爆豪勝己
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すぅーっと息を吸い込む。目の前には試験用の大きなロボット。0ポイントだから対峙する必要はない。周りがみんな逃げたのも確認済み。後は、言葉にするだけ。
「――――壊れて」
数分後、目の前のロボットはその機械の腕で己を殴りだし動かなくなった。
私の個性は「言霊」。口にしたことが叶ってしまう個性。それは生み出せる訳ではない。まず、対象を視界に入れないといけない。その上で、お金が欲しいなんて口にしたら私のお財布は分厚くなるけどどこか誰かのお財布がペラペラになっちゃう。飛びたいとか言えば少しの間は飛べるけど物凄く体力を使うとか。――人を気持ちを変えるのにはもっと体力を消耗するしいつまで続くか分からないとか。それにあくまで「言霊」だから叶うまでに時間がかかったりもする。強く願えば早く叶うことの方が多いけど必ずとは言えない。飛びたい時に飛べない。強くなりたい時に強くなれないなんてざらだ。何事にも代償は必要。仕方のないことだと思っている。だからこそ、私は極力言葉を口にしない。良くも悪くも、いつか叶ってしまうから。
「茜ちゃん!食堂行こう!」
"うん!お腹すいちゃったね"
手持ちのノートに言葉を書き込んではにかみながら見せる。目の前にいるミナちゃんは元気よく頷いて手を取ってくれた。
憧れの雄英に入学して随分と時間が経った気がする。それも幼なじみの勝己と出久と一緒だ。幼稚園からずっと一緒の2人とまた同じ学校に通えているのは嬉しい。純粋な気持ちだけとは言えないけれど。でも、なんでかは分からないけど二人の関係も少し落ち着いたように見えるのは嬉しい。実際に良くなったように思える。中学の時は酷かった。見ていられなかった。どうにかしたいと思って動いても解決することは私にはできなかった。何がきっかけが分からないけれどそれには感謝もしてる。
食堂に向かおうと教室を出る時にちらと視界に勝己を入れる。その一瞬であの赤い瞳と目が合う。フッと優しい笑みを見せてくれた。ああ、だめだ。またやらなきゃ。弱くなっている気がする。心がズキズキと痛み始めた。気づかれないように笑い返してミナちゃんについて行った。
「爆豪ってさ茜ちゃんには優しくない!?幼馴染だからっていうのに見えない時がある!」
ご飯を食べようとした時に言われたそんな言葉に驚いて固まってしまう。それから急いでノートを取り出して言葉を連ねた。私が、勝己と話す時に出久ともし違って見えたのならそれは間違いないのかもしれない。私はずっと勝己に恋しているから。でも、勝己がって言うのはありえない。だってただの幼馴染でいるはずだから。
"それはありえないよ。勝己が私に対して幼馴染以外の感情を持つはずないから"
「あるかもしれないじゃん!幼馴染と恋とかさぁ!!」
"ないない!ほんと家族みたいなものだからさ"
そんなことを書きながら自分の心が痛む。ありえない。そう、ありえないことだ。だから辛くなんて思ってる場合じゃない。私が、決めたことなんだから。この後すぐにでも勝己に会おうと心に決めてみんなとご飯を食べ始めた。
「――私を好きにならないで」
今日も繰り返すこの言葉。食堂を出てすぐに勝己を探した。すぐに見つけた大好きな彼の背中に向かって、何度紡いできたかもう分からない。叶ってるとは思う。でもいつか解けてしまったらなんて思うと、やめることができない。嫌いになってなんて言えないのは私が弱いから。話してさえもらえなくなることに耐えられない。それでもずっと、ずっと後悔していることがある。きっとこれは懺悔だ。小さく零した自分の言葉が勝己に届かないようにと、胸の前で手をギュッと握りしめた。
「――――壊れて」
数分後、目の前のロボットはその機械の腕で己を殴りだし動かなくなった。
私の個性は「言霊」。口にしたことが叶ってしまう個性。それは生み出せる訳ではない。まず、対象を視界に入れないといけない。その上で、お金が欲しいなんて口にしたら私のお財布は分厚くなるけどどこか誰かのお財布がペラペラになっちゃう。飛びたいとか言えば少しの間は飛べるけど物凄く体力を使うとか。――人を気持ちを変えるのにはもっと体力を消耗するしいつまで続くか分からないとか。それにあくまで「言霊」だから叶うまでに時間がかかったりもする。強く願えば早く叶うことの方が多いけど必ずとは言えない。飛びたい時に飛べない。強くなりたい時に強くなれないなんてざらだ。何事にも代償は必要。仕方のないことだと思っている。だからこそ、私は極力言葉を口にしない。良くも悪くも、いつか叶ってしまうから。
「茜ちゃん!食堂行こう!」
"うん!お腹すいちゃったね"
手持ちのノートに言葉を書き込んではにかみながら見せる。目の前にいるミナちゃんは元気よく頷いて手を取ってくれた。
憧れの雄英に入学して随分と時間が経った気がする。それも幼なじみの勝己と出久と一緒だ。幼稚園からずっと一緒の2人とまた同じ学校に通えているのは嬉しい。純粋な気持ちだけとは言えないけれど。でも、なんでかは分からないけど二人の関係も少し落ち着いたように見えるのは嬉しい。実際に良くなったように思える。中学の時は酷かった。見ていられなかった。どうにかしたいと思って動いても解決することは私にはできなかった。何がきっかけが分からないけれどそれには感謝もしてる。
食堂に向かおうと教室を出る時にちらと視界に勝己を入れる。その一瞬であの赤い瞳と目が合う。フッと優しい笑みを見せてくれた。ああ、だめだ。またやらなきゃ。弱くなっている気がする。心がズキズキと痛み始めた。気づかれないように笑い返してミナちゃんについて行った。
「爆豪ってさ茜ちゃんには優しくない!?幼馴染だからっていうのに見えない時がある!」
ご飯を食べようとした時に言われたそんな言葉に驚いて固まってしまう。それから急いでノートを取り出して言葉を連ねた。私が、勝己と話す時に出久ともし違って見えたのならそれは間違いないのかもしれない。私はずっと勝己に恋しているから。でも、勝己がって言うのはありえない。だってただの幼馴染でいるはずだから。
"それはありえないよ。勝己が私に対して幼馴染以外の感情を持つはずないから"
「あるかもしれないじゃん!幼馴染と恋とかさぁ!!」
"ないない!ほんと家族みたいなものだからさ"
そんなことを書きながら自分の心が痛む。ありえない。そう、ありえないことだ。だから辛くなんて思ってる場合じゃない。私が、決めたことなんだから。この後すぐにでも勝己に会おうと心に決めてみんなとご飯を食べ始めた。
「――私を好きにならないで」
今日も繰り返すこの言葉。食堂を出てすぐに勝己を探した。すぐに見つけた大好きな彼の背中に向かって、何度紡いできたかもう分からない。叶ってるとは思う。でもいつか解けてしまったらなんて思うと、やめることができない。嫌いになってなんて言えないのは私が弱いから。話してさえもらえなくなることに耐えられない。それでもずっと、ずっと後悔していることがある。きっとこれは懺悔だ。小さく零した自分の言葉が勝己に届かないようにと、胸の前で手をギュッと握りしめた。