンなもんで俺の気持ちが変わるわけねェ。それは願いじゃねェから」
いつも撫でてくれる手が好き。私の名前を呼んでくれるその声が好き。私を前に連れ出してくれるその腕が好き。私よりも広くて頼りがいのある背中が好き。口は悪いけど心は優しいそんな勝己が好き。努力を惜しまず前に進み続ける姿が好き。いつだって気にかけてくれるところが好き。優しく見つめてくれるその赤い瞳が好き。これまで抑えていた好きの気持ちが言葉になって口から溢れる。こんなに話したのはいつぶりだろうか。ケホッと噎せたその時、勝己の大きな手が背中に触れた。
「好きなだけ言えやとは言ったけどよ。もう止めとけ。喉痛めっぞ」
そう笑いかけてくれた勝己の耳はほんのり赤に染っていて。そんな彼にまだ伝えたい言葉は尽きない。繋いだままだった手をしっかり握られてなんだか照れくさく思ってしまう。そのまま引かれて勝己の腕の中へ。少し早い鼓動がすぐ傍で聞こえる。
「貴方のことが、ずっと好き」
「俺もだわ」
顔を上げて見ると少し照れくさそうな勝己が。繋いでいない勝己の手が頬に触れる。なんとなく目を閉じると唇に柔らかいものを感じる。初めてのキスはなんだかしょっぱかった。
「愛される覚悟決めとけよ」
見上げた空は雲ひとつない青色だった。
Fin.