爆豪勝己
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目を開くとと白い天井が広がっていた。自分の部屋ではない。ツンと鼻をくすぐる消毒液の匂い。ここは――保健室?
「おや起きたんだね。おはよう」
声が聞こえた方を向くとリカバリーガールが座っていた。なんだかよく分からなくて慌ててベッドから降りようとしたけれどそれは止められた。
「倒れたんだよ。覚えてるかい?」
記憶をどうにか引き寄せて思い出したのは歪んだ視界。あれは倒れたんだななんて納得して頷いた。それからどこをぶつけたんだろうと頭に触れてみる。けれどどこも痛くなくて。
「頭もどこもぶつけちゃいないよ。あの目つきの悪い子が抱きかかえて来た時にはびっくりしたけどね」
リカバリーガールからの説明を聞くとどうやら勝己が連れてきてくれたらしい。随分慌てていたようで保健室の使用許可証もなしに来たらしい。息を弾ませてドアを壊さんばかりに開けたもんだから小言の1つ2つ言おうとしたらしいけれどあまりに必死で。急に倒れた、少し前から顔は青かったけど普段通り過ごしていた、倒れたときぶつける前に抱えたから怪我はないはずと。必死な顔で状況を説明してくれたらしく流石勝己だななんて感心する。
「大事なんだろうね、彼にとって。お礼を言っておくことだね」
そう優しく言われてこくこくと頷いた。やっぱり勝己のことが好きだ。個性をかけても変わらない優しさにまた惚れ直してしまう。それと同時に襲う罪悪感。どうやったら個性が解けたなんて気持ちを変えたら分かるんだろう。目に見えて分かればいいのに。
「それでね、倒れた理由だけど、個性の使いすぎだよ。気をつけるように。分かったかい?」
心配そうにそう言ってくれるリカバリーガールに大きく頷く。頷きながらも内心、やっぱりななんて思う。それもそうだ。これまでと違って毎日演習に個性伸ばしと個性を使わない日はない。そのうえ勝己と過ごす時間も中学より増えたし、寮になってもっと増えた。個性をかける事だって……。体力をつけないと。こんな所でへばってられない。自主トレを増やそう。そんな考え込む私にリカバリーガールはあのクマのグミの小袋をくれた。時間を確認するとちょうど放課後になったばかりのようでベッドから降りようと動くと、大丈夫なのかい?と掛けられる優しい言葉。それに頷いてから保健室を後にした。
「茜ー!戻ったんだ!大丈夫やった?急に倒れるからびっくりしたよ!?」
「おっ戻ったんだな!って1人か?」
1人と聞かれて首をかしげる。保健室にはわたし以外いなかったはずだけど……。
「緑谷が様子見てくるって出てったんだ。見てねーか?」
見なかったとふるふる横に首を振る。そんな私を見て切島くんはすれ違っちまったか……?なんて首を捻った。出久、保健室に行ったのかな。探しに行こうかと視線を教室の外へ向ける。
「おい」
声をかけてきたのはやっぱり勝己で。どうしたのと首をかしげると具合はなんて心配してくれた。大丈夫だと伝えるために笑顔で親指を立てる。そんな私に柔らかく笑いかけてくれていつも通り、頭を撫でてくれる勝己。授業が終わるとさっさと帰ってしまう勝己がまだいるなんて、よっぽど心配をかけてしまったんだろう。ちくりと胸が痛む。そんな心配してもらう資格なんてないのに。でも運んでくれたのは勝己で"ありがとう"と口パクで伝えた。そんな私になんでもない事かのように勝己は帰っぞと声をかけてくれる。頷いて自分の席の席に向かうと荷物はなかった。
「あっ!さっき緑谷が持っていってたぞ! 」
「あ゛?余計なことしやがってクソが」
勝己の袖を引っ張って視線を合わせる。そして教室の外を指さした。私探してくるよの気持ちを込めて。
「……手伝うか?」
心配そうに見てくる勝己に首を横に振る。大丈夫だよと伝えてから教室を出た。なんだか勝己の横にいれなくて。
そのまま保健室に戻ったけど出久はいなくて。またすれ違ってしまったかと校舎を少しぶらつく。スマホもカバンの中だし困った。そんなことを考えながら日当たりのいい中庭に出ると見慣れたシルエットが。緑のもじゃもじゃを見つけて駆け寄る。ベンチに座ってる彼の視界の端に映ったのか大きな瞳と目が合った。
「茜ちゃん!よかったもしかして教室戻ってた?」
そう笑顔で話しかけてくる彼にどこか違和感を覚える。なんだか気まずそうな、そんな気がした。そして目が合ってからそわそわしだしたようにも思える。出久の言葉に頷いてから横に座った。すぐ側に私の荷物がある。出久のはないのを見たところすぐ戻るつもりだったんだろう。
「茜ちゃん……あのさ、僕さっきの聞いちゃったんだよね」
ポツポツと話し出した出久の言葉を聞きながら何を?と思い首をかしげる。
「個性使いすぎて倒れたって」
それで?と次の言葉を待ってみる。深呼吸をした出久を見てなんだか真面目な話なのかなと少し背筋を伸ばしてしまう。
「かっちゃんに個性使うのやめないの?」
聞こえてきた言葉に頭が一瞬真っ白になった。なんで?出久が知ってるの?そんな考えが頭を埋める。でも周りを毎回ちゃんと確認していたわけでもないし。
「倒れるくらい使ってるってことだよ……ね?危ないと僕思って……」
スマホを取り出して文字を打つ。流石に口パクでは伝えられない。だって、私がどんな思いでやってきたのか。知るわけもないと思うけど。だけど、今の私にそんな余裕はなくて。だって倒れて、体力が足りないなんて目の当たりにして。まだまだなんだななんて。こんな後悔してるのに消せないなんて。出久だって知らないでしょ?なんで私が個性かけてるのかなんて。
"貴方には関係ないでしょ"
突き放したのは私から。でも出久を気遣う余裕もない。視界が涙で歪む。気遣ってくれたのも分かるけどそんな余裕はなかった。
「おや起きたんだね。おはよう」
声が聞こえた方を向くとリカバリーガールが座っていた。なんだかよく分からなくて慌ててベッドから降りようとしたけれどそれは止められた。
「倒れたんだよ。覚えてるかい?」
記憶をどうにか引き寄せて思い出したのは歪んだ視界。あれは倒れたんだななんて納得して頷いた。それからどこをぶつけたんだろうと頭に触れてみる。けれどどこも痛くなくて。
「頭もどこもぶつけちゃいないよ。あの目つきの悪い子が抱きかかえて来た時にはびっくりしたけどね」
リカバリーガールからの説明を聞くとどうやら勝己が連れてきてくれたらしい。随分慌てていたようで保健室の使用許可証もなしに来たらしい。息を弾ませてドアを壊さんばかりに開けたもんだから小言の1つ2つ言おうとしたらしいけれどあまりに必死で。急に倒れた、少し前から顔は青かったけど普段通り過ごしていた、倒れたときぶつける前に抱えたから怪我はないはずと。必死な顔で状況を説明してくれたらしく流石勝己だななんて感心する。
「大事なんだろうね、彼にとって。お礼を言っておくことだね」
そう優しく言われてこくこくと頷いた。やっぱり勝己のことが好きだ。個性をかけても変わらない優しさにまた惚れ直してしまう。それと同時に襲う罪悪感。どうやったら個性が解けたなんて気持ちを変えたら分かるんだろう。目に見えて分かればいいのに。
「それでね、倒れた理由だけど、個性の使いすぎだよ。気をつけるように。分かったかい?」
心配そうにそう言ってくれるリカバリーガールに大きく頷く。頷きながらも内心、やっぱりななんて思う。それもそうだ。これまでと違って毎日演習に個性伸ばしと個性を使わない日はない。そのうえ勝己と過ごす時間も中学より増えたし、寮になってもっと増えた。個性をかける事だって……。体力をつけないと。こんな所でへばってられない。自主トレを増やそう。そんな考え込む私にリカバリーガールはあのクマのグミの小袋をくれた。時間を確認するとちょうど放課後になったばかりのようでベッドから降りようと動くと、大丈夫なのかい?と掛けられる優しい言葉。それに頷いてから保健室を後にした。
「茜ー!戻ったんだ!大丈夫やった?急に倒れるからびっくりしたよ!?」
「おっ戻ったんだな!って1人か?」
1人と聞かれて首をかしげる。保健室にはわたし以外いなかったはずだけど……。
「緑谷が様子見てくるって出てったんだ。見てねーか?」
見なかったとふるふる横に首を振る。そんな私を見て切島くんはすれ違っちまったか……?なんて首を捻った。出久、保健室に行ったのかな。探しに行こうかと視線を教室の外へ向ける。
「おい」
声をかけてきたのはやっぱり勝己で。どうしたのと首をかしげると具合はなんて心配してくれた。大丈夫だと伝えるために笑顔で親指を立てる。そんな私に柔らかく笑いかけてくれていつも通り、頭を撫でてくれる勝己。授業が終わるとさっさと帰ってしまう勝己がまだいるなんて、よっぽど心配をかけてしまったんだろう。ちくりと胸が痛む。そんな心配してもらう資格なんてないのに。でも運んでくれたのは勝己で"ありがとう"と口パクで伝えた。そんな私になんでもない事かのように勝己は帰っぞと声をかけてくれる。頷いて自分の席の席に向かうと荷物はなかった。
「あっ!さっき緑谷が持っていってたぞ! 」
「あ゛?余計なことしやがってクソが」
勝己の袖を引っ張って視線を合わせる。そして教室の外を指さした。私探してくるよの気持ちを込めて。
「……手伝うか?」
心配そうに見てくる勝己に首を横に振る。大丈夫だよと伝えてから教室を出た。なんだか勝己の横にいれなくて。
そのまま保健室に戻ったけど出久はいなくて。またすれ違ってしまったかと校舎を少しぶらつく。スマホもカバンの中だし困った。そんなことを考えながら日当たりのいい中庭に出ると見慣れたシルエットが。緑のもじゃもじゃを見つけて駆け寄る。ベンチに座ってる彼の視界の端に映ったのか大きな瞳と目が合った。
「茜ちゃん!よかったもしかして教室戻ってた?」
そう笑顔で話しかけてくる彼にどこか違和感を覚える。なんだか気まずそうな、そんな気がした。そして目が合ってからそわそわしだしたようにも思える。出久の言葉に頷いてから横に座った。すぐ側に私の荷物がある。出久のはないのを見たところすぐ戻るつもりだったんだろう。
「茜ちゃん……あのさ、僕さっきの聞いちゃったんだよね」
ポツポツと話し出した出久の言葉を聞きながら何を?と思い首をかしげる。
「個性使いすぎて倒れたって」
それで?と次の言葉を待ってみる。深呼吸をした出久を見てなんだか真面目な話なのかなと少し背筋を伸ばしてしまう。
「かっちゃんに個性使うのやめないの?」
聞こえてきた言葉に頭が一瞬真っ白になった。なんで?出久が知ってるの?そんな考えが頭を埋める。でも周りを毎回ちゃんと確認していたわけでもないし。
「倒れるくらい使ってるってことだよ……ね?危ないと僕思って……」
スマホを取り出して文字を打つ。流石に口パクでは伝えられない。だって、私がどんな思いでやってきたのか。知るわけもないと思うけど。だけど、今の私にそんな余裕はなくて。だって倒れて、体力が足りないなんて目の当たりにして。まだまだなんだななんて。こんな後悔してるのに消せないなんて。出久だって知らないでしょ?なんで私が個性かけてるのかなんて。
"貴方には関係ないでしょ"
突き放したのは私から。でも出久を気遣う余裕もない。視界が涙で歪む。気遣ってくれたのも分かるけどそんな余裕はなかった。