爆豪勝己
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「あれ?勝己何食べてんの?」
「かれぇマーボーどーふ!」
「え?辛いの?そんな好きじゃなかったよね?」
お隣さんの勝己の家に行くと、いつもと違うものを食べていて目を引いた。家が隣同士なのもあって可愛い弟のような存在の勝己。そんな勝己が1年生になって私と同じ小学校に通い始めた。といっても私は小6で一緒に通えるのはことら1年だけだけど。
「俺は!オールマイトを超えるヒーローになるからな!これくらい食えんだ!」
「目に溜まってるのはなによ?」
「汗!」
「汗かーそっかー」
大きな瞳に負けないくらい涙を溜めた目元は見ないことにしてあげる。こっそり光己さんに聞くと辛いものが発汗を促進させるとか何とかで勝己の個性にぴったりらしい。あーそれで……と一生懸命水を飲みながら食べてる勝己を眺めていた。それから毎日のように何かしら辛いものを食べたがっている。時々勝己の家でご飯を食べてる私だけど私のご飯、というか勝己の以外は変わらないから内心応援するだけよかった。
ある日、光己さんに頼まれて勝己と2人でおつかいに行った。カレーにするからルーから買ってきて欲しいと。材料も好きに選んでいいと言ってもらえた。勝己の言うことは無視してくれといつもの言葉付きで。まぁそれくらいならと頷いた私が馬鹿だった。
「おい!クソ姉貴!」
「クソ姉貴はやめてって言ったじゃん」
「これ辛そう!」
そう言って勝己が指さしたのは真っ黒のパッケージに赤字で激辛と書かれたカレールー。いやえっと確かにカレールーを買ってきてとは言われた。勝己の言う通り間違いなく辛いだろう。正直に言おう。私はそんなに辛いのが得意な方ではない。嫌いではないけど、最近勝己が食べてる様なものはあまり食べたいとは思わない。
「それ激辛って書いてるからほんとに辛いよ?やめときな?」
「いやだ!これ食う!」
「それだと私が食べれないんだよな〜困っちゃうな〜」
「ハッ!ざーこ!」
「……いいです買いません。これにします」
そろそろそのすぐに煽るのを勝己はやめた方がいいと思う。そう思いながら目の前にある緑のパッケージの普通のルーを手に取る。ぎゃんぎゃん騒いでる勝己には目もくれない。これも光己さんに習ったこと。お菓子売り場で泣いている子と変わらない。これでおつかいを頼まれたわけね……。光己さんとだったらこりゃ大喧嘩だわ……。いつもしてるけど。そう思いながらカゴの中に次々と頼まれた材料を入れていく。カレールー売り場からは少し離れて次は肉を選ぶ。その時クンっと服を引っ張られた。
「……なんです?」
「…………ん」
「聞こえませんよ」
「ごっめん……姉ちゃん……置いてくな……」
俯いてそう呟く勝己に目線を合わせてしゃがむ。目元に溜まった涙を拭ってやりながら軽くお説教をする。ガミガミ怒るのは光己さんの役目。私はいつも静かに怒る。どこがダメだったか、なぜ私が怒ったか、まず勝己に考えさせる。とまぁ私がそうお母さん怒られるから真似してるだけだけど。
「ほらもう怒ってないよ。勝己ちゃんと分かったんでしょ?強いんだからこんな事で泣かないの」
「泣いてっぐすっねぇ!」
「はいはいほら手繋ごうね」
「泣いてねぇっ!からなっ!」
「わかったわかった」
その日はそれで家に帰ったけど後日その激辛カレールーを買っていくと勝己はものすごく喜んでいた。それから学校では辛いの食べれる!と宣言してるらしくまぁ本当によく食べるようになった。激辛カレー以降、容赦のない辛いものが光己さんによって作られるようでその時はボロボロ涙を零しながら食べてた。といってもその姿を私が見たのは1、2回しかない。正直可愛かった。食べれる!と頑張ってほっぺを膨らませて食べてる姿はリスみたいで。水も沢山飲みながら頑張って食べていた。私が無理しないでいいんだよ?なんて声をかけても食える!としか言わなくて。光己さんには好きにさせとけばいいのよと言われて涙ぐむ勝己を応援するだけしていた。苦手、とまで行かないけれど得意でないものを克服しようと可愛い弟が頑張ってたら応援するしかないでしょう?
「勝己、水いる?」
「くれ!!」
「あんなに可愛かったのになぁ……」
「あ゛?んだよ」
目の前には大口を開けながらものすごく激辛に作られた麻婆豆腐を食べてる勝己。私の分とは違って何だかよくわからない調味料を沢山かけてもう見てるだけで目が痛い。ていうかもはや目の前に座ってるだけでなんだか喉が痛い気がまでしてくる。なんでもないよ首を振ると気に食わなさそうにまた麻婆豆腐を口に運んでいた。こんなことを思うなんておばさんかな。でもあの頃の可愛かった勝己を忘れるなんてできない。
「……食わんのか」
「食べるよー思い出に浸ってただけだよ」
「余計なこと考えてんじゃねェよ。ババァか」
「あー酷い酷い。いつからそんなこと言うようになったの……」
「うっせ」
私の為に勝己のほど辛くされていない麻婆豆腐を口に運ぶ。ピリリと辛くて口の中がヒリヒリする。だけど美味しくて。こんなゆったりとした時間がずっと続けばいいのに。なんてプロヒーローになった彼には少し酷なことを思ってしまった。
「かれぇマーボーどーふ!」
「え?辛いの?そんな好きじゃなかったよね?」
お隣さんの勝己の家に行くと、いつもと違うものを食べていて目を引いた。家が隣同士なのもあって可愛い弟のような存在の勝己。そんな勝己が1年生になって私と同じ小学校に通い始めた。といっても私は小6で一緒に通えるのはことら1年だけだけど。
「俺は!オールマイトを超えるヒーローになるからな!これくらい食えんだ!」
「目に溜まってるのはなによ?」
「汗!」
「汗かーそっかー」
大きな瞳に負けないくらい涙を溜めた目元は見ないことにしてあげる。こっそり光己さんに聞くと辛いものが発汗を促進させるとか何とかで勝己の個性にぴったりらしい。あーそれで……と一生懸命水を飲みながら食べてる勝己を眺めていた。それから毎日のように何かしら辛いものを食べたがっている。時々勝己の家でご飯を食べてる私だけど私のご飯、というか勝己の以外は変わらないから内心応援するだけよかった。
ある日、光己さんに頼まれて勝己と2人でおつかいに行った。カレーにするからルーから買ってきて欲しいと。材料も好きに選んでいいと言ってもらえた。勝己の言うことは無視してくれといつもの言葉付きで。まぁそれくらいならと頷いた私が馬鹿だった。
「おい!クソ姉貴!」
「クソ姉貴はやめてって言ったじゃん」
「これ辛そう!」
そう言って勝己が指さしたのは真っ黒のパッケージに赤字で激辛と書かれたカレールー。いやえっと確かにカレールーを買ってきてとは言われた。勝己の言う通り間違いなく辛いだろう。正直に言おう。私はそんなに辛いのが得意な方ではない。嫌いではないけど、最近勝己が食べてる様なものはあまり食べたいとは思わない。
「それ激辛って書いてるからほんとに辛いよ?やめときな?」
「いやだ!これ食う!」
「それだと私が食べれないんだよな〜困っちゃうな〜」
「ハッ!ざーこ!」
「……いいです買いません。これにします」
そろそろそのすぐに煽るのを勝己はやめた方がいいと思う。そう思いながら目の前にある緑のパッケージの普通のルーを手に取る。ぎゃんぎゃん騒いでる勝己には目もくれない。これも光己さんに習ったこと。お菓子売り場で泣いている子と変わらない。これでおつかいを頼まれたわけね……。光己さんとだったらこりゃ大喧嘩だわ……。いつもしてるけど。そう思いながらカゴの中に次々と頼まれた材料を入れていく。カレールー売り場からは少し離れて次は肉を選ぶ。その時クンっと服を引っ張られた。
「……なんです?」
「…………ん」
「聞こえませんよ」
「ごっめん……姉ちゃん……置いてくな……」
俯いてそう呟く勝己に目線を合わせてしゃがむ。目元に溜まった涙を拭ってやりながら軽くお説教をする。ガミガミ怒るのは光己さんの役目。私はいつも静かに怒る。どこがダメだったか、なぜ私が怒ったか、まず勝己に考えさせる。とまぁ私がそうお母さん怒られるから真似してるだけだけど。
「ほらもう怒ってないよ。勝己ちゃんと分かったんでしょ?強いんだからこんな事で泣かないの」
「泣いてっぐすっねぇ!」
「はいはいほら手繋ごうね」
「泣いてねぇっ!からなっ!」
「わかったわかった」
その日はそれで家に帰ったけど後日その激辛カレールーを買っていくと勝己はものすごく喜んでいた。それから学校では辛いの食べれる!と宣言してるらしくまぁ本当によく食べるようになった。激辛カレー以降、容赦のない辛いものが光己さんによって作られるようでその時はボロボロ涙を零しながら食べてた。といってもその姿を私が見たのは1、2回しかない。正直可愛かった。食べれる!と頑張ってほっぺを膨らませて食べてる姿はリスみたいで。水も沢山飲みながら頑張って食べていた。私が無理しないでいいんだよ?なんて声をかけても食える!としか言わなくて。光己さんには好きにさせとけばいいのよと言われて涙ぐむ勝己を応援するだけしていた。苦手、とまで行かないけれど得意でないものを克服しようと可愛い弟が頑張ってたら応援するしかないでしょう?
「勝己、水いる?」
「くれ!!」
「あんなに可愛かったのになぁ……」
「あ゛?んだよ」
目の前には大口を開けながらものすごく激辛に作られた麻婆豆腐を食べてる勝己。私の分とは違って何だかよくわからない調味料を沢山かけてもう見てるだけで目が痛い。ていうかもはや目の前に座ってるだけでなんだか喉が痛い気がまでしてくる。なんでもないよ首を振ると気に食わなさそうにまた麻婆豆腐を口に運んでいた。こんなことを思うなんておばさんかな。でもあの頃の可愛かった勝己を忘れるなんてできない。
「……食わんのか」
「食べるよー思い出に浸ってただけだよ」
「余計なこと考えてんじゃねェよ。ババァか」
「あー酷い酷い。いつからそんなこと言うようになったの……」
「うっせ」
私の為に勝己のほど辛くされていない麻婆豆腐を口に運ぶ。ピリリと辛くて口の中がヒリヒリする。だけど美味しくて。こんなゆったりとした時間がずっと続けばいいのに。なんてプロヒーローになった彼には少し酷なことを思ってしまった。